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余生闇精霊は考える

銀の髪がキレイだ。

人肌が暖かい。


「ちか、着きました。」

シグさんが言った。

どうやら居眠りしていたらしい。

いつもの王宮のエントランスにいた。


…お姫様抱っこされてるよ。


「お帰りなさいませ、殿下、ちかさま。」

マリオンさんがニコニコしていった。

わー、なんか皆様に生暖かい目で見られてますが。

「ただいま。」

私は言った。

「……母上、紛れ込まないでください。」

シグさんが言った。


「バレてしまいましたの。」

出迎えの人の中から銀の髪の女性が

出てきた。

「ええ、バレまくりです。」

シグさんが言った。


王宮のお仕着せの制服はクレシア芸術国と

いうだけあって種類も豊富で

そろってるけど、個性的と言う感じだ。


その中でエプロンに木屑つけたその人は

私から見ればみごとに紛れ込んでたけどね。


「私、シグルトの好きなおばちゃんを見に来ましたの。」

その人は言った。


おばちゃん、そうですよ。

うん、確かにおばちゃんです。


「母上、ちかはおばちゃんじゃありません。」

シグさんが言った。

「そうですの!事実は小説より奇なりですの!おばちゃんじゃないんですの!」

母上?は言った。

「小説より奇なりって、私は珍獣ですか…。」

私は呟いた。


「ルナさん嘘つきですの!こんなに綺麗な黒髪初めて見ましたの!」

王妃様?は言った。


正確には、超深い緑なんです、紫世界は闇が緑色なので。


「ぜひ、アトリエにきて、モデルをしてもらいたいんですの!」

王妃様?は言った。

「これから、愛を確かめあおうと思ってますので。」

シグさんが言った。


愛を確かめあおうとって

何気に恥ずかしいんですが?


「王妃様、お茶会にご招待なさるのではないのですか?」

女官長が言った。

「そうですの!ぜひ、来てもらいたいですの!」

王妃様?は言った。

「ハア、お茶会の作法わかりませんが。」

私は素直言った。


うん、うちセレブじゃないし。


「ああ、楽しみですの!ちかさんのスケッチ沢山して彫刻しますの。」

うっとりと王妃様?は言った。


なにがこの芸術家の琴線に

触れたんだか分からないよ。


「スケッチ沢山って…。」

私は呟いた。

「ごめん、ちか、ああいう母なんだ。」

シグさんが言った。


うん、おばちゃんは気にしないよ。


部屋に戻ると今度は

グランパシャルル陛下がいやがった。


「ねぇ、テレビで見たんだけど派手なことやったね♪」

グランパシャルル陛下が言った。

「派手ですか?」

シグさんが言った。

「うん、議会は大荒れだよ。」

グランパシャルル陛下が言った。


やっぱり、おばちゃんじゃダメなんだよね。


「ま、なんとかなるよ、ガンバ♪」

そういってグランパシャルル陛下は去っていった。


なんだったのさ?


「議会か…いざとなったら従兄の子供に王位を押し付けよう。」

シグさんが不穏なことを言った。

「シグさん、いいよ、私、この瞬間だけでもいいや。」

私は言った。


うん、シグさんとレイはちがう。

そうに考えてくれただけでいいや。


「ちか、この瞬間だけでは嫌です。」

シグさんが言った。

「余生じゃない瞬間があるだけでいい。」

私は言った。


「ああ、そうだ、議会の大荒れってさ、結婚反対じゃないよ、結婚そのものは全会一致で大賛成だからね♪」

グランパシャルル陛下がまた顔を出した。


あの、最悪の事態を思った私の立場は?


「なにが大荒れなんですか?」

シグさんが言った。

「ちかちゃんのご両親にどう承認えるかとか、公式会見とか、結婚式の準備の担当配分だよ。」

グランパシャルル陛下が言った。


そう言う具体的な話なの?


「ちかちゃん逃したら、ミシェルみたいに超晩婚か、未婚通しそうな王太子だよ、承認するって。」

クレシア芸術国の議会は

頭が柔らかいらしい。

「ちか、あなたの落ち込みぐせは何とかしないとですね。」

シグさんが言った。


そうだね、考えようか…。


そういや、なんで結婚することに

なってるの?

私、やっとシグさんの事好きって

自覚したところだよ。

おばちゃん、とまどってるよ。

結婚してもいいの?

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