凄腕バイヤーは舌をまく。
ちかちゃんただもんじゃないです。
いつの間にタンマツという機械の
情報を仕入れたんですか?
「つまり、この構造だと、自由度の高い通信機ができるわけだね。」
トスモル技術国の天才発明家は言った。
「はい、空間術の圧縮技術を使用してます、空間の歪みが来たときは…。」
ちかちゃんが専門的な知識を言った。
よくわかんないってこの間まで言ってたのに…。
おっさんの方こそよくわかんないよ。
「以上が端末の基本知識です。」
ちかちゃんが言った。
「ちか、どこで仕入れてきたんだよ、その知識。」
カイトの若旦那が言った。
「端末の会社からです、ぜひ通信機の技術も知りたいそうです。」
ちかちゃんが言った。
いつの間にれんらくなんぞ取ったんだよ。
「トスモル技術国の方が希望するのなら、エーシア商会を通じて技術者を派遣するそうです。」
ちかちゃんが続けて言った。
「ぜひお願いします!」
トスモルの天才発明家は言った。
たしか、おんぶオバケちゃんがくると、
ひらめく男だったな。
ギサス・エアーイェ博士は…。
オレ、ヘサエル・ワソランは
エーシア商会のベテランバイヤーだ。
そして、カイトの若旦那もシグルト殿下も
小さいときから知っている。
最近は友達づきあいだが…。
シグルト殿下が、吹雪の王子なのは
女性に夢を持ちすぎだからだと思ってた。
まあ、理想高く待ってたかいあったなと
オレは言いたい。
自分で考えて資料集めするなんて、
明正和次元の女性はみんなそうなのか?
違うな、少なくとも、ルナ嬢ちゃんは
そう言うタイプじゃない。
ある意味、正反対な二人だな。
理性的な女性と情熱の女性。
ま、好みの問題なんだろうけど。
オレは、ちかちゃんがシグルト殿下の
嫁になってもらいたいね。
ルナ嬢ちゃんはもう、マルティウスの旦那の
嫁だしね。
「うーん、シグルトに恨まれながらも、ちかをつれてきてよかったぜ。」
カイトの若旦那が言った。
「そうですね。」
オレは同意した。
話はついたようだ。
どうやらトスモル技術振興会の会議に
かけるらしい。
つまり、議会にかけると言うことか?
ここは、トスモル技術振興会の連中が
国を動かしていたからな。
「カイトの若旦那、後はお願いします。」
ちかちゃんが言った。
ああ、仲介料金とかの話か。
「おー、任せとけ。」
カイトの若旦那が言った。
うん、任せた。
「ちかちゃん、スゴいね♪」
オレは場所を移ったちかちゃんに言った。
「端末会社の担当者さんのカンペを見まくっただけですよ。」
ちかちゃんがタンマツの画面に写った異世界の文字を見せた。
これ見るとちかちゃんが異世界人って
おもいだすわー。
おっさん、なにかいてあるか読めないもん。
そもそも、機械系専門じゃないし。
でも、でも異世界人でもいい。
ぜひ、シグルト殿下のものになってほしいな。
吹雪の王子がハチミツ王子になるし
クレシア芸術国は聡明なこの女性を得ることが出来るしな。
シグルト殿下には頑張ってもらわないとな♪




