吹雪の王子は解凍中2
ちかが私の部屋に引っ越してきた。
嬉しい…でも…距離をかんじる。
ちかは何かあるようだ。
「調べてみるか…。」
私は呟いた。
明正和次元のちかの家族や
担当ソウトントンとは
そこそこ連絡している。
「千嘉ちゃん?ああ、いって良いのかな?」
調度、様子を見に来ていた緑の髪にオレンジの目の男が言った。
ちか担当のソウトントンとのことだ。
「ぜひ、お願いします。」
私はソウトントンに最上のクレシアの礼をした。
このソウトントンという人間には
魔法使いとしてただならぬ力感じる。
「……うん……わかった。」
ソウトントンが虚空を見つめて呟いた。
何がわかったんだろう?
「うーんとね、本体から許可でたから教えるけど、上手につかって、千嘉ちゃんを幸せにしてあげてね。」
ソウトントンが言った。
本体?ソウトントンとはどんな生き物なんだ?
ちかにそんなことがあったとは。
その男、なにかんがえてる?
「吹雪の王子殿下冷たすぎると僕、空飛ぶ人参だから、凍っちゃうよ。」
ソウトントンが本当なのか
嘘なのわからないが言った。
ちか、あなたは…可哀想に…。
エーシア商会にむかえに行くと
ちかは大型通信機に向かって
仕事をしていた。
「あ、シグさん、ちょっと待ってくださいね。」
ちかが微笑んだ。
あの話を聞いた後だけに痛々しい。
「あ、シグルト殿下、ちかさん、もう少しこちらで働かせられませんか?」
ハーシェルさんが言った。
ちかは優秀でカイトからも
もっと時間を増やすように言われてる。
「考えておきますよ。」
私は言った。
まあ、増やす気は一ミリもないが。
社交辞令もあるしな。
「カイトの若旦那に在庫数は送信したから終わりかな。」
ちかが言った。
「うん、終わりだよ。」
ハーシェルさんが言った。
「じゃあ、帰らせていただきます、お先に失礼します。」
ちかがおじぎをして微笑んだ。
「はい、お疲れさま、シグルト殿下、本当に頼みますよ。」
ハーシェルさんが言った。
「あ、仕事時間の話ですね、私も増やしてもらいたいです。」
ちかは言った。
働き者過ぎる…。
「まあ、考えておくよ。」
私は少し寂しく思いながら言った。
ちかと手をつないでかえりながら思った。
(迷ういけないといってつないでいる。)
ちかとその男はどういう関係だったんだろう?
ちかが捨てられたショックの
あまりもう人生は余生だと思うほど
深い関係なんだろうか?
聞いてみたい…いや、聞きたくない。
……過去にとらわれた?
「今日は悩みごとですか?いつものお礼に聞きましょうか?」
ちかが言った。
ちかを見ると心配そうな顔をしている。
私は…どうしたい?
そうだ、ちかが愛しい…。
ちかがその男と過去何があろうと。
今、この場に来られない男なんて
気にしない。
そうに決めた。
「大丈夫ですよ、ちかは疲れてませんか?」
私は微笑んだ。
「大丈夫だよ、シグさん、忙しければ無理に迎えに来なくても…。」
ちかがいいかけた。
「癒しなんです、止めません。」
私は宣言した。
そうだ、過去に何があっても
ちかはちかだ。
そして…私はちかを心より
大切に想っている。
誰にも渡さない。




