余生闇精霊は仕事中3
エーシア商会の仕事は楽しい。
普段みたこともない高級品から、
珍しい食材までそろってるし。
異国情緒たっぷりだよ。
まあ、もれなく、この世界すべてが
私にとって異国なんだけどさ。
「ちか、これ、食ってみろ。」
カイトの若旦那が新しく仕入れた。
菓子を持ってきた。
なんでも、クレシア芸術国の
新進気鋭の菓子職人のもんらしい。
形がマーガレットの花見たいで綺麗な
クッキー?だ。
「カイトの坊っちゃん、アイカワさんだけですか?」
ハーシェル管理室長が言った。
「おばちゃんも、食べて、若い女性がターゲットだから、ちかにたのんだだけだし。」
カイトの若旦那が言った。
「カイトの若旦那、私はおばちゃんですから、役にたちませんよ。」
私は言った。
まあ、甘いものは好きです。
「ここは、ちかとハーシェルのおばちゃん以外ヤローばっかだしな、店舗の方なら若い女性店員がいるんだが。」
カイトの若旦那が言った。
ああ、ここは商品管理室と
商品倉庫と事務所だけだから
若い女性はいないしね。
「まあ、私はともかくアイカワさんは若いですよ。」
ハーシェル管理室長が言った。
「まあな、シグルトがうるさくなければ、店舗の方にしたんだが。」
カイトの若旦那が菓子を食べながら言った。
「きれいどころにおばちゃんはきついんで遠慮します。」
私も菓子を食べながら言った。
ほろ苦さがあって上品な甘さで美味しい。
女性に受けそうだね♪
「アイカワさんの世界は通信機無いんでしょう?それなのにもう、つかいこなしてるなんてスゴいわね。」
ハーシェル管理室長も菓子を食べながら言った。
「そうだな、なんか向こうでもしてたか?」
カイトの若旦那が言った。
「別にしてませんよ、こう言う機械物いじるんがすきなんですよ、端末とにてて良かった。」
私は言った。
「端末?そういや、端末って前もいってたな、どんなんだ?」
カイトの若旦那が言った。
私は差し入れ小袋から端末を取り出した。
ピンクのバラの花型になってる。
花びらの一部が光ってるから
メールの着信があるらしい。
げ、レーギュウス...レイじゃん。
異世界でもメールつながるんだ...。
うっとうしい。
『千嘉、今日はサティア王国と外交、亜久里王女にあい、外交する。』
まったく、仕事内容おくるなんて
相変わらずだ。
『今日は一日、会議だった。』
だの送るんじゃねー。
メール代が無駄だ。
さすがに、最近のメールは違うな。
『千嘉若い男に襲われてないだろうな、心配だ。』
おい、心配するポイントがちがうんだよ。
普通元気かとか生活どうだとか...。
ああ、この残念皇帝、いい加減、議会のおす
嫁もらえよ。
そうすれば、すこしぐらい会えるのに...。
あ、会えなくても良いけどね。
シグさんはいい人だし。
まあ、おばちゃんだから、
いたわってくれてるだけで勘違い
は禁止だよ。
「なんかあったか?」
カイトの若旦那が言った。
「なんにもないです、端末はこうすると
仕事モードになります。」
私はキーボードつきバージョンの
大型通信機みたいな形にした。
「スゲーな、どうなってるんだ?」
カイトの若旦那は興味しんしんで
言った。
どうになってるか?
それは、流石に専門家じゃないから
知らないです。
「バラの形が可愛いよね。」
ハーシェルさんが言った。
「ええ、いろんな形あるんです。」
私は言った。
「通信機もこう言うデザインありだな♪トスモルに提案してみるか?」
カイトの若旦那が言った。
流石商売人だ、なんでも
商売につなげるんだね。
カイトの若旦那が一通り
端末をいじってから言った。
「菓子はどうだ?」
わすれてなかったんだね。
「女性受けしますよ。」
ハーシェルさんが言った。
「そうですね、高級感あるし、エーシア商会で扱うのにいいんじゃ無いですか?」
私は言った。
「そこまで、考えるんだな♪うん、シグルトに言ってもっとアルバイト時間増やしてもらおう。」
カイトの若旦那が言った。
おお、評価されたよ。
でも、多分シグさん
過保護だから無理だよね。
おばちゃんの体力を信用してもらいたいよ。
高齢者じゃないんだからさ。
食事介助までしたがるんだよね、最近。




