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吹雪の王子は解凍中1

ちかが側にいる。

それだけで幸せだ。

ずーと一緒にいたい。


「シグさん、いってきます。」

ちかが手を振った。


エーシア商会の前まできてしまったようだ。


ちかがエーシア商会にいく日はツラい。


カイト恨むぞ。

ずーと側に置いておきたいのに。


「ちか、無理しないでくださいね。」

私はちかを抱き締めた。


「相変わらず、あめーな。」

カイトが出てきたようだ。

「本当だ、カイトの若旦那の言う通りだ。」

見覚えある顔が言った。


ヘザエル・ワソラン?

「ワソラン、久しぶりだ。」

私は言った。


ヘザエル・ワソランは

エーシア商会のバイヤーで

いつも商品の買い付けに世界中を

飛び回っていてあまり会えない

歳上の友達だ。


「それより、どうしたんです?吹雪の王子殿下、そのアマアマぶりは。」

ワソランが言った。

「ゆきんこ王子と呼んでくれ。」

私は、ちかを離さず言った。

ちかはもがいてる。

なんて柔らかいんだ。


ちかがつけてくれたあだ名の方がいい。


「ゆきんこ王子?なんです、そのファンシーなあだ名は?」

ワソランが目を丸くした。


「シグさん、エーシア商会にまでその間違え広めないでください。」

ちかが抜け出ようとしながら言った。

「かわいいからいいんだ。」

私はちかを見つめながら言った。


「むしろ、駄々アマ王子の方があってるぜ。」

カイトが言った。

駄々アマ王子か?

ちかに関してはもっと甘くしたい。

「せめて、ハチミツ王子くらいにしてあげようよ、カイトの若旦那。」

ワソランが言った。

「ハチミツ王子、ちかが窒息しそうだぞ。」

カイトが言った。


「ちか?すまない!」

私は慌てて腕をといた。

私がダメージをあたえてどうする。

「おば、ちゃんは、弱いん、だから、ね。」

ちかが荒い息で言った。


ちかは全然おばちゃんじゃない。

穏やかなレディと王宮のものたちも

認識しだした。


マリオンはちかが働き者過ぎて

心配している。

若そうに見えて実は成人した

息子と娘をもつ母上だからなマリオンは。


みんな、ちかがルナと違う事に

気がついたようだ。


ルナはしつこく私につきまとい。

他のものたちもうるさくてしかたなかった。

と言っていた。


だから、ちかに偏見を持ってたようだ。

異世界人はうるさくて自信家だと。


まあ、ルナは今頃、マルティウス師匠の

愛をしっかりと認識しているだろう。


「シグさん、いってきます、いそがしければ、無理に迎えに来なくても良いですよ。」

ちかが言った。


クレシアの首都テルセーアは

案外、にぎやかでエーシア商会の

あるところもやや治安が不安だ。

まあ、倉庫はしっかり

フェデルーダ護衛国人の

警備員を雇ってるし。

グーレラーシャ傭兵国の傭兵ギルドにも

つてはあるらしいが。


「ちか、私が迎えに来るまで待っててくださいね。」

私は言った。


「今生の別れかよ。」

カイトが呟いているのを聞いたけど。

そのくらい寂しいんだ。


「シグさん、過保護過ぎですよ。」

ちかが言った。


過保護過ぎて何処がわるい。

自分の大事な至宝を

守らないなんてあり得ない。

ちか、覚悟しておいてくれ、

私はちかを必ず、落として見せる。

おばちゃんとか言って逃げないように。

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