表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/55

プロローグ 余生闇精霊は異世界についでに呼ばれる。

新連載です、よろしくお願いいたします。

ああ、ダメージだよ、頼むからなめないで欲しいよ。

こっちは諸事情により余生だっていうのに…。


「今日はあついね、美里さん。」

私はマッサージをしているお年寄りに言った。

「私の故郷はこんなに暑くないんだよ、歴史のあるお城があってね…。」

美里さんは調子が出てきたみたいだ。

「そうですか。」

私はうなずいた。


あー、私、特別養護老人ホーム幸福館コウフクカン

機能訓練師2級してます。

本業は看護師2級なんですけど…。

(機能訓練師は看護師もってないととれない資格なんです。)

機能訓練師はお年寄りの身体機能の低下、

主に筋力低下をゆるやかにする為の訓練をする職業なんです。

お年寄りの希望や満足感が本当の最終目的です。

まあ、本筋に関係ありませんが。


名前は相川アイカワ千嘉チカ

成熟度一応青年、女性、独身です。


「お先に失礼します~。」

介護師の松本さんが挨拶して通りすぎて行った。

夜勤明けらしいけど相変わらず美人だな。

ゆるりんカールなピンクの髪がふわふわしてるな。


「お疲れ様です。」

さて、次は誰と運動訓練しようかな?


「何処行くのー?」

ギンさんがソファーから立ち上がった。

さてと、ギンさんにしようかな?

そうじゃないとギンさん歩き回っちゃうし…。

転倒リスクあったよね。


「何処行こうか?」

私はギンさんの手を握った。

ギンさんも私の手をぎゅっと握った。

かわいいなぁ、もう。

私より経験が沢山あるお年寄りにたいして可愛いはないと思うけど。

可愛いもんは可愛いんです。(断言)


「キャッ、何よ!?」

なんか声がしたよ。

エレベータ陣の方だよね。

誰もいないな。

人手不足だよね…。

お年寄りだと困るから確認っと。


「助けて!」

松本さんが変な光りに包まれてるのが見えた。

「松本さんー。」

私はとっさに彼女の伸ばした手をつかんだ。


二人そろって変な光りに包まれて…。


あ?ギンさんは巻き込まれてないよね、

とっさに手を離したし…。

転んでたら事故報告書だよー。


気がついたら石の何か模様のついた床に転んでた。

私だけ…ね。

松本さん誰かに抱き止められたし。


「どういう事よ、マリク!」

松本さんが誰かに怒ってる。

背のそこそこ高い男性が松本さんの手をしっかり握ってるみたいだ。

「ルナ、なんてつれないんだ、僕は君の事をこんなに思ってるのに。」

男性は言った。

そのまま、松本さんを抱き寄せて…。


おお、松本さんにキスをしたよ。


「何すんのよ!」

松本さんは口をぬぐった。

すごいな…気が強いな、相変わらず…。


「…ルナ、ゆっくり話そうか?」

妖しい笑みを浮かべて男性は

松本さんの腕を持って連行して行った。


転がっている

私に目もくれず。

やっぱり無視かい?

状況説明してよ~。


「大丈夫ですか?」

さっきの男性と違う声がした。

後ろから腕がきて起き上がらせてくれようとしてる。

「起き上がれます。」

あー、可愛げないな。

まあ、それがおばちゃんのだめな所かな?

いいけどね。


何か所々痛いけど動けない程じゃない。

なんとか床に座って振り向くと綺麗な人と目合った。

銀の長い髪と水色の目が印象的な人だ…。

女性?男性?身長は高いしな。


「傷だらけですね。」

その人は言った。

低い美声が耳に届いた。

まあ、男性だったら高めな声かな?


石の床にうつぶせにたおれこんだしなぁ。

ああ、手のひらも…リフル(超初級の回復魔法)使えるかな?


私が血がにじんで痛みがある手を眺めていると。

その綺麗な人がそっと私の手をもった。


右手のひらの傷なめられた~。


「血は止まりました、そちらの手を。」

美人さんは言った。

ええ、いいです。

血止めしなくても。

私が出さないでいるとその人は強引に左手を持ってなめた。


「師匠が申し訳ない事をしました。」

その人は私の座る床に座って言った。

どっちかって言うとあなたに傷なめられた方がダメージです。


それにしても綺麗な人だなぁ…。

ああ、眼福、眼福…いいもの見たよ。


「あの~、ここどこですか?」

私は言った。

検討もつかないよ…。

すまん、キラキラさん教えておくれ。


今度は何?顔?いいよ、別に、

少しくらい擦り傷有って困る顔じゃないし。

なめないでーお願いー。

いやーん。


「ここは、カータシキ魔法塔国のマルティウス異世界人研究所です。」

美人さんが言った。

なんで頬とかなめるのさ。


異世界人研究所?何か不気味だけど?

なめられるほうがダメージだよ。


「ここの研究員かなんかですか?」

私は言った。

ここの研究員だったら研究されちゃうのかな?


「私は、ここの研究員ではありませんよ、師匠の犯罪行為を嫌々ながら止めにきただけです。」

美人さんが心外そうに言った。

すみませんね誤解して。

あー、松本さん誘拐ね。

犯罪だよね…。


「私は名前は相川千嘉です、千嘉の方が名前です。」

一応名乗っておこう。

魔法使いなこの綺麗な人に言っていいのかな?

まあ、失うものは何もないし…。

ああ、平和な余生を失ったか…。


「シグルト・クレシア…シグとでも呼んでください。」

美人さん…シグさんが言った。


あー、ごめん、何か体力限界…。

視界が暗くなってきた。

何か力使いすぎたときみたいだよ。


…ちか?ちか?…しっかりして…。


ごめんシグさん会ったばかりですまんが、

私、動けないよ。

あなたの良識に任せるよ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ