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記憶の旅路  作者: ゆんみん
第一章 〜出会い、そして旅立ち〜
6/6

少年と姉妹

投稿したものを読み返していたら、いろいろと名前がごっちゃになっていたことに気づきました。


申し訳ないです・・・


今後も間違いがあると思いますので、もし見つけた方がいらっしゃいましたら、是非コメントにて教えて頂けると嬉しいです。


さて。なかなか話が進みませんね・・・orz

「さて、この状況をいったいどうすればいいのだろうか・・・」



黒髪の少年は頭を掻きながらそう言った。

少年の3mほど前には、お姉ちゃんと呼ばれていた少女が、おそらく妹であろう少女の前に立ち少年を睨みつけていた。



「そんな警戒しなくても良いだろう?」



「それは無理な相談だな」



固い声色で少女は言った。

まぁそれはそうだろうな。と少年は思った。



「ヘルタイガーを一撃で倒すなんて・・・何者だ?」



そう、ヘルタイガーを魔法で一撃で倒すなんてありえないのである。

ヘルタイガーはその強靭な物理抵抗と魔法抵抗からB級モンスターと認定されている。







この世界には冒険者ギルドというものが存在している。

冒険者とは、世界中を旅して強力なモンスターを倒したり、古代遺跡の発掘や調査、秘宝探索などを行ったり、街に住みついて防衛にあたったりする人々の総称である。

冒険者ギルドとは、冒険者達に対して様々なクエストを提供し、その見返りとして報酬やサポートを冒険者たちに与えている。

そして冒険者ギルドは何百年という歴史を持ち、メルトリア大陸のいたるところに存在している。これは例え国同士が争っていても、魔獣という共通の敵に対しては何らかの対抗力があった方がいい、との各国のトップの考えによるものである。ただし、セリア森国、ラバル獣国にはとある理由で例外的に存在しない。



この冒険者ギルドによって定められている魔獣の強さを表すものが、F~S級の7級からなるモンスターランクである。

これはモンスターの強さを冒険者ギルド独自の調査によって定めたものであり、F級は駆け出しレベルでも余裕だが、A級にもなると手練れ冒険者、S級では達人レベルでないと相手にできないランクである。また、群れていた場合は一つ上のランクと見なされている。噂ではSS級なるものも存在するらしい・・・

そして冒険者ギルドはこれによってクエストのランクを決定するのである。





つまり、今回のヘルタイガーの群れはA級モンスターに匹敵するランクであり、それを一匹とはいえ一撃で倒した魔法は、少なくとも上位冒険者レベルが行使するものであったといえる。

そしてそれが自分と大して変わらない少年が使ったのだと知れば、少女が警戒心を抱くのも仕方がないといえるだろう。



「何者と言われてもな・・・お前達に対して危害を加えようという気はない、としか言いようがないな」



「貴様の名前は?なんでこの森にいるんだ!?目的はなんだ!?」



少女が捲し立てるように問い詰めると、少年は少し困った顔をした。



『名前は…流石に大丈夫だろう。ここにいるのは偶然なのだが…何で俺は「あの魔法」を使ったんだ…?』



「名前は・・・そうだな、ギルとでも呼んでくれ。ここには偶然辿り着いただけだ。目的は・・・すまん、記憶がないんだ」



「あからさまに偽名じゃないか!それにローヴァーの魔森は危険区域指定を受けている場所なんだぞ!そんな所に普通の子供が偶然で来れる訳が無い!記憶がないなど嘘つくな!」



少女は怒りながらそう叫んだ。



「本当なんだがなぁ・・・」



ギルと名乗った少年はさらに困った顔をしながらも、



『ここはローヴァーの魔森だったか。随分と南に来たもんだ』



と考えていた。

その時真剣に考えていた顔が困っているように見えたのか、



「お姉ちゃん!ギルさんが困ってるじゃない!」



そう言って後ろに立っていた少女が前に出てきた。



「はじめまして。さっきは助けてくれてありがとうございました。私はサリア・ランベルグって言います。サリアって呼んでください。あ、お姉ちゃんはアイリスフィール・ランベルグって言います♪」



「サリア!!」



サリアと名乗った少女はニッコリと笑いながらそう言った。



「そうか、よろしくな、サリア」



「はい、よろしくお願いします、ギルさん」



「おい!なんで二人ともそんなに普通にしているんだ!」



サリアとギルが挨拶をしていると、アイリが二人の間に割り込んできた。



「なんでと言われても別に俺はお前達に敵意は無いからな」



ギルは当たり前だろ、とでも言うかのように言った。



「名前を聞いたのにこっちが言わないなんて失礼じゃない?それにギルさんは私達を助けてくれたんだよ?助けてくれた人に大してお礼も言わないなんて、ランベルグ家の娘としてはどうなの?」



「ぐっ・・・」



妹にはっきりと言われたせいか幾分かアイリの敵意は和らいだ。



「まぁどうしてここにいるかは良いだろう。だがあの魔法はなんだ?ヘルタイガーを一撃で倒すなんて並みの魔法では不可能だ。君のような子供がどうしてあんな魔法を使えるんだ?貴様は一体何者だ?」



「アイリスフィールと言ったか。魔法に関しては修練したとしか、何者だと言われてもただの旅人だとしか言えないな。むしろお前達こそどうしてこの魔森にいるんだ?」



相変わらずギルに警戒心を向けていたアイリだが、ギルにそう聞かれた瞬間顔を真っ青にした。



「そうだ!街が襲撃を受けたんだ!早く助けを呼びに行かなければお父様が!」



「あっ!お姉ちゃん!」



そう言ってアイリは後ろを向きサリアの手を取り森を出ようとすると、



「まぁちょっとは落ち着け」



「なっ!?」

「えっ!?」



目の前にギルが立っていた。



「いつの間に・・・」



「お前達だけではまた魔獣に襲われてすぐに死んでしまうだろう。魔森を出るまでは俺がついて行ってやるよ。」



ギルは不敵な笑みを浮かべながらそう言った。



「貴様の助けなど「おねえちゃん!!」」



アイリが反抗しようとすると、それを遮るようにサリアが言った。



「ギルさんの言うとおり私達だけじゃ魔森を抜けるのは難しいよ」



「しかし・・・」



「ここでムキになって死んじゃったらお父様が逃がしてくれた意味がないよ・・・」



「・・・勝手についてこい」



「やれやれ・・・」



サリアに言われてやっと心が折れたようだ。不満顔をしながらも何も言わずに歩き始めた。

ギルはそんな二人を見て、どっちが姉かわからないな、と思いながら二人の後について行った。

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