男爵
最初は一気に書いちゃってます。
これから徐々に詳細設定を書こうと思いますが・・・
なかなか難しいです泣
友達とかと一緒に考えたりしてます笑
なんか良い人物名とか地名あったら教えてください(切実に)
時を数日遡る・・・
〜アイリ視点〜
ここはアルバスタイン公国という、大陸で最も南に位置する国である。
北にはヴァルトニア王国、東にはサルベニア諸国、西にはセリア森国がある。
ランベルグ領はアルバスタイン公国の南に位置しているので、まさに大陸の最南端と言える場所に存在した。
その南にはバゼム半島があるのみである。このバゼム半島にはローヴァーの魔森という強力な魔獣がゴロゴロといる恐ろしい森があった。
魔獣というのは本能的に人間に対して危害を加えるものをいう。また、作物を荒らしたりもするので食生活にも支障をきたす。
魔獣によって命を奪われるものは後を絶たない。
中には普通の獣が「魔素」を吸収しすぎてなったものもいる。
以上のように魔獣とは人間にとって天敵とも言える存在であり、そんな中でも強力なものが多く生息している魔森に隣接しているランベルグ領は、アルバスタイン公国にとって非常に重要な防壁となっているのである。
そんなランベルグ領を治めるのは我が父であるベルナンド・ランベルグである。
彼はもともとは平民であったが、さきのサルベニア諸国との戦いにおいて活躍したことを評されて男爵の地位を得た。
そして、その実力を見込まれてランベルグ領を治めることとなったのである。
そんなベルナンド・ランベルグ男爵の長女である私アイリスフィール・ランベルグはお父様と剣を交えていた。
「・・・ふっ!」
カキンッ!
「はっ!はぁっ!」
カンッ!カキンッ!
その剣を剣捌きは今年10歳を迎える少女が振るうには鋭すぎるものだった。
また、剣を振るうたびになびく金髪と鋭く見据えた碧眼、将来が楽しみであるほど整った顔は、飛び散る汗も相まって非常に美しいものであった。
しかし、
「振りが単調すぎる。そんなんではどこを狙っているか丸見えだぞ」
対するお父様は華麗に捌いているのであった。
「ほら、剣ばっかり見てると・・・っふ!」
「え!?きゃっ!」
隙をついて足を払われた私は、お尻を盛大に地面にぶつけるのであった。
「痛っ!ちょっとお父様!足を使うなんて騎士としてどうなんですか!?」
「アイリは敵にそんな事を言って通用すると思っているのかぃ?」
笑いながらお父様は言った。私はとても悔しかったが確かにそうだとも思い、次からは気を付けようと思った。
これだけでアイリは普通の子供とは違う、いわゆる天才ということがわかるだろう。
「お父様、今日もありがとうございました」
「うん、アイリもだんだん強くなってきたからね。俺も油断できないな」
そう笑いながら私の頭を優しく撫でてくれた。やっぱり尊敬している人に褒められるのは嬉しいのである。
「そういえば今日はサリアと出かける約束をしていると言っていたね?」
「はい!一緒に野イチゴを鳥に行く約束をしています!」
「そうか、楽しんでおいで。ただし、魔森には絶対に近づかないようにな」
優しい顔だったお父様は、最後の一言を言う時だけはとても真剣な表情だった。
「はい!わかっています」
「なら良し!サリアを頼んだよ」
そう言ってまた優しい笑顔を浮かべた。