父 バッカス・パンクヒルズ
>インタビューに御協力くださり、感謝します。このインタビューもご理解のあるパンクヒルズ家の皆様のおかげで、新たに今までインタビューを続けて参りましたご兄弟の父君、バッカス・パンクヒルズさまにお越しいただきました。前回からご兄弟で順に、ルードヴィヒさん、アイザックさん、カストルさん、テオドアさん、イオレインさんがお話くださいましたが、ご兄弟の父親という視点からどのような兄弟像が語られるのでしょうか。ご長男のルードヴィヒさんについて一言お願いします。
いやはや、こうしてまともに話すのは久しぶりになるね。イオンと違って勉強熱心なのはよいことだ。だが、いいのかね? 君ももうよい年齢だし、ご結婚を考える時期では? ああ、いや、すまない。イオンと一緒にいたことばかりが頭に残っているばかりか、イオンに構って他家のお嬢さんまで巻き込んでいやしないかと心配になってね。本当に幼い頃からイオンが迷惑をかけて申し訳ないよ。
さて、ルーのことだったね。あの子はパンクヒルズの長子たる象徴のような子供だ。次にこの家を継ぐのはルーに違いないだろう。あの子は武に生きる我が家にとって最高の子供だと思っておる。しっかりしているし、才能もある。今は軍に入っているが、そこでもっと鍛えてもらい、いずれこのパンクヒルズを大きくしていくだろう。
>では次男のアイザックさんについてお願いします。
ザックか。ザックもパンクヒルズの名に恥じぬすばらしい息子だ。ルーがちょっと名を上げた故にいい意味で刺激しあったのだろうと感じている。ルーと一緒に兄弟支えあってこれからパンクヒルズをもっと大きくしてくれればと考えている。そういう意味で今は他のところで鍛えてもらうのがいいのだろう。
>次に三男のカストルさんについてお願いします。
カストルはとんだはねっかえりだな。まったく幼い頃あんなに武の才能に恵まれていたというのに、その道をそれるとは予想しもしなかった。ただ、上の子らに武の道を説きすぎた所以の反抗なのだとしたら、と少しわが身を反省する部分もあったことは事実だ。今はそれなりに幸せにやっているようだから、パンクヒルズの名を汚さぬよう生きればよい。
>四男のテオドアさんについては如何ですか?
テッドはすこし真面目すぎるきらいがあるな。上がカストル、下がイオンだったがゆえにその真面目さが際立つ。もう少し羽目を外す日があっても構わないのだが。親としてはカストルとテッドを足して割ったくらいがちょうどいいと思っているのだが。カストルのこともあってテッドにはもっと自由でもいいとさえ最近は考えている。
>最後に五男のイオレインさんについてどうですか?
歳取ってから生まれたせいか、末っ子のせいか、一番かわいい子だ。イオンだけは武の道を歩まずともよいと考えていたのだが、血は争えぬな。結局あれも武の道に進んだ。親としてはいつの間に皇子と知り合ったものかと思うが、教えぬの一点張りではどうしようもない。いちばん危なっかしいと思っていたのも事実なのだが。まぁパンクヒルズの名を誇りにこれからも頑張ってもらいたい。
ああ、ちょうどいい。子供のことなら私より妻に聞いてくれ。私などほとんど戦場に出ていて子供の面倒など見ていないようなものだ。そう考えるとだめな父親であったのだろうな。力に慣れなくてすまないね。
>いえ、こちらこそご協力感謝いたします。というわけで次回は母君であらせられますレオーナ・パンクヒルズさんです。