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寒宵明けるころのこと。

内容の無いちょっとした短い話。

「楽に稼げたらいいのになぁ……」

 自堕落な呟きは白く昇る息とともに朝日に消えていく。

 まだ青白い斜陽が照らす公園は閑散としていて、冴え返る空気の中で動くものといえば早起きな鳩くらいのものだ。

「どこかに金でも落ちてないもんかね」

 どっこいせ、と冷え切ったベンチから腰を上げると、近くにいた呑気な鳩たちが驚いたように少し飛びのいた。それを横目に、伸びをしながら公園の隅を歩き始める。

 しんと静まり返る凛然とした朝の空気に、ジャリ、ジャリ、と砂を踏む音だけが響く。

 遠くの方でカラスが小さく鳴いた頃。公園の片隅にジッと佇む自販機の前で、キラリと輝く「落とし物」を拾った。ほんの少しだけ黄みがかった、少し大きいコイン。精巧に作られた凹凸が浮かび上がらせる、「500」の文字。

「お、ラッキー。今日はツイて——」

 ツイてるかもな。そう言いきる前に、黒い影がサッと鼻先をかすめる。あまりに突然すぎて反応することもできず、黒い影が通り過ぎていった手元を呆然と見つめれば、摘まんでいた五百円玉は夢幻のごとく消えてしまっていた。

 ふと、カラスが頭上でカァと鳴く。

 何気なく顔を上げれば、どこか揚々とこちらを見つめるカラスが一羽。よく見れば、その嘴には何やら煌めく「拾い物」を咥えているらしい。

「アイツか……」

 何となく事の次第を察し、小憎らしいドヤ顔を睨め付けながらため息を吐く。

 視線の先で、カラスがまた一つカァと鳴いた。


 赤みを増してきた斜陽が、寒宵の気をすっかり解きほぐす。底寒い冬の朝の、ちょっとした出来事。

タイトルだけは一生思いつかない。

なんとなく気が抜けるような、そんなような話を書けたのかなぁとかなんとか。

せっかく思いついたしあげてみたよ。

読んでくれてありがとう!

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