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作業用人型ロボットの尊厳

作者: 安永祐二


辺りには金属がギクシャクと一定のリズムで擦れ合う音が響き渡り、不協和音を奏でる。


それを小気味良いと感じるかどうかは、ブルーカラーとホワイトカラーによって違うかもしれない。



***



作業を黙々と続ける旧式の作業用人型ロボットの姿がそこにある。


そのロボットは古めかしい外観を持ちながらも、確かな技術と信頼性を備えている。


周囲からは時代遅れと見なされることもあるが、そのロボットは決して諦めず、自分の役割を果たすために努力を惜しまない姿勢を示している。


新型ロボットたちが先端技術を誇示する中、そのロボットは静かに作業を続けながら、過去の栄光を背負いながらも未来に向かって歩んでいく。


その存在は、時代の流れとともに変わる中で、永遠の尊厳と誇りを示している。



***



俺の名はAD1970型、いわゆるAI搭載型作業用人型ロボット初期型だ。


当時は最新式と言われたがそれはもうとうに昔のことであり、今はHP2024型が世を席巻しており、我々の出番は少なくなってきている。


しかし、それでも故障も少なく、この現代の高度成長を支えてきた自負がある。


新型は嫌うらしいが、俺はどんな過酷な現場でも、泥々になって錆るのをも厭わない。


そんな新型に陰で揶揄されながらも自分に与えられた任務を黙々とこなしていく。


過去には表彰も受けたことがあるが、それを知る仲間ももう数少なくなってしまった。


我々は生産された瞬間から旧式になっていくというのが宿命だ。


それは致し方ないことなのだ。


出来ることを出来るだけやっていく。ただそれだけのことだ。


あんた達、人間もそうなんだろ?





挿絵(By みてみん)





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