起きたら異世界?一体何がおこったの?
心地のいい風が私を眠りから覚ましてくれる。
起きてみるときれいな青空、視界一面に広がる緑、そして空を飛ぶ大きなドラゴン。
「・・・・ドラゴン!?」
私、酒咲かざりただいま絶賛混乱中。
「何ここ知らない場所なんだけど、電車は?ビル街は?会社は?」
確か、寝る前は会社の飲み会でたくさんお酒を飲んで酔っ払ってからの記憶がない。しかし、こんな何もない自然にたどり着くはずがないのである。
「まずいろんなとこに連絡しないと。ってかばんも携帯もないしほんとに何が起きているの?」
ただただこの不思議な現象に驚愕しているだけだったが私の手元に一枚の手紙らしきものがあるのに気づいた。
「酒咲かざり様へ 突然のことですがあなたは元の世界で死亡しました。死因は泥酔したのち駅のホームに転落しそのまま電車にひかれた事故死です。本来死後、魂は天界へ行き審判を経て天国もしくは地獄へと行くのですが時々選別された魂を異世界に送り転生させることがありまして、あなたはその選別に選ばれました。特に世界を救うなどの使命はなく自由に過ごしてもらうとともにいくつかのスキルを与えた状態で転生させました。それでは説明はこれにて終了ですのでお元気で。転生担当天使 イキカエルより。」
手紙を読んでわかったことは私は電車にひかれて死んだこと、選別とやらに選ばれて異世界に飛ばされたこといくつかのスキルがあること。
「これじゃ元の世界で流行っていたネット小説の物語じゃん。まぁ世界を救ったりするとかの使命がないだけましか」
しかしこれからどうしたものか、スキルの詳細も教えられていないし異世界となると危険がいっぱいである。
「とりあえず歩くか」
そうぼやいた後、ひたすら当てもなく歩いた。