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第8話 冒険者

「あなた達は誰ですか?」


突然話しかけてきた3人組に恐る恐る尋ねるルイシャ。

そしてシャロ達は武器に手をかけ警戒をする。目の前の3人組は見るからにおろおろしており戦う気はないように見える。

しかし警戒するに越したことはないだろう。ここは守られた学園内では無いのだから。


「お、驚かせてすまない! 俺は冒険者の『マクス』ってんだ! 君達に危害を加えるつもりはないから安心してくれ!」


3人組はそれぞれ自己紹介を始める。

腰に剣をさしたリーダーの男性『マクス』。

短剣を体のあちこちに装備した盗賊風の男性『ジーム』

そして身の丈ほどの大きな杖を持ち、黒いローブに身を包んだ女性『マール』。


彼らはルイシャ達の想像通り冒険者らしい。

ランクは全員銅等級。まだまだ一人前には程遠い駆け出し冒険者だ。


「それでその冒険者さん達がなんの用ですか?」


「まあそう警戒しないでくれよ。俺たちは君達と協力しようと思って声をかけたんだ」


「協力?」


「ああ、さっきの戦い、実は俺たちはこっそり見てたんだ。助けに入らなかったのは申し訳ないけどな。悲しいことに俺たちは腕っ節が強くないから助けたくても助けられなかったんだ」


そう言って3人組のリーダーのマクスは申し訳なさそうに頭を下げる。

確かにルイシャの目から見ても彼らはお世辞にも強そうには見えなかった。

おそらく助けに入りたくても入れなかったのは本当のことなのだろう。


「ちょっと待ちなさいよ。別にあんた達が私たちを助けなかったことはどうでもいいわ。でもあんな奴らにも勝てないあんた達を連れて行くメリットはあるの?」


シャロがそう言うと、待ってましたとばかりにマクスは笑みを見せる。


「もちろん。俺たちはこう見えてダンジョン経験は豊富なんだ。罠の見つけ方、隠し通路の場所、お宝の探し方と開け方なんかは君達はわからないだろう?」


それを聞いたルイシャ達は「確かに……」と納得する。


しかしそう簡単に決めるわけにはいかない。

ルイシャ達は身を寄せ合い冒険者達に聞こえないようヒソヒソ相談する。


(どうすんのルイ? こんな訳も分からない奴ら連れてくの?)

(うーん、でも確かに僕たちはダンジョンの勝手が分からないしいてくれた方が助かるとは思うけど……)

(ウチはお宝の分け前が減るのは嫌やわぁ)

(僕は楽しければなんでもいいよ♪)

(私はルイシャ様の決定に従います)


そんな感じでしばらく相談し……ようやく結論が出る。


「……分かりました。ここはあなた達の手を借りることにします」


「ほ、本当ですか!? やったあ!!」


3人組は喜んで手を叩き合う。


「それではダンジョンの仕掛けは私たちがなんとかしますので、戦闘はよろしくお願いいたします!」


そう言って3人組は意気揚々とルイシャ達の後ろについてくる。

「よっしゃ、これでこのダンジョンはクリアしたも同然だ!」と能天気な感じでついてくる3人を見たシャロは「はあ、本当に大丈夫かしら……」と頭を抱えるのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 「……分かりました。確かにここはあなた達の手を借りることにします」 ここは「確かに」を省略するか、「手を借りた方が良さそうです」に変えた方が良いのではないでしょうか?
[良い点] 最新話まで読み終わりました。 ダンジョンに怪しい3人組、この後の展開が楽しみですね! コジロウさんの今後にも楽しみです、もう1度敵対するならもう1度倒せばいいし味方として再登場するならそ…
[一言] どうせ誰かを連れていくのであれば子供達が大人に襲われているところを見捨てる人間よりも正式に依頼を出すことが頭にチラつくと思いますが、子供ながらの甘さというか思慮の浅さを描写したい一幕だったの…
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