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第11話 授業

 とある日の魔法学園。

 いつもどおりルイシャは授業を受けていた。


 担任であるレーガスは優秀な教師であり、話してる最中に質問しても嫌な顔ひとつせず答えてくれた。


 若くガッツがあり、生徒に親身になれる。曲者ぞろいのZクラスでも生徒に支持されるのはそんな彼の実直な性格によるところが大きいだろう。


「えー、みんなも知ってると思うが人、魔族、亜人、そして他の種族も例外なくいわゆる『強さの壁』を超えたものには特殊な紋様が出来る」


 そういってレーガスは黒板に紋様を書く。


「その中でも銀色に輝く物を『将紋』と呼んで、その上位に当たるのが金色に光る『王紋』と呼ぶ。さて、その王紋の中でも更に特別なものが存在する。誰か分かるか?」


 レーガスが生徒にそう問いかけると二人の生徒が勢いよく手を挙げる。

 一人は秀才王子ユーリ。

 そしてもう一人は勉強が三度の飯より好きな変わり者『ベン・ガリダリル(愛称はガリベン)』だった。


「えー、じゃあベンにしようかな」


「ふふ、ありがたき幸せ」


 自分が指されたことがよほど嬉しいのか、ベンはレーガスに優雅に一礼してから答え始める。


「特別な王紋、と言われ一番に挙げられるのはやはり『魔王』と『竜王』でしょうね。この2つの称号は普通の王紋とはあまりにも違いすぎます。一説には『鬼王』と『妖精王』も特別な王だと言われてますがそちらは本当にいるのかも分からないのでのぞいていいでしょう」


「うむ。じゃあ魔王と竜王が他の王と何が違うかわかるか?」


「はい。一般的に王紋を得るには『圧倒的な戦闘力』と『大勢の人から信仰されるカリスマ』が必要ですが、魔王と竜王は違います」


 ガリベンは続けて魔王と竜王のことについて説明する。


『魔王』は、先代魔王が王の座を降りた際に開催される『大魔道武闘大会』という大会に優勝しないとなれないらしい。

 その大会には全世界から腕利きの魔族が集まり殺しあう魔族の一大イベントらしい。

 そこで優勝した者は先代魔王から魔王の紋章を直々に伝承される。


 そして『竜王』。

 こっちは王族しか継承することが出来ない。

 歴代竜王は一人だけ子供を作り、その子に竜王の紋章を託す。

 一見するとまだ幼い子供にそんなことをするのは残酷に見えるが、それほどまでに王族の持つ才能は凄まじく他の竜族を遥かに凌ぐ戦闘力を持っているらしい。


 ガリベンの説明を聞いたレーガスは「うん、よく勉強できてるな」と満足げにうなずくと授業に戻る。


 そしてその説明を聞いていたルイシャは改めて二人の師匠の凄さを噛み締めていた。

 歴史の教科書には魔王と竜王はかなりのページを割かれて紹介されている。

 二人とも民からの信頼の厚い良い王だったとどの教科書にも書かれている。


 そして勇者オーガも高潔な心の持ち主だったと言われている。

 なのになぜオーガは人と敵対してなかった魔王と竜王を襲ったのだろうか?

 その謎は現在でも歴史学者の間ではよく議論になるらしいのだが未だ結論は出ていない。


 その理由を探すことが無限牢獄の封印を解く鍵になるかもしれないな……

 とルイシャが考えていた所で授業終了のチャイムが鳴る。


 次の授業は屋外で魔法の実習だ。

 その準備をしようとすると、突然担任のレーガスが大きな声を発する。


「えー今日の実習だがなんと特別講師を呼んでいる!」


 それを聞いた生徒たちはザワつく。なにせ今までそんなことは一回もなかったからだ。

 その反応を見てレーガスは嬉しそうに笑う。実は前々からこのことを計画していたのだ。


「なんと今回呼んだのは授業でも触れた『王紋』の持ち主だ。みんな色々聞くんだぞ!」


 こうしてZクラスにとって忘れえぬ授業は始まったのだった。

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