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第13話 腕輪

「ありがとうユーリ。あいつらはコレをどこで手に入れたの?」


「どうやらこれは国外の遺跡でたまたま見つけたらしい。つまり盗品じゃないわけだ」


「そうなんだ……」


 ルイシャはこの腕輪を一目見たときからずっと気になっていた。何か不思議な力があるように感じたのだ。

 だからユーリにこの腕輪のことを調べてもらっていたのだ。


「残念ながらこの腕輪がいつの時代のもので誰に作られたかはわからなかった。でもかなりの価値があるものだと鑑定士が言っていたぞ」


「そっか、分からなかったんだ」


 ルイシャが残念そうにすると、シャロが「どうしたの?」と話に入ってくる。

 そして机の上にある腕輪を見ると「ん? え!?」と驚き首を傾げる。


「どうしたのシャロ?」


「へ? どうしたもこうしたもないわよ。なんでこんな物がここにあるのよ!」


「こんな物?」


「ええ、だってこれって勇者オーガの腕輪でしょ!? なんでそんな国宝級の宝物がここにあるの!?」


 それを聞いてルイシャとユーリは固まる。まさかそんな伝説級の物だったとは。


「シャルロッテ、ちなみになんでそれが勇者オーガのものだって分かったんだ?」


「簡単よユーリ、勇者オーガは自分の持ち物にマークを入れていたのよ。あ、これ家族以外には言っちゃダメだから他の人には言わないでね」


 簡単に一族の秘密を漏らしたシャロは自分の腰から剣を引き抜き、柄に彫られたマークを見せる。

 そのマークは勇者オーガの被っていたと言われる漆黒の兜の形をしたマークだった。


「これが勇者オーガのマーク……! 確かに腕輪の内側にも同じ物が彫られている!」


 勇者オーガの腕輪。

 ルイシャは自分の勘が当たったことを心の中で喜ぶ。

 これは鍵だ。勇者の封印を解く『鍵』に違いない。


「二人とも、申し訳ないんだけどこの腕輪ちょっとだけ預かってもいいかな?」


「え? 私はルイなら別に構わないけど」


「この腕輪が勇者オーガの物なら所有権はその子孫であるシャルロッテにある。彼女がいいなら僕も構わないよ」


 二人の許可を得たルイシャはその腕輪を大切に預かる。


「ところでその腕輪になんの用があるの?」


「え、ええとちょっと調べたいことがあるんだ」


「ふぅん……まあいいわ。話せる時が来たら教えなさいよ」


 シャロはルイシャが何かを隠しているのを理解しながらも聞かないでいてくれた。

 それがルイシャはとても嬉しかった。だってそれは本当にその人を信用してなきゃ出来ないことだから。


「うん。いつか絶対に話すよ」


「ふふ、その時は僕も仲間に入れてもらいたいものだね」


「もちろん。ユーリのことも頼りにしてるよ」


 ルイシャは最高の友達二人に感謝しながらその腕輪を家まで持ち帰った。

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