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第2話 Z

 魔法学園正門前。

 そこには大量の受験生が集まっていた。


 今年の受験者数は1200人と前年の1.2倍もの受験生が集まっていた。

 その中で合格できるものは300人。実に狭き門と言えるだろう。


 そして無事合格できたとしてもその中で更にAクラスからEクラスまでの5つのクラスに成績順で割り振られてしまう。

 上のクラスの生徒ほどより良い環境で勉学に励むことができ、一番上のAクラスは学費無料な上に施設内の設備を使いたい放題とあらゆる面で優遇されている。


 もちろん貴族は子供を上のランクにしたいので金の力でなんとかしようとしたのだが、この学園を創立したフロイ王がそれを厳しく禁じたため現在はそれを行おうとする者は滅多に現れない。

 更に年に二度ある試験の結果によっては容赦無く下のクラスに落とされてしまうため、この学園において不正はほとんどありえないのだ。


「うわぁ、すごい人だね。これが全員受験生なんだ」


 学園前に着いたルイシャが驚きの声を上げる。

 するとそんな気の緩んだルイシャをシャロが窘める。


「あんまりポケッとしてんじゃないわよ。ここにいる連中はみんな敵だと思ってないと足を掬われるわよ」


「あ! シャロ! あそこに結果が貼ってあるみたいだよ!」


「ちょ! 人の話を聞きなさいよっ!」


 人の話を聞かずに走り出すルイシャをシャロは追いかける。

 そしてルイシャが立ち止まったところに巨大な張り紙が現れる。その張り紙にはどのクラスに誰が合格したかが書かれていた。

 それを見たある生徒は膝から崩れ落ち、またある者は泣いて喜んでいた。それほどまでにこの学園に入るということ、そしていいクラスに入ることは今後の人生を左右することなのだ。


 事実、卒業時に上のクラスであった者は王国の重要な仕事に就ける者が多い。

 今まではそう言った職には貴族のコネがなければ就けなかったのでこの学園の設立は王国にとってかなり革新的なものだったのだ。


「えーと……僕の名前は……」


 ルイシャは張り紙の中に自分の名前を探す。

 ……しかしAクラスの中にルイシャの名前はなかった。


「あれ?」


 その後もBクラス、Cクラスとランクを落として名前を探していくが一向にルイシャの名前は書いていなかった。

 しかもそれだけでなくシャルロッテの名前も同様に書かれていなかったのだ。


 これはおかしい。自分の名前だけならまだしもシャロの名前も書いてないなんて……。


 ルイシャはそう思いながら一番下のクラス、Eクラスの最後まで目を通す。

 しかし……それでもルイシャとシャロの名前は書かれていなかった。


 いったいどういう事なのだろうとシャロに聞こうとした瞬間、彼女はEクラスの更に左隣を指差して喋り出す。


「な、なにあれ……」


 シャロの指差す先、そこにはなんと『Zクラス』と書かれていた。

 そしてその謎のクラスにはなんとルイシャとシャロ、二人の名前が書いてあったのだ。


「Zクラス……? これってなんなの?」


 そこに書いてあったのは六番目の謎のクラスだった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 2章5話で、在学する生徒も数千人、と言ってるのに、一学年300人て少なくない?
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