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第4話 図書館

 王立エクサドル図書館。

 王国の中でも最も大きくて最高の蔵書量を誇るその図書館は一年を通してすべての国民に開放されている。

 子供用の絵本から魔法に関する専門的な本まで幅広く取り揃えられており、そのレパートリーは多岐にわたっている。

 なので他国の学者もわざわざここを訪れるために王国に来ることもあるという。


 現在ルイシャはその図書館でたくさんの本を集め机に積み上げ読んでいた。

 そこに書かれたタイトルは「種族の歴史」や「妖精の伝承」や「獣人の歴史とその変遷」といったものだった。

 もちろんこれらはダンジョンで知ったものを詳しく調べるためのものだ。

 ダンジョンで聞いた「蛇王」「妖精王」「三界王」といった言葉はどれもルイシャはよく知らないものだった。唯一「妖精王」だけは聞いたことがあるが御伽噺の中の話なのでなんの手掛かりにもならない。

 先生であるレーガスや獣人であるヴォルフに聞くという選択肢もあったのだが……もしかしすると自分のいざこざに巻き込んでしまうことを考えるとそれは出来なかった。


 なのでルイシャは休日を利用して一人で図書館に来ていたのだが、なかなか成果は上がらなかった。


「うーん中々見つからないなあ」


 それらしい本を片っ端から読んではいるのだがルイシャが知っている以上の情報は見つからなかった。

 博識なテスタロッサなら知ってるかもしれないが、テスタロッサとリオがいる空間には自由に行くことはできない。桜華のいる空間には週に一回のペースで行けるのだが二人のいる空間には一度行けたっきりだった。


「はあ、どうしよっかなー」


 積み上がる本を見て途方に暮れるルイシャ。この調子では全てに目を通してしまう前に日が暮れてしまいそうだ。

 これは何冊かかりてかないとダメかなーと思ってると不意にルイシャは声をかけられる。


「ん? ルイシャじゃないか、珍しいな」


「あ、ホントだ〜。こんにちはぁ」


 話しかけてきたのはクラスメイトの二人、黒縁眼鏡の堅物委員長ベンとほんわか回復魔術師ローナだった。


「へ? どうしたの二人して、珍しいじゃん」


 ルイシャは二人に接点があるとは知らなかった。

 学校でもあまり話してるイメージはないし意外だ。


「えへへ〜次のテスト不安だなあって話したらベンくんが勉強を見てくれるって言ってくれたんだ」


「が、学友として当然の行為だ!」


 ベンは顔を真っ赤にしてそう言う。

 ルイシャは「へえ〜」とニヤニヤしながら二人を見る。あまり色恋に興味が無いと思っていた友達の意外な一面が見れて嬉しかった。

 ベンはルイシャのニヤニヤを無視して続ける。


「しかしまさかこんなところでクラスメイトに会うとは……変な噂が立たれてもローナさんに迷惑がかかるから言いふらすなよ」


「え〜!? 私と来たのがそんなに嫌なの? ぐすん」


「ち、違うんだローナさん! 僕はそんなつもりじゃ!」


 ぐずるローナを必死に宥めるベン。

 それを見たルイシャは意外とお似合いな二人なのかもしれないなあと思った。


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[一言] 末永く爆発してくだs(ry
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