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第12話 転移

 アイリスとカザハ達が巨大ゴーレムと対峙しているその時、ルイシャとシャロはさっきまでいた部屋とは全く別の場所に転移させられていた。


 突然身を包んだ光がなくなったことで視界を取り戻した二人は辺りを見渡して状況の確認をする。


「ううん……ここは?」


 チカチカする目をこすりながら目を開くルイシャ。

 そこはさっきまでの古びた感じの石材で作られた通路とは違い、つい最近作られたかのように綺麗な石材で作られた空間だった。

 規則正しく綺麗な石畳が並べられており、どこか神聖な雰囲気すら感じられる。


「ここはどこなんだろう……それにみんなは?」


 ルイシャの疑問に唯一一緒に転移されたシャロが答える。


「どうやら私とルイだけがここに転移させされたみたいね。なんでかは知らないけど」


「そっか……みんな無事だといいけど」


「それよりも自分の心配をした方がいいわよ。あそこよりもここの方が危険な可能性は十分高いわ」


 そう言って警戒した様子で辺りを見渡すシャロ。

 ルイシャはそんなシャロの左手を急にガシッ! と右手で握りしめる。


「大丈夫。シャロは僕が守るから」


 そう言って優しい笑みを向ける。

 突然の行動に乙女心を袈裟斬りにされたシャロは顔を真っ赤にして「ふ、ふんっ! 自分の身は自分で守れるわ! まあルイがどうしてもって言うなら守らせてあげてもいいけどっ!」とまくしたてるように言う。


 ルイシャはもうその態度が照れ隠しだと分かるようになっていたので、嫌がる素振りをみせるシャロの手を強く握って一緒に先に続く道を歩いていった。



 そしてしばらく進んでいった二人の目の前に小さな建築物が現れる。

 そしてその建物の前には黒いローブを来た人物が一人立っていた。


「「……!!」」


 言葉に出すことなく剣を抜き臨戦態勢に入る二人。

 このダンジョンはルイシャ達が入るまで封印されていた。なので自分たちより先に進める人間がいるはず無いのだ。

 ダンジョンが生み出すことの出来るのは魔物だけで人間や亜人は生まれることはないのだから。


 恐る恐る近づいたルイシャは自分の剣の攻撃範囲にその人物が入ったことを確認して止まると、その人物に話しかける。


「あなたは、誰ですか?」


 話しかけられた黒いローブの人物はフードを目深に被りながら返事をする。

 部屋は暗いためその顔は見えない。


「……お待ちしておりました、勇者の意思を継ぎし方々。私はあなた方を歓迎いたします」


 しゃがれた声でそう言ったローブの人物は深々と頭を下げる。

 突然のことに戸惑いを隠せない二人。この人物は一体何者なのだろうか、勇者の意思とはなんなのだろうか。


 しかし二人が質問するよりも前にローブの人物は「ついて来なされ」とだけ言って建物の中に入っていってしまう。


「……どうする?」


「どうするもこうするもついていくしかないでしょうね」


 二人は意を決してローブの人物についていくのだった。


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― 新着の感想 ―
[一言] 双方とも大変そう
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