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安藤士郎の場合 34
だが、次の瞬間だった。
「…!?うわあああっ!」
ムクムクっ!と再び乳房が盛り上がり、ほぼ全身が一度に性転換&女装してしまう。勿論、さっきまでと同じフェイリス女学院の制服だ。
「見られてます!」
同時に駆けだす乙女二人。斎賀は急に立ち上がったのでスカートの裾を踏んでしまい、前方につんのめる。
「きゃあっ!」
「大丈夫か!?」
手を差し伸べる橋場。着替え直した格好になったのかさっきまでホコリまみれだったスカートが綺麗になっている。
ぐいっと手を引っ張り上げる。
「きゃっ!」
バランスを崩して正面からぶつかってしまった。
お互いの乳房がブラウスと、そしてブラジャーごしにむぎゅりと押し付け合った。
ブラウス表面がこすれ合うしゅるりという音と、そしてブラジャー表面の刺繍の硬さによるゴリッという感触がブラウス越しにする。
「…ぁ…」
急なことに耳まで赤くなる斎賀。可愛い。
「こっちよ!」
必死になると口調も影響を受けるらしい。
白魚の様な手で白魚の様な手を取って引いて走る乙女。
(続く)