表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/106

安藤士郎の場合 31


第十七節


「こっち!こっちです橋場さん!」

 長いスカートをはためかせてバタバタと走る乙女たち二人

 息が切れる

「とにかく位置を変えないと!」

 また別の障害物の後ろに隠れる乙女たち。

「どうやら…余り運動したことが無い…箱入り娘に…されたみたいですね」

 息が上がっている斎賀…だった美少女。

「しょーもないことを言うな!」

 楚々とした令嬢然とした外見に全く似合わない悪態をつく橋場…だった美少女。どうやら精神はまだ少年性が健在であるようだ。

 二階からカンカンという音がする。

 相手も移動しているらしい。

「どうすんだ!どうすんだよ!」

「分かりません!でも多分相手が視界に捉えてる時間、触ってるのと同じだと思うので見つめられ続けない様に動き回らないと!」

「何であいつはこれだけ絶対的優位にあるのにあんな距離から狙うばっかりなんだ?」

 必死に考えている斎賀。

「近距離戦が得意じゃない…?」

「ちらっと見えたが、そんな風には見えなかったぞ」

「何か理由があるはずです。今のわたくしたちには分からない理由が…っ!?」

 はっとして両手で口を抑える“淑女的”リアクションをしてしまう斎賀。

「斎賀?」

「そんな…わたくし…仕草や…言葉遣いまで…女に…!?お逃げになって!」

 また駆けだす大きなリボンの斎賀。走り方も肘まで胴体にひっつけて両手をその先で左右に振る「女走り」である。

「ど、どうしたんだよ!」

「二階から見つめられていましたの!視線を切らないと!」



(続く)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ