安藤士郎の場合 05
突如ちらちらとスリップがあたる脚が涼しくなった。
「きゃああああああ~っ!」
ぶわりとめくられたスカートが舞い上がる。
「やっぱりこれだよなあ」
安藤が同時に“お嬢さま”を乱暴に抱きしめた。
「いやっ!」
綺麗に整っていた制服を乱しながら強引に抱きしめ、あちこちを引っ張ったりしながら唇を奪う安藤。
「…っ!!?!」
何をされたのかもロクに分からないままか弱い乙女となり、逞しい男に抱きしめられることになった金髪マッチョ。
しゅるしゅると上質な素材のブラウスが衣擦れの音をさせ、乱れてほどけたリボンタイが地面に落下した。
悩ましい表情で身をよじり、必死の抵抗をするが、この変身は彼から格闘技のスキルと同時に筋力と体力も奪っていた。
要するに、男に力で抵抗することが出来なくなっていたのだ。
「…ぁ……」
全身をまさぐる手が背中からお尻に回り、後頭部を鷲掴みにされる。
抵抗する力が抜けた。
乙女は頬を上気させつつ、くったりと安藤のたくましい胸板にしなだれかかった。
スカートの中のつるつるに乾燥していた両脚が汗ばみ、シルクのスリップが軽く張り付き始めている。
「や、やっちまえ!」
周囲で見ていた手下どもは、何が何だか分からなかったが、とにかく今回のターゲットであった安藤に向かって襲い掛かってきた。
「ちっ!」
今まで抱きしめていた女を乱暴に振りほどく安藤。
「きゃっ!」
突如支えるものが無くなった乙女が地面に倒れた。
(続く)