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安藤士郎の場合 02


「そんな趣味は無いが」

「寝言は寝て言えや!」

「仕方ない。じゃあタイマンで勝てば軍門に下ってもらえるってことでいいかな?」

 失笑する金髪マッチョ。

「その前に生きて帰れる心配しろや」

 周囲からは鉄パイプやチェーンをいじる音がし始めていた。

「実力行使ってわけね。最後に一つだけリクエストだ」

「あんだゴルァ!?」

「これから行われるリンチとは別にあんたとはタイマンがしたい。実力を発揮するチャンスだぞ?」

「テメエ…分かってるよな」

「おう。ここいらをシメてるあんたはボクサーとしてバリバリやってて将来は世界チャンピオンと言われてた。傷害事件起こしてそれもパーだが。もう道場には通ってないけど子供の頃には空手と柔道もかじってる。でもってそれを独自にミックスした路上のケンカじゃ負けたことが無いストリート・チャンピオンだ」

「そこまで分かってるんなら死んでも構わねえってことだな?」

「まさか。ケンカだよケンカ。殺し合いじゃない。スポーツのよりプリミティブな形ってだけさ」

 安藤はまったく口調を乱さずに言った。

「ふん…ケンカ自慢で俺に挑んできた奴ぁ少なくねえが、お前みたいなハンパ野郎は初めてだぜ」

「口上長えな?チャンピオンってのは中学の弁論大会でか?」

 挑発的な口調になる安藤。

「うるせえ!」

 フットワークを始め、オーソドックススタイルに構える金髪マッチョ。

「いいだろう。冥途の土産にせめて試合の形で叩きのめしてやらあ」

「成立だ」

 同時に金髪マッチョが怒鳴った。

「いいかお前ら!」

 空気が震える様な迫力である。

「試合の途中で手を出すんじゃねえぞ!まずはタイマンだ!」



(続く)


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