小柴弘樹の場合 18
「とはいえ犯人でも無きゃ気にする必要はない」
そこにはパイロットに先導されて歩く三人組の高校生の男子たちが映っていた。
「こいつらは?」
「話の流れに上手く乗らなかったんで説明してなかったが、同じような疑惑の掛かってる子たちだ」
「こいつらも?」
「見事に集合してる。この時の興奮が分かるか?」
「…」
「この後、この合計四人は工事中エリアに入っていくので映像はここで途切れる」
「何だよ!」
「まあ、あわてるな。ちなみにこの事件に俺らのお仲間が巻き込まれてるのは知ってるか?」
「お仲間?」
「ああ。パトロールと称して出掛けて行った刑事が未帰還だ。警察は身内のことだけに血眼になって探してるが見つかってない」
「デカの行方不明者ねえ…珍しいが全くのゼロって訳でもねえだろ」
「次の映像だ!」
カラカラとカートを押して出て来る三人のCA。実に凛々しく美しい。
カラーになり、かつてより映像の解像度も上がっている監視カメラからでも分かる。
「これが何だ?」
「この先のエリアは入口は実質ここだけだ」
「…だから?」
「あの三人が、CAにされて出てきたと考えるのが一番辻褄が合う」
「…俺はどう答えたらいいんだ?」
「好きなようにどうぞ。突飛だと言ったろ?」
「で?その後は。このCAたちは正気を失ってるのかよ」
「この日彼女たちの目撃証言が取れた。空港職員だがね」
「ふん」
「明らかに同じ制服を着ているが見覚えの無いCA三人を追い掛けたと」
「…」
「この三人が突如出現した存在であるならば「同僚」が知らないのも無理はない」
「だからその後どうなったんだって?」
「このままフレームアウトする」
「その後は?」
「監視カメラでは分からない」
(続く)