小柴弘樹の場合 07
「まともなストーカーに会ったことは無いんだが?」
「単なるストーカー女が男を自称したりするかな?それもこの女が出現した正にその日に行方不明になった男性の」
「…何だと?」
「まあ、こいつが札付きのワルでね。特に幼女相手への猥褻、強姦事件の常習犯だった。そしてこの学校の教師をしていた」
「そんなのが中学校で教えてたのか?警察は何をしてる」
「自虐ギャグにしちゃ笑えんな。お馴染み教育委員会の横やりで事件そのものが表面化しなかった」
「馬鹿な!俺が知ってたら臭いメシを食わせながらそいつのケツにぶち込まれる様にしてやる!」
「そうだろうな。普通はここまでの犯罪をもみ消せるもんじゃない。…地方議員がからんでた」
「けっ!またあいつらか。痴呆老人の方がマシだぜ」
「痴呆老人に失礼だよ。それに地方議員が全員悪人な訳が無い。中には真面目な人間もいるだろ」
「会ったことはねーがよ」
「この会話はオフレコだな…ともかく、見た目は芸能人もハダシで逃げ出すイケメンだ」
「死んだ方がいいな」
「同感だが、聞き込み調査の結果を総合すると、この日の放課後から行方不明。そして翌日から謎の女の嫌がらせがスタートしてる」
「またセーラー服か?」
「物証は出てないから断言は出来ん。ただ、行方不明男性のアパートには破られた女子高生の制服があったらしい」
「…ロリコンじゃないのか?」
「女子高生連れ込んだと思ってるな?流石はデカだ。ちなみにサイズは謎のストーカー女と一致する。つまり」
「…そのロリコン野郎は、ある瞬間に制服姿の女子高生になったってのか?」
「まあ…そういうことだ」
「馬鹿な!何だよそれは!」
「だから仮説だって」
「大体セーラー服はどうなったんだよセーラー服は!さっきお前現場に必ずセーラー服があったとか言ってるじゃねえか!」
(続く)