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小林みのりの場合 17


第十七節


「ってな訳で予想通りになったね」

「ホントにね」

 地元新聞の三面記事のスクラップを見ながら言う群尾と瑛子。

「次にやる時は完全に人格もいじるわ」

「その方がよさそうだね」

「にしてもこんなに目立っちゃって大丈夫なの?」

「何が」

「いや、…地域を巻き込む大事件じゃん。あたしってそれほど目撃者出したつもりもないけど容疑者かなって」

「ま、無いね」

「自信満々じゃん」

「地域警察って連携しないもん。広域で情報集めて分析なんてする訳も無い。ここだけ切り取っちゃうとかなり大変な事件に見えるかもしれないけど、頭のおかしい人なんて警察は見慣れてるよ」

「でもまあ、せいぜい慎重にやるわ」

「慎重に…相手を性転換させるってこと?」

「うん。それ自体には全く罪の意識無いから。この間も痴漢常習者の男を変えたったから」

「痴漢男を女子高生にしたの?」

「したよ」

「その後は?」

「満員電車に放置して帰った」

「大胆…」

「許せんかったから」

「…一応聞くけど、人違いってことは無いよね?」

「それはない!絶対に。嫌だったけど何度も触られてるの確かめてからやったから」

「人一倍正義感が強い瑛子さんなら間違いないか」

「そーゆーこと」

「また機会があったら狙おうよ」

「…面倒なのはやだなあ」

「でも、瑛子さんのお蔭であの炉木の被害者はあの日からゼロになったんだよ?社会貢献したと思わない?」

「…思うね」

「その内みのりちゃんも含めて遊ぼうよ」

「そだね」



*沢尻瑛子 メタモル・ファイト戦績 〇勝〇敗〇引き分け 性転換(変身)回数〇回



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