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小林みのりの場合 11


「そう。過酷な刑だよ」

「ん?でも中国ってそうやって働いてる人がいたよね」

宦官かんがんのことを言ってるんだろうけど、あれは覚悟の上だからね。形として望まない男性のあそこを切り落とすのとは違うよ」

「へー」

「ちなみに日本は中国…この言い方は戦後のそれだけど…から律令制を始めとして色々な制度を輸入したけど、「宦官」と「科挙」(かきょ)と「纏足」(てんそく)だけは輸入しなかったと言われてる」

「あー歴史の話はそこまでね。放っとくと長くなるから」

「ゴメンゴメン」

「何の話だったっけ?」

「だからレイプ犯の話だよ」

「たーくんが脱線するから」

「ゴメンゴメン。ともかく、他の犯罪に比べても性犯罪はどうしても刑期が軽くなる傾向がある。具体的に言えばレイプされた女性が死んでいたりしない限りはまず懲役刑だ」

「…不公平だわ」

「しかもそれだけじゃない」

「まだ何かあんの?」

「性犯罪はとりわけ再犯率が高い。出てきてもう一度誰かを襲って刑務所に戻ってくる…ま、この話ってこの間もしたけど」

「一生出さなきゃいいんだよ!」

「そういう訳にはいかない。裁判で確定した罪を償ったんだからもう自由になる」

「おかしいよそんなの!」

「全くおかしい。けど今の世の中ではどうしようもない。更に、服役して出てきた犯人はしばしば服役する原因になった被害者女性に『逆恨み』で報復に来る」

「おかしいよ!」

 大声を出して立ち止まってしまう瑛子。

「元はと言えばそのドスケベがレイプするから悪いんでしょうが!何で警察に通報した方が悪いみたいなことになってんのよ!」

「落ち着いて。瑛子さんの言うことが百パーセント正しい。これは犯罪者の言い分だから」

「そういうアホなことを言ったら舌を抜く刑な」

「真面目な話をすると、少なくとも文明国では刑罰としては三種類しか許されてない」

「…何よ?」

「懲役刑と罰金刑、そして死刑。それ以外の『ムチ打ち』とか『のこぎり挽き』とかそういうのは無しなんだ」

「レイプの刑も無しなんだ?」

「言うまでもないね。まあ、治安の悪い刑務所では囚人同士で横行してるとは言われてるけど」

「じゃあどうすんの?」

「そこで瑛子さんの能力だよ」

「あっ!」

 歩き始める瑛子。

「そうか!そういう馬鹿犯罪者を女にしちゃえばいいんだ!」

「そういうこと。…おおっぴらには言えないけどね」

「スゴイこと考えるねたーくん」

「思い付きだよ。でも、問題もある」



(続く)


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