エピローグ
エピローグ
全くヒドい目に遭った。
ここのところの性転換率は異常だ。こんなことをさらっと呟く男子高校生はそうはおるまい。
言うほど敗北はしていないんだが、勝つまでの間に巻き込まれ被害同然に変身してしまう。
中華ねーちゃん(ウー)なんぞ、街中で接触した日にゃ今日みたいなことになりかねん。お嬢様学校の制服やら、CAの制服まで着せられて空港内を練り歩く羽目になるなんて田舎で健全な男子高校生をやってた頃には思いもよらなかった。
思ってたら大変だが。
世の中には水木みたいなのもいて、恐らくは見知らぬファイターを求めて日本中…もしかしたら世界中を渡り歩いている。
水木や飛田みたいに、この戦いを突き詰め、システム解析に血道を上げているのもいる。
水木の研究成果はとても大きい…のだが、正直お付き合いは遠慮したいタイプだ。
ウーは少なくとも敵ではない。味方とも言い切れないが。
お蔭で助かっているが、今日みたいな特殊系が牙をむいて来たらとてもまともにやって勝てる気がしない。
オレ…橋場英男としては、女体化の趣味も女装の趣味も無いんで、こんな戦いに巻き込まれるのはゴメンなんだが、どうしても火の粉が降りかかって来てしまうので避けなくてはならぬ。
避けようとしても向こうからやってくる。
受け身では駄目だ。
要は負けなければいい。相手がどんな能力を持っていようが、発揮させる前に勝ってしまえばいいだけだ。
それにはよりシステムについて理解を深めなくてはならん。
まだまだこの戦いは終わりそうにない。
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