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今日の貴女は赤ずきん

作者: みるく

 赤頭巾ちゃんって、性的な話なんだって。

 食べられちゃうっていうのは、そういう意味なんだって。

 だから食べられて死んだはずなのに、お腹から出てきて助かるんだって。


 物知り顔でそんなことを言ったのは、はて、誰であったか。

 私はここぞとばかりに商戦を繰り広げている雑貨屋で赤やピンクや黒の頭巾をかぶったうさぎのぬいぐるみ片手に、少女へのクリスマスプレゼントに悩んでいる。

 確か少女はこの悪魔的な「クロミちゃん」が好きだと言っていたから、このストラップでいいだろう。


 このアニメ教えてくれたのは、あいつだったなあ……

 元カレを思い出した私は、最悪の二十歳の誕生日を思い出して首を振る。


 二十歳にもなって、狼に食われながら誕生日の日付が変わる瞬間を迎えたなんて誰にも言えない。

 酒の肴になら……できないな。


 あーあ、史上一番幼稚な彼氏だったなあ。

 買い物を終えて私は店を出る。

 このプレゼントを渡すのは、その元カレが好きだと言っていたアイドル。

 喜んでくれるかな、と思うとドキドキする。

 別れても移った趣味は変わらず、相手の興味が彼女から離れても彼女の少女への愛は変わらず。

 女の方が一途よね、と私は赤いカーディガンを羽織った。

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― 新着の感想 ―
[良い点] マイメロのクロミちゃんかな? 私もあのこ好きですよー可愛いから。 女性の方が結構一途ですよね。
2014/10/27 01:29 退会済み
管理
[一言] 楽しく読ませて頂きました。 女性のハードボイルドな小説に感じます。 夜の電飾にまみれた街で、街灯の下、タバコを燻らせる。多分それも男の残り香なのでしょう。払拭するように吸い殻を踏みにじりなが…
[一言] 「赤ずきんちゃん」が性的な話という前フリがあり、男性(元カレ)を狼に例えて主人公の過去の経験を思い出す展開が、自然な流れで興味をひきました。 現代の若い女性の日常を垣間見たような感じを受けま…
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