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3.微かな希望
これは文字だ……
彼は、この老人は俺に何か伝えようとしている。
一体、何を俺に伝えようと……
老人のなぞる指に神経を集中させる。
『キミ ト ワタシ オナジ ヒ ウラレル』
わかる……
何故だかわからないけど、わかる。
俺がいた世界と文字の形式は違うけど、理解できる。
なんだか違和感を感じはするけど、この際だ利用させて貰おう。
意味もわからず異世界に飛ばされて来たんだ、これくらいのハンデが無ければ困る。
『ソノトキ ナンデモイイ ブキ ヲ ワタシテ クレナイカ?』
老人は伝えたい事を伝い終えたのか、俺を見つめている。
俺は老人を見詰め返すと小さく頷いてみせた。
それを見て彼は満足したのか鉄格子の奥へと静かに去って行った。
彼は一体、何者なのだろうか……
彼は一体、何をするつもりなのだろうか……
……いや、武器を渡してくれと言ってるんだ。何か、何かやらかそうとしているに違いない。
それならば、俺も……




