14.初めての街アルバ・前編
俺達は暫く二人で馬車の旅を満喫した。
何処に行くのか、何処に向かっているのか、あとどれくらい馬車を歩かせるのか。
まったくわからないままに俺は馬車に揺られて過ごした。
ただ一つ。グレイスさんの祖国へと向かっていると言う情報だけを頼りに……
そんな日々が一週間程続き、荷台に積んであった食糧が底を尽き始めた時だった。
「やっとたどり着きましたな。ここがこの国最南端の街アルバです」
「うおおぉぉ……」
ビックリする程の田舎だった。
物語の世界特有の城壁なんて物は無く。外から街の全貌が丸見えになってる。
建物も数えるには少し多いけど、御世辞にも沢山の建物があるとは言えない。街事態の人口も200人とかそこら辺なんじゃないのかな?
知らんけど……
遠目で見た感じ、高い塔とかも無く、面白味にかける印象を受ける。
どちらかと言うと、街と言うより村っぽいかな?
勿論、信号機とかもない。
まあ、あったらあったでひっくり返るんですけど……
んで、お家に帰っちゃう……
隣で手綱を握っていたグレイスさんがおもむろに口を開いた。
「さて、やっとここまで来ましたな。ここでささやかですが国境を超える準備をしましょう」
思ったより早く国超え出来そうだな。
もしや、これは楽勝か?
「覚悟していて下さいヨゾラ殿。我輩達はこれからあの山を越えて行かなければならないのです……」
そう言うと彼は空を指差した。
その時になって初めて気づいたが、村の背後には巨大な山脈がそびえたっていたのだ。
あまりに巨大過ぎて、背景と同化して視認出来ていなかった。
「え、えれべすとぉ……」
これは私、死んだか?
わりい、おれ死んだ。
俺は唖然としたままの状態で記念すべき初めての街へと入ったのだった。




