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呪われし戦乙女の冒険譚  作者: ふたばみつき
異世界転生編
1/21

1.死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねッ!!

 鈍い身体の痛みと共に今日も目が覚めた。

 私は横になったまま自分の手に繋がれた鎖を眺め、項垂れる。


 ああ、何度これを繰り返した事か……

 これが夢であったなら、夢であってくれたなら……


「ヨルちゃ~ん、ご飯ですよ~」


「ひっ!」


 その声を聞いて思わず身体が硬直する。


 まるで自分の身体でないように……

 まるで身体が石になってしまったかのように……


「さあ、ご飯だよ~ ヨルちゃ~ん」


 鉄格子の向こうから、上機嫌な様子の男がこちらを眺めている。


 その視線に思わず寒気と恐怖を覚える。

 そして、固まっていた身体は何かを思い出したかの様に震え出す。


 背筋もまともに伸ばせない程に狭い鉄格子の中、私は男から逃れるためになるだけ距離を取る。


「ヨルちゃん、おいでぇ。怖くないから、出ないと、ご飯あげないよぉ~」


 男は鉄格子の間からスプーンを伸ばして私を招く。


 シチューのいい香りがする。


 だけど、それと同時に男の獣臭いニオイが鼻をついた。

 この身体になってから嗅覚が鋭くなった気がする。

 とくに男の臭いには……


「ほらほら、ちゃんと食べないと死んじゃうよこっちにおいで~」


 鉄格子の向こうの顔が薄気味悪い笑みを浮かべる。


「うぅ……」


 確かにこの男の言う通りだ、いくら嫌だと言っても食べなければ死んでしまう。


 それに、これ以上男の機嫌を損ねるとどうなるかわからない。


 恐る恐る、男に近づき、その手に握るスプーンに手を伸ばす。


 私の手が近づく。


 すると、男はスプーンを引っ込めた。


「ふひひ、へへ。俺が食べさせてやるよヨルちゃん。そのまま、口をこっちに……」


 嫌だ嫌だ嫌だ。

 こんな奴大ッ嫌いだ。


 死んでしまえ死んでしまえ。


「ひひ、良い子だねヨルちゃん」


 そのまま、男はシチューを私の口に入れる。

 再び口に入れる。


 シチューがなくなったら。

 口に入れる。


「オ゛ォ゛ッ!!」


「ああ、良い子だねヨルちゃん、いいよ」


 気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い。

 お前なんて、死ね死ね死ね死ねッ!!


「いいか、ヨル。妙な真似をしたら、お前が自ら死にたくなる様な姿にしてやるからな。覚悟しろよ」


「オ゛ッッ!!」


 クソクソクソクソクソ!!

 気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い!!

 お前なんて死ね死ね死ね死ねッ!!


 死んでしまえッッ!!

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