【プロットタイプ】あの時は死んでなかった
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
何故勉強するのかって聞かれたら、ただ一つ。
脳汁出す為。競馬のような興奮を味わう為。
私の母は私の濃度をより濃くした様な人物である。好き嫌いは勿論激しいし、相応に口が悪い。そしてそれに遺伝を感じざるを得なかった事がある。
全国模試の偏差値が前にも増して下がった。しかも中三の夏。つまり背水のであった。そこで思った事はただ一つ。
死ぬしかなくない? あ、物理的に死ねって訳じゃなくて、死ぬ気でやらないと駄目じゃない?
そんな事を考えながら帰宅し、母に結果を渡すと第一声。
「死ねっ!!」
けれども傷つく事はなかった。後に続く言葉は分かっていたから。
「ごめん。本当に死ねって事じゃなくて、死ぬ気でやれってこと。このままじゃガチでヤバい」
「あぁ大丈夫。其れは私も思ってたから」
親子だと痛感した。傍から見れば、手酷い注意を受けそうな話だが、この時に言われた『死ね』という言葉はそれなりに嬉しかった。考えが似た人とは共感を得ることが多いから。
「中学三年の時に、母から『死ね』って言われたことがあってぇ」
資格試験の勉強をしながら、瑠衣に話し掛ける。どうせ聞き流されるかも知れないが、何となく言いたくなったのだ。
すると瑠衣は顔を上げて、無言で此方を見つめていた。感情が読みにくい。ただ何か考える様に、視線を上にずらした。
「ほら、ご存じの通り、私の母は私の原液だから。めっちゃファンキー。ギャルママとはちょっと違うけど、熱量的にはタメ張る感じの人だから」
「まぁ、会って一分でお前の親だとすぐ分かった。お前の表面を色濃くした様な人だから」
結婚の挨拶に出向いた時の事を思い出した様で、瑠衣はげんなりとした顔をした。常にだる絡みのテンションであれやこれやを質問攻めにされて、トラウマになっているのだろう。
まぁ問題はそこではなく。全くもってそこではなく。
「あの時の受験勉強。全く死んでなかった。死ぬ気でやってなかった」
何処か漫然と受かる気でいたし、ぶっちゃけ舐めてた。だから悦楽を得る為に解ける問題しか解いて来なかった。だから冬まで模試の点数は上がらなかった。
「今の方が死ぬ気かな。周りの受験生、問題共々、全て潰す気だし。
受験開始までスマホ弄って、いざ解答する時に、無双するのが堪らねぇんだわ。そうして合格来た時の勝ち誇った気持ちが最高なんだわ。
『お前ら、ここまで修練積んでねぇだろ』って。『そんなんじゃ脳内麻薬も出ねえだろ』って」
六割が合格点ならば、過去問で八割五分以上の点数を叩き出さないと、無双感は味わえない。全てを皆殺しに出来ない。
「私が勉強する理由なんて一つだよ。脳内麻薬出す為。周りの受験生、問題諸共、全部潰す為」
「お前はやっぱり狂人だろ」
呆れた様に溜息を吐きながらも、次に見せてもらった小説は私をモデルにした狂人の話だった。
鏡花の母ってどんな人って言われたら、鏡花の原液みたいな人です。
瑠衣の事だる絡みして、高笑いする、狂人の人格の原液です。まぁ、元ネタ母なので。
まぁ『狂い咲きの花』を元ネタに『鏡花』という名前を付ける人が普通ではあるはずはありません。
子守唄は○○モンの『恋の○○○○』でしたしね。
鏡花以上に赤を従える人間です。もう強烈。
だから鏡花の模試見た時の、『死ね!!』も、
『あ、マミー今日も口悪ぃ〜。しかも私と同じこと考えてんじゃん。草生える〜』
みたいなノリで受け入れてます。
まぁ、そんな鏡花のイカれたマミーの話はこれぐらいにして。
勉強、面倒臭いと思うんですよ。
楽しくないし、やっても役に立たないしって。
でも、周り皆が困惑している最中、一人答案用紙仕上げて、途中退出するのって、マジで気持ちいいんですよ。
他の面子差し置いて、無双しているからなおのこと。
それって一度経験した人にしか分からないんですよ。
そんでもって、その悦楽は麻薬と同じで一生記憶すると思います。
もう、あの悦楽を得たくて勉強するぐらい。
だからなんでアンタ一生懸命勉強するのって言われたら、脳汁出す為です。
ほら、誰かに掛けるよりも自分に掛けた方が良くないですか? 裏切られるリスクも少ないですよ。
頭はバーサーカーです。