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北方領地の魔王  作者: ルケア


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説教と住民票

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

「おかえりなさいませ、マクシミル様」


「ああ、エルナンデスか。今帰った」


「少々お話したいことがあるとデーデル様より伺っております」


「まあ、そうだろうな。解った。いつもの場所だな?」


「はい」


 まあ、知ってた。執務室にいけば良いんだろう。デーデルもそこまで怒っている訳ではなさそうだ。怒っていた場合はもっとエルナンデスが忠告してくれるはずだからな。何をやらかしたんだと詰められる。デーデルよりも怖いまであるからな。


「今帰った。デーデル、話があるそうだな?」


「そうですね。単刀直入にいいましょう。今まで何故にダンジョンの事を黙っておられたので?」


「そうだな。別に秘密にしていた訳では無い。話すタイミングが無かったというのが本当の所だ。兵士から聞いたのだろう? 口止めはしていなかったはずだ。積極的に言いふらせとも言ってはいなかったがな」


「でしょう。兵士からも困惑の様な感情を受けましたので。ダンジョンコアをテイムして何をしているのかと言われましたが、それで? 何をしていらっしゃるのですか?」


「簡単に言うと、ダンジョンコアを利用して資源収集と、魔物の進化をさせている。魔物はまあ、そこそこ強いとは思う。ただし、訓練した兵士を前にしては数で勝っていなければ負ける。その程度の強さだな。その認識は間違っていないか?」


「間違っていないでしょう。スキルだけではその程度です。良いユニークスキルやギフトを得た方にとっては、そうそう脅威にはならんでしょうな」


「そうだな。それではいかんのだよ。それでは戦力として使えない。故に進化をさせる必要があった。進化をすれば、ある程度の強さにはなる。それこそ普通の兵士では勝てない程度に強くなる。もっとも、それでも良いユニークスキルやギフトを貰っていれば、そっちの方が強いんだがな」


「なるほど。戦争で使った魔物というのは、そもそも進化をした個体だったという訳ですか。……通りで何故か大勝したことになっているはずです。流石に進化個体と兵士をぶつければ相手になるはずもありません。……一部の例外を除きますが」


「そうだな。一部の例外に対してはどうしようもない。あれらは人間と同列に語って良いのかも疑わしい。俺のユニークスキルですらそれに近い。そこにギフトが合わされば勝てないだろうな」


「それでも魔物を使うので?」


「使うな。俺にはその為のギフトがある。テイムできれば使えない訳では無い」


「それはダンジョンコアも同じですか?」


「ああ、ダンジョンコアも一緒だ。あれは魔物だ。魔物故にテイムは可能だ。もっとも、それ専用のユニークスキルやギフトを持っていなければ会話すら難しいだろうが。出来なくはないとは言っておく。難しいだけでな。……恐らく、公爵家もダンジョンを所有しているぞ。メイプルシロップの話が途切れたのが証拠だな。ダンジョンでメイプルシロップを生み出すことは可能だ。交渉できれば、の話にはなるが」


「……魔物にしても、ダンジョンにしても、マクシミル様が死なれた後の事はどうするおつもりで?」


「……特には考えていないな。早々襲ってくるような魔物ではないが。そもそも自分が強くなることを優先するのが魔物だ。強くない人間には興味を示さんだろう。それとダンジョンコアについては、あっちはあっちでダンジョンコア同士の争いが激しくてな。人間に殺されないと解れば協力的になってくれる」


「はあああぁぁぁぁ。一応ですが、マクシミル様と同じもしくはそれと同等のユニークスキルかギフトをお持ちの方を探しましょうか。そうしなければ、魔物の反乱が起こる可能性があります。流石にそこを考えてないのは不味すぎます。冒険者ギルドにも魔物村の話はしましたよね? こちらにも報告がありましたが、スタンピードの可能性があるのですから、それ相応の人物を探さねばなりません。これは最優先事項ですよ? 魔物村の有用性は解っているつもりです。ダンジョンコアも有用なんでしょう。この際はそれには目を瞑ります。ですが、制御不能な状況になるのは駄目です。代官として、しっかりと、後継者を、見つけて貰います。良いですね?」


「解った解った。ユニークスキルかギフト持ちを探す。……この際だから、住民からユニークスキルやギフトを聞き出すか? 秘密にされても意味はない。有用なユニークスキルやギフトを埋もれさせるのは勿体ないからな。住民の管理はどうなっている?」


「住民の管理は人数だけですね。……今度は何をやるので?」


「住民が少ないのだから、こちらで色々と管理をしようと思う。住民の名前、家族構成、仕事、ユニークスキルやギフトを記録し残していく。それで人口の管理までやる。死人は消し、産まれたら登録する。そうして人口を管理していこう。出来れば仕事の斡旋も出来ると嬉しいが、どうだ?」


「どうだと言われましても……。やったことが無いので効果が今一つ解らないですね。それと、文官が足りません。少なくとも8人は増員する必要があるでしょう。今は私を入れて8人ですが、各村に1人と町に2人は最低でも人口管理のための文官が必要になるかと思います。人材に当てはあるのですか?」


「いや、その人材を掘り当てるためにも住民の情報を登録しよう。そのついでに、ミスマッチしている仕事を移動してもらえばいい。勿論、ユニークスキルやギフトで全てを決めるものではないが、住民登録は済ませてしまう方が後々の事を考えればいいだろう。それでも先に文官が欲しいか?」


「……そうですね。それでも2名は欲しいです。2名で住民管理をしつつ、人材を探します。人材を探すのは、マクシミル様にお願いしても? 人員が足りませんので」


「ああ、それは任せて貰おう。……安心しろ。仕事はちゃんと終わらせる。俺がやらなければいけない仕事も大分減らしたはずだろう?」


「ええ、予想外にも仕事は増えましたが。人材の発掘には丁度いいのかもしれませんね。まずはやってみましょう。幸いなことに、今はまだ人口は少ないですから。それだけの労力を掛ければ何かと便利になってくれるやもしれません。……そういえば、マクシミル様が連れてきた魔物人はどうするんですか? あれも進化個体ですよね?」


「ああ、そうだな。彼らにも住民登録はしてもらう。幸いなことに、名前も全員分あるからな。……俺が付けたわけじゃないんだけどな」


「それはそうでしょう。彼ら同士は解るかもしれませんが、他の人は解らないんですから。皆名前を付けるのは当然です。住民が率先して名前を付けましたよ。後、進化個体という事を誤魔化さないで頂けますか?」


「進化個体だが、そもそも戦闘をしたくないという魔物としては落第者だぞ? 安全だとは思う。そもそも人の社会で育てば、常識もそうなるだろう。生まれよりも環境の方が重要だと思うぞ?」


 遺伝子で全てが決まるという人と、親の振り見て学ぶという人と、環境で決まるという人が居るが、そもそも親は戦闘が嫌いな魔物人だ。そして、環境も人間社会だ。魔物としての本能が開花しなければそのままだろう。問題は無いと思われる。最悪は魔物村にいけばいい。あそこで強くなりたいという夢を叶えればいい。……特定の人間以外はあそこにいる連中よりも弱いからな。強さを求めるのであれば、魔物村が向いている。今後はその様に誘導していけばいいだろう。


 さて、俺の新しい仕事が決まった訳だ。文官を2名雇い、住民台帳を作ること。戸籍と言ってもいいかもしれないが、そこまで凝ったものには出来ないと思うからな。住民票程度のものしか出来ないだろう。

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