魔物が増えた先で、ダンジョン?
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雪が溶けてきたころ、既に第5村まで魔物の数が増えてしまっている。これは非常に不味い。ここまで簡単に増えるとは思っていなかったんだよな。でも、そのおかげで非常に広い地域を探索できている。情報は逐一フォレストウルフに貰っているんだけど、その数も既に200を超えているんだよ。中々に増えたとは思うけど、それと同時に情報の入り方も凄い事になっている。
活動エリアが本当に広いんだ。……その所為でとんでもないものまで見つけたんだけどな。ダンジョンを発見した。フォレストウルフの情報を元に現地で確認したんだけど、本当にダンジョンがあったんだよ。ダンジョンって言うのは、一種の魔物なんだよな。
ダンジョンとは、ダンジョンコアという魔物が作る物の事を言う。洞窟型のダンジョンが一般的なんだけど、色々と法則があるらしいんだよ。何を基準にしているのかは知らないんだけど、大体が現地で居る魔物が出てくるらしい。今回のダンジョンで言うと、スライム、ゴブリン、コボルト、フォレストウルフ、ホーンディア、オークがメインになって出てくるらしい。らしいなので、詳しいことは突入してみない事には解らないんだけど。
「そんな訳だ諸君。諦めてダンジョン探索と行こうじゃないか」
「あ、あの。ダンジョンとはその様に簡単に入るものではないと聞いたことがあるんですが……」
「それはそうだろう。特にダンジョンは道が迷いやすく出来ていて、1日2日で攻略できるものでないことが一般的だ。それは俺とて知っている。だが、このダンジョンは比較的新しいのだ。新しい時、ダンジョンの深さはそれ程でもないと聞く。まあ、問題は手に入る宝物も少ないという話なんだけどな。それでも、一攫千金でダンジョンを探す冒険者は少なくない。ダンジョンコアを破壊できれば、もの凄い富が手に入ると言われているからな。問題はそこではないんだが」
「あの……問題がそこではないと言う事はどういうことなのでしょうか?」
「ああ、ダンジョンはダンジョンコアという魔物が作ったものであるという事は、ダンジョンコアをテイムできるのではないかと思う訳だ。魔物であるのであれば、テイムできても良かろうなのだ。是非とも欲しいとは思わんかね?」
「……何が出来るのかを知っていると言う事ですか?」
「何が出来るのかは解らん。聞いてみない事には始まらない。だが、テイム出来たとするならば、これは凄い発見だ。独占出来るダンジョンを作れると言う事だからな。活用方法は無限に存在する。寧ろ有効的に使えるのであれば、どんどんと使っていきたいと思っている。テイムできるかどうかは解らない。だが、テイム出来た時の見返りが大きいのだ。挑戦しないという手はないだろう? しかも新しいダンジョンだ。攻略もそう長くはかからないだろう」
「では、我々を含めて6人でダンジョンを攻略すると言うのですか?」
「そういう事だな。ここに筆記用具がある。これで1人は地図の作成を頼む。ダンジョンとは、新規にどんどんと道が出来ていく事もあると言われている。出来る限り正確に道を記載してくれ」
ダンジョンコアをテイムする。これほど面白いことは無いと思う。ダンジョンとは各地に存在するのだが、移動するという事も聞いたことがある。ダンジョンコアが生きている魔物として考えるのであれば、テイムできてもおかしくないし、何よりも自分の好きな場所にダンジョンを作る事も可能であると言う事になるかもしれない。これを魔物村の第1村に置いておけば、ダンジョンから常に資源を取れるという環境になる可能性もあるんだ。是非ともダンジョンコアをテイムしたいと思っている。
「さて、何処まで深い階層があるのかは知らないが、行ってみようでは無いか。上手くテイムできれば良し。壊して富を手に入れるも良しだ。では行こう」
そうやってダンジョンに入る。入ると、非常に暖かく感じた。……環境まで変化するのか。これはいいな。是非ともテイムしてやりたい。色々と活用方法が見えてくるじゃないか。しかも洞窟なのに明るいと来ている。これは農業も可能なのではないか? 疑似的な太陽の代わりをする何かがあるのかもしれない。眩しくなく、けれども暗くもない絶妙な加減だ。
通路を通って小部屋に入る。そこにはオークが3体。これは余裕だな。
「兵士諸君。訓練のつもりでやるが良い。俺は1体を貰う。5人で2体、やれるな?」
「「「「「はっ!」」」」」
という訳で接近。拳真を舐めて貰っては困る。オークだろうと殴り勝てるという所を見せてやらないと。リーチはオークに軍配が上がる。2.5m程の豚の巨人だ。振り下ろすだけの力も大したものだ。しかし、当たらなければどうという事はない。躱して鳩尾に右エルボーを叩き込む。……肉が厚過ぎて効かないか? それならば、効果のありそうな所を攻撃するまでだ。巨体故に弱い足腰を狙っていく。ローキックやフックで足腰を破壊していく。オークの攻撃は基本的に大振り。こんな攻撃に当たってやる必要もない。何度目かのフックを叩き込んだところ、オークが前のめりに倒れ込んできた。そこで顔面を連打。最後にげん骨を叩きつけてオークの頭を破壊。そのまま地に倒れたまま起き上がって来なかった。流石に頭を破裂させれば死ぬか。脳も無く動く個体がおかしいだけなんだよな。
兵士諸君も危なげなく勝利。時間はかかったが、それでも5人で2体を相手に良く勝てた。連携もしっかりと取れていたし、これで我流から抜け出せるともっと強くなるだろうな。
その後も何度か戦闘があったが、オークよりも雑魚のゴブリンやコボルトを嗾けられてもな。速攻で潰して終いにしてしまった。順序が逆だろうとは思う訳なんだが、ダンジョンコアにも、何か制限があるのかもしれない。その辺はテイムしてからゆっくりと聞いてみたいと思う。
そして、15部屋目で漸くと邂逅した。直径1mくらいの水晶の様なもの、これがダンジョンコアだろう。
『終わった……。何でこうも簡単に見つかるんだよ……。手加減も何も無いじゃないか……』
「やあ、ダンジョンコア君。別に俺達は君を破壊しに来た訳では無いんだよ。交渉がしたい。それを飲んでくれるだろうか?」
『……交渉が決裂したら?』
「残念だが、コアを破壊するしか無いだろうな」
『……それって、僕の意見を聞く必要ある? どの道飲むしか生きる道が無いじゃん』
「そうだが、こうしてダンジョンコアとして生きる道があるだけ有情だとは思うがね。他の人間なら問答無用で破壊するだろう。そして、巨万の富を手に入れる。それが出来るんだろう?」
『出来ると思うよ? 僕の体って特別製だしね。珍しいと思うから、人間には価値があると思う』
「そうなのか? 数多の宝石、金銀財宝、その他色々と言われていたが、コア本体が特別製なのか」
『多分だけど。僕が死んだ後の事なんて僕が知る余地も無いしね。どうなるのかは解らないかな』
「まあそうか。それでだ、単刀直入に言おう。俺にテイムされる気は無いか?」
『……変な人間だね。なんでまたダンジョンコアなんてテイムしたいのさ?』
「色々と有用だと思うからだな。ダンジョンコアの事も殆ど何も知らない。だが、ある程度は予想ができる。ダンジョンの作成能力であったり、魔物を配置する力だったり、色々と活用方法があるだろう? それを俺に提供してくれないか?」
『知らないって言った割には色々と知っていそうな気がするけど、拒否権は?』
「無いな。拒否されれば交渉が決裂したものだと考えてくれ」
『それって僕に選択肢はないじゃん……。解ったよ。好きにしてよ、もう』