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念のための保険

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 塩に困っているのであれば、塩を沢山売りつけることにしよう。幸いにも塩は余り気味なんだ。沿岸国故に安く手に入る。一応購入しているが、そろそろトルクメニア山脈に面した領地が北の森で手に入る。今度は沿岸部に伸ばしていくからな。その内もっと塩の値段は下がる。今後も見据えれば今の内から売れるような体制を作っておくに限るな。それに、味方は多い方が良い。出来れば再戦になるであろう10年後に、味方になってくれる国があれば心強いのだ。


「交易に関してはありがとうございます。こちらも持って来た商品が全部売れなければどうしようかと思っていたところなのです。限界地帯に住んでいますから、食料品は貴重と言う事もありまして、肉が精一杯だったのです」


「いえいえ。こちらも冒険者が多いので、肉の消費量が多いのです。……マットゴートも食べられるのですが、冒険者は金になる毛皮を持ってくるだけで、肉は置いてくる傾向にあるんです」


「それは、勿体ないですね。なるほど、それで塩もですか。冒険者は味が濃いものを好みますし」


「そうなのです。肉もそうですが、塩も沢山使います。そもそも、自分たちで肉を捨ててくるのに、肉を出せという方が間違ってまして……」


 うんうん。そういう事にしておこう。まあ、本当の事ではあるんだろうが。冒険者は儲かる事が第一な所があるからな。毛皮の値段と肉の値段を考えて、肉を捨ててくるのはあり得る。自分たちの肉を確保したら放置って可能性は十分にあり得るんだよな。食べられるのだから、しっかりと運んでくれば良いんだろうが、それでは儲けが半減する。しかも肉は塩がない関係で余らせても駄目なんだ。買い取りは安くなるだろう。


「交易の方はこれでよろしいかと。では、外交権を貰った貴族としての話をしましょう。返答が出来ないのは解っております。返答はいつものルートを通じてで構いませんので、上に伝えてくれれば大丈夫です。……10年後の話です」


「……聞きましょう。なんとなくはそうだろうとは思っていましたが」


「ええ、ここまで話してきた内容だと解るかと思いますが、10年後にもう1度、アイスクローブ王国が攻めてくるでしょう。過去の名誉を挽回するために。その時に一緒に戦ってもらうのが1番良いのですが、別に攻めてくれと言っている訳ではありません。国境に兵を動かしてもらうだけでも良いのです。攻める様な素振りをするだけで構いません」


「素振りだけで良いのですか? それではそちらのメリットが余りないように感じますが?」


「ええ、素振りだけでも構いません。もしもアイスクローブ王国が戦力を配置しなかった場合は、本当に攻めて貰っても構わないのです。こちらも防衛には全力を尽くしますが、負けることもあり得ます。ですが、一矢でもなんとか食い込めるのであれば、それを狙っていきたいと思っております。後は、万が一滅んだ場合の時に、難民として避難者を受け入れてくれるのかという所でしょうか」


「……なるほど、本命はそこですか。こちらとしてはどれだけの難民を受け入れれば良いのですか?」


「民全員とはいきませんので、少数とだけ言わせてもらいましょう。100にも満たない数だと思います。それを受け入れて欲しいと思うのです。まあ、万が一ですけどね」


「解りました。上に掛け合いましょう。お返事はどうされますか?」


「いつもの外交ルートで構わないと伝えていただければと思います。難民の移動に関しましては、今日と同じルートを使うとだけ」


「解りました。確かに伝えておきましょう」


 王族を逃がすことが出来れば、最悪復興という事が叶うからな。こういう時の為にもルートは必要になるだろう。まあ、万が一なんだけどな。負けるつもりは毛頭ない。負けたら楽しい生活が出来なくなる。それは俺も望むところではない。今の代官の仕事がなんだかんだ言いつつも楽しいんだ。こんな所で滅ぶなんて最低だからな。この10年で精々強くなってやるさ。


 多分だけど、宰相が気にしていたルートはこの話だと思うからな。宰相も逃げるのであれば一緒になるだろうし、保身は大事だよな。俺も気持ちは解る。自分の身が1番可愛いんだもんな。うんうん。解るぞ。俺だって負けるつもりは無いけど、念には念を入れろっていうしな。この位は交渉出来た方がいいだろうと思う。


 さて、後は俺の好きな事をやらせてもらうかな。町で買い物をしたいと思う。見つけられるのであれば、アダマンタイトの製品が欲しい所だ。……メイプルシロップが売れなかったからな。売れたらの考えで来たから、アダマンタイトの製品が買えるかギリギリの所でしかない。


 もう少し塩を多めに持ってきていたらとも思うが、そもそも内陸国であることの証明が不可能だったからな。内情もよく知らないのに、外国の事なんて知らないという事なんだよ。一応、交易に使えるだろうと思って塩を用意したが、本気で塩を買ってくれるとは思っても居なかったんだよ。完全にメイプルシロップを売る気満々だったんだよなあ。失敗だ。


「では、こんな所でしょうか。今日は急な訪問にも関わらず、面会出来たことに感謝を申し上げる」


「とんでもない。我々もまさかトルクメニア山脈を迂回するような国があるとは思わず。これからも定期的に来てくれるのでしょうか?」


「そうですね。定期的に商人を向かわせます。そちらも商人を決めておいてもらえると助かります。毎度毎度俺が来るわけには参りませんからね」


「それは、そうでしょうね。解りました。卸しの商人を決めておきましょう」


 次回からは龍王に任せるからな。外貨の獲得をしなければならないんだ。この町に良いものがあるのであれば、定期的に仕入れたいと思うし、国益にも適うからな。まあ、自領の発展に使うんだけど。


 そんな訳で、私情たっぷりで市場を見ることに。お金は少ないがある。これで何か買えるかなという感じだな。特に金属。ミスリルまではあるんだから、後は上位3つの金属があればって感じだな。槍でも斧でも構わないんだが、そういう製品は無いのかね? 冒険者が多く居るって言うんだから、武器防具は揃っていてもおかしくはないんだが……。


 という訳で、ぐるりと見てきた感じ、無かった。期待してたけど、無かった。こればかりは仕方がないかなという感じではある。無い所には無いんだ。金属とはそういうものだ。ミスリルはあったんだがなあ。という事は、国内で探す方がいいだろう。多分だけど、少量ならなんとかなると思う。この辺はレッタニンに任せよう。俺が出来るのはここまでだ。これ以上は専門家に任せるしかない。だけど、交渉は上手くいったな。最悪の場合は王族貴族を受け入れて貰えると思う。俺は北の森に潜伏して何時でも帰れるように努力をしないといけないんだろうけどな。


 さて、こうなったら宿屋で10日くらい過ごすことにしよう。他の奴らは北の森で探索だ。10日もあれば、ダンジョンの1つや2つ見つかるんじゃないかなって思っているんだよ。結構広範囲に探せると思う。俺はもうちょっと市場を見たい。何か見落としている可能性もあるし、まだまだ探索は続けるぞ。冒険者ギルドの様子も見ておきたいし、色々とやらないといけないことはあるんだよ。どれだけ国益に繋がるのかは解らないけどな。自分の都合が最優先だから。当然だけど、負ける気はないし、魔物も最強の奴らを揃えたいと思っている。その為には色々と見て回らないとな。もしかしたら有益な魔物素材の何かが見つかるかもしれないんだから。掘り出し物を探していくぞ。

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