表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/151

まずは交易を

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 さて、まずは何から話そうか。簡単に挨拶をするのは前提としても、そうだな。ここに来るまでの経緯も話さなければならないだろう。いきなり他国の人間が来たんだ。そこから話をした方がいいだろう。


「では、突然の来訪なのにも関わらず、受け入れてくれたことに感謝を。俺はマクシミル=ゴールドレッド。タイガランド王国、ゴールドレッド子爵家所属の町マセルの代官だ。この度は交易を出来ればと思ってこちらに来させて貰った」


「遠路はるばるありがとうございます。ミッテルディア王国、エイドロイデン伯爵家の町ケミラの代官をしております、エルベールといいます。以後お見知りおきを」


「エルベール代官、よろしくお願いする。さて、まずはこの度訪問した経緯について話したいと思う。2年前の話だ。我がタイガランド王国はとある甘味の生産に成功した関係で、アイスクローブ王国から宣戦布告をされて戦争状態にあった。それはご存じか?」


「すみません。ここまでは情報が伝わってきておりませんで」


「であろうな。国交がまともにある国であればともかく、トルクメニア山脈を境にしている国同士。連絡をとる手段は碌に無いだろうからな。知っていても中央の貴族家だけだろう。まあ、早い話が戦争をしていた訳だ。そして、その戦争でタイガランド王国はアイスクローブ王国を跳ね返し、なんとか辛勝を手にした。相当な油断があったことは言うまでもない。向こうが本気で攻めてきていた場合は負けていただろう。だが、運が味方をし勝利することが出来た。その時の立役者の1人が俺であり、その褒美に外交権を手に入れた。ミッテルディア王国との交渉が出来るようにしたつもりだ。そして、その外交の手始めに、交易品を持ちこうしてやって来た訳だ」


「……なるほど。アイスクローブ王国の国力は存じております。油断していたとはいえ、勝利した事実には代わりがない。素直におめでとうございますと申し上げてもよろしいでしょうか?」


「ありがとう。受け取っておこう。それでだ。アイスクローブ王国とは10年の停戦期間がある。隣接地がどの程度あるのかは知らないが、敗戦を払拭するために戦争を仕掛けるという事はままある。アイスクローブ王国の動きに注意された方がいいだろうという事をまずは伝えたかった」


 これは事実である。誰もが勝てるだろうと思っていた戦争で敗戦した。アイスクローブ王国としては、非常に面倒な事になるだろう。急先鋒はやり玉に挙げられて、反対した者たちがここぞとばかりに攻撃する。光景が目に浮かぶようだ。そして、その批判を浴びせられれば何をするか。今度こそ勝利で飾ろうとしても不思議ではない。アイスクローブ王国と隣接をしている国が何か国あるのかは知らないが、ミッテルディア王国に戦力が向かう可能性があるのだ。早々に動いておくべきだろうと思う。警告をしておくべきだろうと。まあ、点数稼ぎと言われても違うとは言い切れないんだが。


「……なるほど。という事は、アイスクローブ王国がどの国と隣接をしているのかはご存じないと。でしたらまずは整理しておきましょう。アイスクローブ王国と隣接している国はそちらのタイガランド王国、我がミッテルディア王国、ローデン王国、ベリディクト王国、デーバー王国ですね。その内、タイガランド王国とは休戦中。ローデン王国とはそもそもデテロア山脈で線引きされておりますから、残るは3か国となるでしょうね」


「俺は何処かの国と戦争をする可能性が高いと思っている。攻めてこられると思うか?」


「……無いとは言い切れませんが、攻めるのであれば南の国のどちらかでしょうね。そもそもミッテルディア王国の国力はアイスクローブ王国の3分の2程度であり、ローデン王国とは友好関係を築いております。敵はアイスクローブ王国しか無いのが我が国です。まず選択肢に上がらないでしょう。戦争を仕掛けられた理由が甘味ですから。仮に我が国を討伐できたとしても、甘味はありませんからね。戦うだけ無駄でしょう」


 無い訳では無いんだがな。北の森には普通にサトウカエデがあった。知らないだけで甘味はあるんだよ。アイスクローブ王国も何が甘味なのかが解っていないからこっちに手を出すことは少ないかもしれないが。甘味を求めた戦争であれば、大義名分もそうなるはず。であれば、砂糖の産地である南側の国を攻めるのはあり得る話だな。


「そうか。攻められないのであれば良いんだ。ただ、一応同盟を結べる国として、知っておいてもらった方が良いと判断したんだ。出来れば上に知らせて欲しい」


「解りました。知らせておきましょう」


「それで、その危機を知らせるとともに、交易が出来ればと思って参った次第だ。こちらも極寒地故に必要な物が被っている可能性があると思って用意をさせて貰った。まずはマットゴートの製品だな。ただ、これに関してはこちらも特産としている様子」


「そうですね。トルクメニア山脈に面している訳ですから」


「でしょう。それで必要になるかもしれないと思ったのが、塩、塩漬け肉、バフォメットの毛皮、そして今回の原因になった甘味、メイプルシロップです」


「……甘味は欲しい所ではありますが、こちらに甘味があると思われるのも不味いですから、流石に買うのは控えたいと思います。……それと、バフォメットの毛皮、ですか? どのような魔物なのかを説明頂いてもよろしいでしょうか?」


「バフォメットはマットゴートの進化個体ですね。こちらでは安定的に入手する事が出来ますので、交易品にどうかとも思ったのです」


「なるほど。しかし、こちらもマットゴートを扱っている以上は必要ないでしょう。……残りは塩と塩漬け肉ですか。こちらは買わせてもらっても良いでしょうか?」


 お? ……という事は、もしかして内陸国か? 北の森の先には海があるが、そもそも未開の地を開拓するのは難しい。これ以上西にはさっき言ったローデン王国との国境線しか無いのか。そっちに塩の供給を頼っている可能性はあるな。友好国とは言ったが、もしかしたら、足元を見られているだけなのかもしれない。ここは恩を売っておくか。


「なるほど。こちらも全部の品が駄目という訳では無いと言う事が解ってよかったです。……そうですね。壷で用意してあるのですが、この位の壷で、この値段でどうでしょうか?」


「……これなら良いでしょう。塩と塩漬け肉を買わせてもらいましょう。それで、通貨はどうされますか?」


「1対1で構わないでしょう。こちらの通貨は鉄貨、銅貨、銀貨、金貨の4種類で100枚で1枚になります。同じでしょうか?」


「それであれば同じですね。ではその値段で取引をしましょう。ここにある金額でよろしいのですか? それともまだ持ってきている?」


「いえ、今回の持ち込みはこれだけですね」


 ほう、結構足りてないと見た。ローデン王国からは足元を見られているのはその通りだな。仮想敵をアイスクローブ王国だけにしつつ、ある程度のコントロールもしていると。国力が大きい国は出来ることが多くて羨ましい限りだ。まあ、どちらかとは友好的でなければならない関係上、ローデン王国を選んだんだろうが。


「それでは、取引は成立という事で。品物は引き取ってもらっても良いですか? こちらもこの町で買い物が出来ればと思っておりますので」


「それは引き受けましょう。誰か! 誰かいないか!」


「お呼びでしょうか」


「お金を持ってきてもらいたい。この金額で頼む。それと、塩と塩漬け肉を購入した。搬入を頼む」


「はっ! おまかせください」


 今後は塩と塩漬け肉を持ってくればいいな。塩5、塩漬け肉2で良いな。メインは塩だ。交易品としての塩は強いな。沿岸国の強みを出せるからな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
結構ズバッと言うな 言わなければそこまで足元見られることもなかったかもしれんのに
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ