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山脈を超えた先の国へ

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

「という事は、暫くの間外に出られると言う事ですか?」


「そうなる。まあ、30日程度で帰ってくるつもりで居るが。向こうとの交渉次第だな。何がどう出るのかが解らない。とりあえず国の名前は解ったといった感じだ。それ以外は解っていない。何、最悪は逃げ帰って来るさ。心配しなくても大丈夫だろう」


「そうですか? くれぐれも注意してくださいね? ある程度の戦力は持っていくんでしょうけど……。持っていきますよね?」


「魔物に関してはな。橇を引いてもらわないといけない。心配しなくても向こうの冒険者ごときには後れはとらん」


 大丈夫だろうとは思う。何が問題になるのかって、一番は交渉が出来るのかだ。言語が違う場合がある。……そうなると話は一気に変わってくるんだが、アイスクローブ王国も同じ言語だったし、多分だが大丈夫のはずだ。これで言葉が違って話が通じませんでしたって事になってくると、非常に面倒な事になる。言語の習得には暫くの時間が必要になるな。何度も何度も通う必要が出てくる。


 なんにしても、出るなら春の内なんだ。夏になると雪が無くなるからな。橇でも移動できなくはないんだが、壊れる可能性もある。雪が残っている今がチャンスだ。交易品を運ぶのであれば橇は必要。ニブルヘイムの上に乗せるだけでは足りないと思うんだ。ちゃんとニブルヘイム用の橇も用意してある。問題はない。……まあ、なんというか、スケルトンホースだと遅すぎるから、魔物村の移動にはニブルヘイムを使う方が多いんだよ。一応、交易しに来る奴らにはスケルトンホースを使わせては居るんだけど。威嚇する必要はないからな。


「では、行って来る。何が必要になるのかも確認しながらだな。必要なものを探ってくる。大体は同じものが必要になると思うから、問題は無いとは思うんだけどな」


「解りました。行ってらっしゃいませ」


 そんな訳で、ニブルヘイムに乗って出発だ。用意した戦力はニブルヘイム50と龍王が5である。これで負けることはまず無い。はっきり言って龍王だけでも過剰な戦力だ。……酒呑童子を単騎で撃破すると言えばなんとなく解って貰えるだろうか。リザードマン系統の魔物人は本気で強い。鬼竜人も強いんだけど、龍王には勝てないからな。なんというか、乾燥した環境でなければほぼ最強クラスの活躍をしてくれるんだよ。その分、ダンジョンポイントも高くなっているらしいが。


 持った交易品は、メイプルシロップ、塩漬け肉、バフォメットの毛皮、塩、マットゴートの製品となっている。これで必要なものは大体全部だ。金属製品は無い。寧ろそれはこっちが買いたいくらいなんだから。まだミスリルが最高の状態なんだ。アダマンタイトやオリハルコン、ヒヒイロカネが手に入れば大きいと思うんだがなあ。少量でも良いんだ。後はダンジョンで増やすから。1本ものの武器なんかが手に入ると嬉しい。そんな貴重品が売っているのかはさておくとして。最終目的としては、10年後に一緒にアイスクローブ王国を攻めて貰う事。それが出来れば良い感じだな。それはデイルート侯爵家でもお願いしているんだろうが。


 そんな訳で5日間走りっぱなしだった。大体3日間かけてトルクメニア山脈を迂回し、2日間直線に下ってきた。場所はトルクメニア山脈の隣接している町だ。……思いっきり警戒されている。見たこともない魔物を連れてきたって感じだからな。それと、この雪の中を移動してきたって事で警戒されていると思う。まだ夏になっていないからな。こっちも雪が大変なようで。流石は北限地帯。良い感じだ。それと、今はニブルヘイム5体と龍王5体だけだ。折角こっち側に来たんだ。ダンジョンコアの探索を兼ねている。1つくらいは見つかって欲しいと思っているんだ。


「止まれ! 何処から来た商人だ? 魔物は立派だが……」


「商人ではないが、商売をしに来たことには代わりがない。俺はマクシミル=ゴールドレッド。タイガランド王国のゴールドレッド子爵家所属のマセル町の代官である。この町の代官に話がある。俺の事はタイガランド王国の外交官だと思ってくれればいい」


「外交官!? 貴族様でしたか! 失礼いたしました! しかし、トルクメニア山脈を迂回してきたので? 流石に山脈越えは考えておりませんが……」


「まあ、驚くのも無理はない。山脈を迂回してきたのだ。ここには初めてになる。代官の所まで案内願えるか?」


「勿論です!」


 よし、まずは言語が同じだったことを喜ぼう。開幕から不穏な空気にならなかったのは良い事だ。こっちは完全に商人の様相。間違えてもおかしくは無いからな。商売をしに来たことには代わりがないし。まずは市場調査を兼ねているんだけどな。こっちが用意できるもので何が売れるのかを確認しないといけない。……今後の事も考えると、何かしら商品があればいいだろうとは思うんだよな。メイプルシロップでも良いんだが、そうなると競合先が多くなる。他の商品でなんとかならないものかと思っているんだが。


 案内されて町の中。ここら辺もそこまで大きな町ではない。居ても2万人という所だろう。特に冒険者が多そうだ。魔物の相手をしている感じではある。これは、マットゴートの製品は売れない感じでいいかもしれないな。こっちでも狩っている筈だし。しかし、橇で走れるくらいには雪が残っている。もう春の中頃になっているんだがな。橇を使うためにあえて残してあるのか? 荷車を引くよりは、橇の方が楽ではあるが……。


「ここが代官様のいる場所になります。おい、代官様にお客様だ。他国のお貴族様がトルクメニア山脈を迂回して来られたと伝えてくれ」


「解りました!」


 伝令が走っていく。……門前払いはされなそうで良かった。普通に怪し過ぎて門前払いの可能性も十分にあり得たからな。まあ、返事次第にはなるんだが。普通は他国の事など知らないだろうからな。俺もミッテルディア王国の事なんて知らなかったし。貴族学校では習うのかもしれないが、俺はそこにいけなかったからな。……一応まだ貴族に席はあるが、子供からは平民扱いされる事だろうと思う。子供は代官になることになるんだがな。


 ……呼びに行って暫く。返事を任された兵士が帰って来ない。これはあれだな。時間稼ぎをしている時にやる手法だな。招き入れる必要があるが、それ相応の場所がない時によくある奴だろう。普段から貴族が来る準備をしている所なんて、普段から貴族の往来がある場所のみになる。こういう辺境の場所は、そういう応接間を仕事場所にしてしまう事が多い。かくいう俺たちも同じことをしている。子爵家当主が来ることなんて無いだろうと思い込んでいるから、歓迎の準備をしてくれと言われたら、てんやわんやになる可能性が十分にあった。ここは心を広く持つのが良いんだ。俺たちも同じことをやらかす可能性があるんだから。


「お待たせして申し訳ありません。どうぞ、代官様がお待ちです」


「解った。荷物はどうすればいいか?」


「玄関まで持ってきてもらえればと思います」


 なるほど。まあそれなら通してもらおう。玄関まで移動して、屋敷の中へ。……ほう。マットゴートが特産品と言う事か。それなら製品は売れないな。バフォメットの毛皮はどうか解らないが、買う優先度は低いだろう。内装を見れば大体解るからな。となると、どうしてもメイプルシロップになる訳なんだが……。仕方が無いか。


「失礼します! お客様をご案内しました!」


「ご苦労です。下がっても良いですよ」


「はっ! 失礼いたします」


「突然の来訪、申し訳なく」


「いえいえ、それでは座ってくださいな」


 さてと、どういう話になるのかだな。どう話を持っていくか。

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― 新着の感想 ―
お土産が気になりますね。贈り物は考えるの楽しいです。 メイプルシロップでもいいとは思いますが、目標に対して、クリティカルではなさそうです。 ドラゴンの剥製とか贈れたら、牽制にはなりそうですが、代官相手…
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