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停戦協議が終わる

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 占領地の数は92となった。町だけでである。これで交渉が有利に運ぶはずだ。これで向こうが折れなければ、向こうが強気すぎるのか、こちらが無能過ぎるのかのどちらかになるんだが、どうなるかだな。既に交渉に入ってくれとは伝令を送っているんだが、まだ交渉に入るという使者は来ていない。こちらとしては92の町を占領しているという交渉材料は提示したが、それだけである。こっちの国は町の数が多い。そもそも、タイガランド王国が森の占める領域が大きすぎるんだ。もっと減らしても十分なんだよ。優に50%は超えている。20%くらいあれば、木材資源としては足りるんだよな。もっと森林を切り開いて農地にしろよといいたい。考えれば済む話だ。開拓して、領地を有効活用しなければ、国民が増えないし、国力も上がらない。北限地帯に住んでいるんだから、限界まで国土を利用しないといけないんだよ。


 なので、町と言っても、本当に近い距離にあるし、ここは村でも良かったんじゃないかって所もある。が、そもそも町が農地も運用している。ゴールドレッド子爵家の町は農地なんて無い。それが大きな違いだな。というよりも、農村が大きくなって町まで育ったと考えるべきなのかもしれない。そりゃあ国力に差が出ても仕方がないと思う。こっちは完全に後進国だからな。向こうは発展途上国レベルにはあると思う。


「報告! エルグランド侯爵家の使者が参りました!」


「よし、来たか。通せ」


「はっ!」


 さて、漸く停戦協議に入るのか。膠着状態の所で魔法爆撃をやらかしているんだけど、止めないといけないだろう。戦力を削りたいのは山々だが、停戦協議をするのに、停戦せずに戦っているというのも不味い。一応上の決定だからな。最終判断が出るまではこっちは行動を控えないといけない。まあ、爆撃も効果があるのかは知らないんだけどな。


「失礼する。エルグランド侯爵様からの手紙を預かっております。既に決定事項ですが、停戦をする様にとの御達しです。即時戦闘を止める様に。また、これまでの報告から変わったことがあれば、手紙を貰うようにとの命を受けておりますが、変わっていますか?」


「停戦の件は承知しました。それと、報告については更新はありません」


「そうか。ならばこれで失礼する」


 停戦の協議に入ったか。よしよし。それでは中身を確認させてもらおうか。……。まあ、妥当なラインだな。変更が無ければ、占領地は向こうが22、こちらが92となっている。俺たち以外は何処も勝てていないという事なんだろう。それで、50の戦線がある内の14で敗戦。俺たちが封鎖している所も含めたら、約4割が負けていた可能性があると。もっとしっかりとしてくれとは思うが、そもそも全力を出してのこの結果。到底相手にもならない。侵略戦争を仕掛けるのは無意味だな。


 そうなると、この不戦協定が20年間というのは嬉しい。占領地を全て手放す代わりに20年の安息期間が与えられると。こっちからも手を出すことは出来ないんだけど、それは仕方がない。そもそも、指揮官がまともな人間であれば、こっちは既に負けていたはずだからな。無意味に戦力をばらけさせた結果、今回の失態だし。流石にこれは擁護できない。何か作戦があるはずだと考えていたんだが、何も無かったどころか、本隊の使いどころを失ったんだから話にもならない。普通は本隊を前に出してどんどんと攻め上がる方がいいだろうに。普通、本隊を温存するとかあるか? 相手側が強くて、少数で中央まで突破しなければならない場合くらいだろう。本隊を温存するなんて。弱い相手に舐めプかました結果がこれなんだから、謹んで受け取れとしか言えないだろう。


 普通に作戦を読み切って勝利となれば良かったんだろうが、これでは正直、な? 作戦で負けたがなんとか戦術で上回ったとかでもないんだよなあ。単なる慢心していた敵の虚を突いただけって感じなんだよ。慢心していた敵側が馬鹿なだけなんだけど。普通の話、戦争で慢心とか負けしか考えられないからな。嘘と慢心は絶対に駄目だって知らないのかね? 知らなかったんだろうな。こんなことになっているんだもの。戦力の数だけで考えてはいけない。国力も想定でしか無かったんだろうからさ、想定を上回られた時の対処を何も考えていなかったんだろうな。


 これでアイスクローブ王国が慢心せず、他国と停戦協定を結び、タイガランド王国だけに注力してたら、滅んでただろうな。俺だけは北の森に逃げただろうが、そうなるとダンジョンで遊ぶくらいしか出来なかっただろう。悔やんでも悔やみきれない敗戦になっただろうな。……まだ決まってないけど。これで本腰入れて兵力を回されても困るんだよな。確実に負けるから。ここらで手を打って貰いたい所なんだよ。詰みですよね? ってさ。諦めてくださいねって条件を叩きつけたらいいんだけど、諦められるかって条件を叩きつけないことを祈るしかない。


 一応、書いてあることだけを汲み取れば、停戦に合意してくれるとは思うけどな。失うものは名誉とお金だけって感じだし。領地も失わないし、国境も20年間は変更しないで済むんだから、他の国の防衛に回せるだろうしな。こっちから攻め込むなんて馬鹿なことはしないはず。出来ないはず。そんな事をしたら色々と困ってしまう。こっちにだって準備をする事はあるんだからさ。ダンジョンの強化とか、魔物の強化とか。出来ることは沢山あるんだよ。


 停戦の協議は初秋までかかった。……時間がかかり過ぎだと思うが、理由があるんだろうとは思う。先ほどエルグランド侯爵家から使者がやってきて、無事に停戦を結ぶことが出来たと報告してきた。詳しくはこっちの手紙に書いてあるらしい。


 ……。妥当なラインだな。停戦期間は10年間。領地は互いに返還。捕虜も返還。賠償金として金貨30万枚。こちら側が大分譲歩した形になる。それも仕方がないとは思うがな。これ以上は要求できないだろう。向こうとしては名誉も傷ついたんだから。何を大義名分にしたのかは知らないが、それで負けたんだから、大きく名誉は傷ついただろう。他の国が付け入るスキがあるかどうかだな。この結果を喧伝しないとは思うが。隣国がアイスクローブ王国しかないんだ。こっちからどうやって噂を流せって言うんだよ。無理に決まっているだろう? どう考えても国交のない国に噂を広めるって言うのは不可能だ。責めてトルクメニア山脈の向こう側の国が解れば良いんだがな。それもその内迂回して行こうとは思っているが、それはもう少し先の話だ。まだ準備が整っていない。準備が出来次第行きたいとは思っているんだが、まだまだ内政をしないといけないことが多いんだよ。放置して遊びにはいけない。


 ただ、本当に内政を育てないと不味いという事が解ったくらいか。10年後、全力で攻めてくる相手をいなしつつ、トルクメニア山脈の向こう側の国と連絡を取り、互いに協力をしないといけないだろう。出来るかどうかはさておいて。まずは内政だな。2年近くも放置していたんだ。どうなっているのかの確認が必要である。悪くはなっていないはずだ。食料なんかも大量にあるから、何とでもなるしな。それ以外の懸念点と言えば、何かあるか? 特に無い気がするんだが。今頃は大開拓が終わって、来年からも農業が盛んに出来ると喜んでいることだと思う。来年からもしっかりと開拓をしていかなければならない。その為には人口が必要なんだが、人間は簡単には増えてくれないからな。どうしたものか。

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