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進め進め、敵本隊の所へ

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 拠点、それならば攻略するべきだろう。……何でこんな所に本隊らしき兵力があるのかは不思議でならないが、多少は痛い目を見て貰わないといけないだろう。こっちは撤退も視野に入れておくべきだ。勝てるなんて思ってはいけない。負けないことが最優先だ。戦力を使い潰す覚悟で挑まなければならないだろう。勝てたらラッキー程度に考えないといけない。


「アントたちは突撃せよ! まずは門の破壊を。魔法を喰らわせてやれ!」


 魔法による一斉攻撃で、門周辺が吹き飛んだ。これで突撃できる。市街地戦は人間の方に分があるとはいえ、こっちだって出来ない訳では無い。破壊してはいけなければ難しいが、破壊しても良いのだ。町を残してやる義理も無い。まあ、交渉の時に不利になる可能性はあるんだが、負けるよりはずっといいからな。


「突撃突撃突撃! 怯まず前だけを見て進め! 敵の本拠地だ! 本気で挑めよ!」


 アントヒーローが突撃していく。全てを蹂躙する軍隊の筈だ。魔物としては低級かもしれないが、アントでは最強クラスである。碌に準備も出来ていなかった軍隊に突撃する。まさか東側から攻められるなんて思っても居なかっただろうからな。普通に考えたら北から攻めてこられると思っても良い筈なんだよ。だが残念だったな。俺たちは策の内容が解らなかったんだ。故の無謀な突撃。予想外だったと思う。多分だけどな。


 アントヒーローが敵兵士を食い破る。ただ、向こうも対応してきているのか、どんどんと兵士が集まってきている。こちらが兵士を1人倒すのにも時間がかかっている。戦力的にはどの位になるのかは解らないが、ここに万の軍勢が居る事も考えないといけない。撤退も視野に入っている。確実に勝てる戦いではない。負けの可能性も考えろ。


 すると、1か所でアントヒーローが宙を舞った。来たか化物が。アントヒーローが束になっても勝てるかどうかが解らない敵だ。だが、こういう時の為に兵力を持って来たのだ。個で強い奴が居るのであれば、こちらも個で強い奴を当てるべきだ。ただ、油断してはならない。魔物よりも人間の方が格段に強いのだ。


「酒呑童子! 30体であそこに迎え! お前らが好きな戦いが出来るぞ! 死んでも倒せ! 食らいつくせ! 最後に立っているのは俺たちだ! いけ!」


 確実に勝てるとは思っていない。酒呑童子でも負ける可能性が高い。だが、連戦を強いる形になるのだ。相手とて消耗するはずだ。何度も何度も戦いを挑まれて平気で勝てるような奴ならば、こっちは逃げるしか方法が無くなる。一当てしてみてから考えればいい。それ以外の戦力を削っていかないといけない。こっちが無傷なんてことはあり得ないんだ。今までの町は、そもそも防衛する兵力が居なかったから楽に勝てただけ。こうやって戦力と当たれば消耗は必至。ただ、替えが効くかどうかが問題となってくるんだ。こっちは替えが効くが、向こうはどうかな?


 戦力を整えるのに何年かかるのか。適切なユニークスキルとギフトの保持者を見つけて、軍隊として機能する様に訓練をするのに、何年かかるのだろうか。早くて3年は必要だと思う。化物を退治できるのであれば、3年は猶予を貰う事が出来る。


 そして、違う場所でもアントヒーローが宙を舞う。誰も化物が1人だとは言ってないからな。複数いてもおかしくない。そちらにも酒呑童子を30宛がった。それでなんとかして欲しい所なんだけどな。兵士が集まってきている。見た感じでは2000程度という所か。まだまだ集まってくるだろう。その時、俺たちはどういう選択肢があるのかだ。撤退するしか道が無いのだとすれば、撤退するしかあるまい。前の町で籠城するしかないだろう。不利なのは解っている。だが、一矢報いなければ主戦力が戦場に向かってしまう。それは避けなければならなかった。


 何十ものアントヒーローが倒される。想定内だ。軍蟻人が倒される。これも想定内。オーガスターが暴れまわるが、それも止められる。想定内。しかし、マルコシアスとベルフェゴールが自由に出来ているのは想定外だ。嬉しい誤算だ。相手側が空に対する手段を持ち合わせていない。ならば空からの魔法爆撃が望ましいだろう。セトを背中に乗せての魔法爆撃。町もかなり破壊してしまうが、仕方がない。まずは勝つことを優先しなければならない。


 追加の化物が3人目。これも酒呑童子が30で相手をする。他の化物もなんとか抑えている様子。倒せるとは思っていない。出来れば消耗戦に持ち込んで倒してしまう方が良いんだが、高望みは出来ない。出来る事だけをやるんだ。今はそれでいい。まだまだ挽回できる場面はあると思う。その時まで待つしかない。今回の戦争では無いかもしれない。それでも良いんだ。今後も何度も何度もやらないといけないことになるだろうからな。こっちだって負けられないが、まだまだ何とでも出来る。


 将軍蟻人からの報告が入った。どうやら化物も流石に酒呑童子が30体も相手になると防戦一方になっているらしい。その隙をアントヒーローで突こうとしているが、上手くはいっていないようだ。化物を倒せるだけでも話は変わってくるんだがな……。アントヒーローは確かにアントの中では最強クラスに強いんだが、所詮はアント。普通の兵士でも連携をすれば対処できる魔物でしかない。ここまで防御を整えられると突破は厳しいものになる。……かき乱すのにオーガスターを使っているが、うまくはいっていないようだ。しかし、それでいい。消耗戦は望むところだ。こちらの戦力は消耗しても惜しくはないんだ。積極的に相手を倒すことだけを考えればいい。


 そして、どうやら戦力は3000で打ち止めのようだ。他にも戦力らしき兵が居るんだが、そっちはアントヒーローを止められていない。徴兵で集められただけの兵士なんだろう。数では向こうの方が上なのかもしれない。けど、戦場に入れる数はこっちの方が上なんだ。こっちは戦力しか用意していないからな。戦えない魔物は置いてきた。徴兵された兵士なんぞは相手にならない。


 時間がゆっくりと経過していく。こちらも向こうもどんどんと兵力を損耗していく。アントヒーローが、オーガスターが負けて沈んでいく。それと同じくらいには向こうの兵士も倒れている。勝てるかどうかはギリギリの所だと思う。化物相手もなんとか均衡を保っている。圧倒的な個の力を抑え込めているのは朗報だ。出来れば倒して欲しい所なんだが、難しいのかもしれない。酒呑童子で倒せないのであれば、こちらとしてもお手上げなのだ。これ以上の戦力は、スノードラゴン以外には居ないんだが、そもそもスノードラゴンはコストが重すぎるんだよ。それに、ドラゴン特効を持っていないとも限らない。出したはいいが、簡単に負けましたでは話にもならないからな。


 兵力をすり減らしながら戦うのはこちらも向こうも同じだ。ただ、疲労を考慮すれば、魔物の方に利がある。魔物のスタミナを甘く見て貰っては困る。ダンジョンで激戦をしている魔物たちを甘く見て貰っては困るんだ。何のために苦しい訓練を強いているというのか。


 進化の為でもあるが、こういう時のためでもある。長く戦う事を想定していなければならない。自分が生き残れなくとも、種として生き残れることを選ぶのが魔物だ。人間とは考え方が違うんだよ。その時、一部の魔物たちが咆哮を上げた。どうやら化物を2人程倒したらしい。これは大きな成果だ。その成果をもって、俺は前の町へと退却することを決めた。このまま押し切れば勝てるかもしれないが、もっとやばい奴らが出てこないとも限らない。この辺が引き時だろう。そう考えた。

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― 新着の感想 ―
規模的に言えばわかりやすく言うと2大隊。旅団の2.7割とかですね。 主戦力らしくそこそこの奴らが3体…やはり航空戦力が必須になりそうですね。 相手が空中を浮かべて高速移動できて核攻撃並みの魔法使えると…
主力二名の強制脱落イベントか 残された者の瞳に映るのは絶望か? 否、復讐の炎が灯るのな! ダンジョンに誘い込めれば ハメ殺しや初見殺しのバーゲンセールがはじまりそうです。 謙虚堅実ダンジョンvs傲慢…
どれだけ犠牲が出ても強者を倒せればプラスと判断して躊躇なく地獄の消耗戦を選び、戦闘後に残されるのは大量の魔物の死骸と魔物に殺された人の死体の山・・・うーん、タイトルの魔王らしくなってきましたね。
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