春になり、戦争準備
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春になり、いつも通りの日常が始まっていく。が、俺は戦争にいかなければならない。既に準備は出来ている。兵士たちは後から追わせるが、ニブルヘイムの足であれば8日間で走り切れる。まあ、多少の休みは必要なのかもしれないが。……主に人間側にな。全速力で走られてもこっちが困る事になる。それは俺が経験しているからな。スノードラゴンの時は緊急事態だから仕方がなかったが、移動に関しては急ぐことではない。道は魔物たちが知っている。ゆっくりと来てもらえば問題はない。
「さて、行って来る。まずは移動に使う魔物と合流しないといけないからな。こっちも即座に移動する。まあ、急いで来てくれとしか言いようが無いが、後は頼んだ」
「後はおまかせください。大体の内政方針は決まっていますので、そこまで苦労はしないかと思われます」
「だろうな。下手をすれば帰ってくるのは数年後だ。どうなるのかまでは解らない。だが、全力を尽くして帰ってくる。その時にはより発展した町を見せて欲しい」
難しいとは思うがね。そこまで簡単に繁栄などはしない。人口の増え方が急激に伸びたとしても、その子供が大人になるには15年もかかるのだ。今は人口を増やしている最中ではあるが、増える実感が出てくるのは50年100年と経ってみないと解らないものなんだよ。その頃には俺は死んでいると思う。流石に寿命が無限にあるとは思わないからな。……転生したといっても、人間なんだ。普通に寿命で死ぬはずである。偶に死なない作品もあるが、例外中の例外だ。
『やあ、ようこそ。こっちも準備は出来ているよ。ちゃんと魔物は揃っているし、既に送り込む準備もバッチリだ。思ったよりも早く来たけど、心配しなくても大丈夫だよ』
『準備万端さ! 何時でも繋げられるからね!』
「よし、ならば繋げてくれ。すぐにでも展開するぞ。食料に関してもそっちで補給を出来る様にしておいてくれ。一応人間の兵士も居るからな。食料もダンジョンポイントを使ってもらう事になると思う。兵糧の持ち込みも多少はあるが、そこまで準備をしている訳では無いからな。現地調達が可能であれば、そうすることにしている。まあ、新しい魔物は居ないとは思うがな」
『うーん。どうなんだろうね。新しい魔物が出てきても、使いこなせるのかって所でしょ。まあ、なんとかしてみるけどさ』
「では移動する。良いか?」
『勿論。魔物についても順番に送り込んでいくよ』
そうしてダンジョンを出て、再度入り違う出口から出る。そうすることで一挙にワープすることが出来る。……これが出来るのだから、どんどんとダンジョンコアを入手したい所なんだがな。好きな場所に簡単に移動できるとなると、物流に革命が起きるんだが……。なんとしてでもダンジョンコアを複数見つけたい。最終的にはどのくらいまでに育つのかが解らないけどな。
そしてアントヒーローを軸にどんどんと魔物が出てくる。そして、整列していく。これでとりあえずは形になった。後は相手国が攻めてくるのを待つだけになる。その間に森に入って食料を調達する必要があるんだけど、それに関してはこれからだな。何が居るのかも解らないし。何かは居るんだろうけど、食料に困らないだけの数が居るのかどうかだよな。その辺はダンジョンを使っていく話になっていくんだけど。食料問題については、心配はしていない。
「揃ったか。良いか、ここで俺たちの敵を迎え撃つ。相手は人間だ。人間が強いのは解っていると思う。それでも負けることはないと信じている。お前たちは精鋭だ。まずはアントたちで相手をする。そこから状況次第で介入し、戦線を安定させるぞ。良いか、生きて帰ると考えるな。味方が必ず勝ってくれると思え。自分の命は犠牲になるかもしれない。だが、必ず味方が勝ってくれる。死を恐れるな。いつも通りに戦い、いつも通りに勝つ。個の勝ちよりも全体の勝ちを気にしろ。負ける時は一矢報いてから負けろ。それが味方を強化し、種として生き残るためだ。以上だ。食料調達班はダンジョンに向かえ。迎撃班は見張りを立てて警備。森は適度に利用しろ。では各々行動開始!」
一斉に魔物たちが動き出した。冬の間に誰が何をするのかは決めてある。それを忠実に熟してくれれば勝ちは見えてくる。人間を使い捨てにする事は難しい。が、魔物はそもそも種として生き残れば勝ちという価値観をしているのだ。自分が使い捨ての駒になる事を良しとしている。作戦を考える方としてはかなり選択肢が増える。……死を前提とした作戦も立てられるからな。そういった作戦は、人間だと不向きだ。どうしても生きたいという個人の感情が入ってくる。それでも、昔の日本の兵士は全体の勝利のために、自分の家族のために、命を投げ出してくれたんだ。俺が日本で安全に暮らせたのも、そのお陰なんだ。ただ、異世界に来てしまった訳なんだけどな。何の因果なのか。俺は別に何も悪いことはしていないってのにな。
普通であれば、陣地を構築したりとするんだろう。だが、そんなものは必要ない。人間にとって有利な戦場が、魔物にとって有利な戦場だとは限らないからだな。土塁を作って防衛に徹する方が守りとしては硬いんだろうが、魔物がその戦場を得意とする訳でもない。主力はアントたちだ。ならば平坦な地形の方が戦いやすいまである。集団で襲い掛かるのがアントの戦い方だ。1体1体が弱くとも、全体で強いのがアントなんだから。
それに、森はセトとニブルヘイムで固めている。開けた場所での戦闘はアントに任せる方が良いんだよ。それの準備をする事は特に無いし。食料問題だけなんだ。それさえ解決すれば後は何でも出来る。やりたいようにやらせてもらうさ。まあ、雪が邪魔だからそれはなんとかするけどな。春先だからまだまだ雪は残っている。マセル程ではないが、まだまだ地面を見るには早い季節なんだ。畑や町は雪をかくから地面は見えるけどな。街道なんかはまだまだ橇が現役なんだよ。
雪をどけ、戦場を作り、あっという間に時間が経っていった。その時には既に兵士も30人到着していた。まあ、この軍団の前にビビっていたが。仕方がないだろう。魔物と偶にしか戦う事がない生活だったんだ。俺が来てからは殆ど魔物と戦ったことが無いと思う。北の森は魔物がやってこないようになっているからな。後は細々とした魔物としか戦っていないはず。ここまで統率された魔物を見るのは初めてだろう。まあ、彼らにもやって貰う事はあるんだけどな。
彼らには一番前で待機をしてもらう。囮というか、斥候的な役割だな。3交代制で20人を前方に、10人が後方で休憩をする。敵が来るまではそれをひたすら繰り返す。敵が来たら全力で下がって貰う。そこからアントヒーローで押し潰すというのが大まかな作戦だ。将軍蟻人が指揮をするが、緒戦で優劣を決めるつもりなんだよ。一気に押し潰してしまえば良い。休憩の隙を与えてはいけない。人間の得意な土壌で戦ってはいけないんだよ。魔物が得意な土壌で戦わないと。有利な立場を崩さないのが正解だ。戦場はこちらが選べる。ここが戦場だ。敵はここにやってくる。ならばここでしっかりと迎え撃ち、返り討ちにしてみせる。まあ、どの位の兵力がやってくるのかは知らないけどな。
俺の予想だと多くて5000程度。デーデルの予想だと100程度の話になってくるんだが、どうだろうな。予想を軽く超えられる可能性もあるんだ。準備しておいて損はない。もしも簡単に片付いてしまったのであれば、どう動くのが正解だろうな?