移動革命が起きる、が使えない
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「では、戦場の視察に行って来る。そこまで時間はかからないはずだ。魔物の力を使えば、その辺は問題ない。では行って来る」
「その間の内政はおまかせください」
ガラリエを持ってそのままニブルヘイムで高速移動を行って8日。エルグランド侯爵家が指定した戦場に辿り着いていた。エルグランド侯爵家からは、ゴールドレッド子爵家は2か所の戦場を託されている。何でも、子爵家なんだから、最低でも2か所を受け持ってもらわないといけないと言われてしまったらしい。なので、分け方としては俺たち魔物軍団とその他という風に分けられてしまった。父からは、「魔物と足並みを揃えて戦えるとは思えん。そっちはなんとかしろ」という感じの文章を受け取って了承した次第だ。因みに男爵家は1家で1か所の戦場である。……子爵家も男爵家も大差ないのにな。爵位が上だからって、戦力も上だとは限らないんだよなあ。
「狭いし、そもそもただの街道じゃないか。横幅が15mくらいはあるけど、本当にそれだけの道だな。森からの奇襲を警戒しないといけない感じになるんだろう。……そもそも、ここで1万の魔物軍を展開できるのか? まあ、後方かく乱なんかにも使うだろうから、1万でも十分だろう。編成を考えておかないといけないな。この地形を最大限に生かして戦いたい」
平地であり、真っ直ぐであり、幅が15m程度で、左右は森だと。うーん。色々と悪さも出来てしまうな。やりたい放題出来る地形だ。だだっ広い平原とかだと、何の策も取れないんだが、ここまで狭くて障害物があるなら、魔物でも優位に戦えるんじゃないか? おっと、そんな事よりも先にやるべきことがあったんだった。
「さて、森の中の方がいいだろう。少し後方の方が後で楽だな。……これ、人間の兵士が必要か? まあいいか。疑問はさておいて、今はなんとかしないといけないんだよな。頼むぞ。繋がってくれよ。ガラリエ頼む」
『まっかせてよ! そこに置いて! ……おっけー! 繋がったよ!』
いつものダンジョンの入り口がそこにあった。なんとかポイントは足りたのか。良かった良かった。これで足りないとかになると面倒な事になったんだけど、足りたのであれば問題ない。さて、中は何処と繋げてくれたんだろうか。
『いらっしゃーい。まあ、ここでいいでしょ? どうせ直ぐに外に出るんだし』
「ああ、この場所で大丈夫だ。都合がいいまであるな。ダンジョンポイントはどんな感じだ?」
『うーん。まあまあ残ったよね。まだまだ余裕はあるよ。そこで国の端っこなんでしょ? それなら他のポイントはダンジョンを作るのに使ってしまおうかなって思うんだけど、良いよね?』
「ああ、問題ない。あそこまで範囲を広げても、特別にダンジョンポイントが多い訳でも無かっただろう? それならダンジョンの強化に使った方が良い。まあ、好きにしてくれればいいさ」
『そうするよ。あ、ガラリエの門は回収しても良いんだよね? 向こうに残してきたものとかはない? あったら先に取りに行ってくれれば良いからさ』
「いや、ニブルヘイムも既に戻してしまったし、後は俺だけだ。ダンジョンの外に出ないと駄目なんだろうな?」
「駄目だね。テイムされていると言っても他人だから。ダンジョンの外に出て貰わないと門を片付けられないかな」
そういう訳なので、1度ダンジョンから出て、再び戻ってきた。ついでにガラリエも呼んでもらっている。色々と話をしておきたいからな。
「――――そんな訳だ。まあ、権限は召喚と回収だけでも十分だろう。足りなくなった魔物を補充して、残された死体を回収する。それで仕事は終わるだろう。その分、メルカバは階層の更新と、新たな階層の戦力の補充をやれば良い。2つの頭があるのであれば、役割を分担すれば良いからな」
『なるほどねえ。同じことをやる担当を作れば良いって事か。何で人間の方がダンジョンコアをよりよく使う方法を知っているんだろうね?』
『ねえこの人間、ぶっちゃけやばくない? どう考えてもやばいよね。あっしらでも思い付かなかったことを平然と言ってのけるって、やばいでしょ?』
『まあ、この人間に関しては特別らしいよ? でも、他の人間を知らないんだよね。人間は吸収しても駄目って事も解っているけど、なんだろうね? 僕たちってこんなのを相手にしないといけないんだよ。だからその為のダンジョンもこうなったんだ。どう考えてもおかしいけど、人間はこの程度の事はやってのけるらしいよ?』
『マジヤバだよね。ねえ、本当にこれで大丈夫なんでしょうね? あっしたち死なない?』
「これだけ複雑にしておけば大丈夫だろうとは思うぞ。俺でも攻略するのに1年は欲しい。それも、無限に戦力があったとしてだ。そんな事はまず無理だから、今のままでも攻略するには相当ハードルが高いぞ?」
作り込んだからな。傑作と言っても過言ではない。悪辣な罠を仕込むわけでもない。ただ単純に難易度を上げただけなんだよ。罠なんかは特に強化はされていないしな。……一番凶悪なのは、階層落とし穴だけどな。今までの地図が無意味になる。その罠が一番強力だ。殺意の高い罠は他にもあるんだけど、そんなのはどうでもいい。ダンジョンの本質は迷わせること。迷って迷って最後の最後に殺せれば良いのだ。ダンジョンポイントが赤字になろうが関係ない。生き残ることが正義。勝った方が官軍なのだ。
「とにかくだ。まずは運営をして、黒字になる事を考えればいい。ガラリエは赤字にならない様に補充と吸収を繰り返す。メルカバは同じように食物連鎖を組み立てながら階層を作っていく。それでとりあえずは問題ないかな。後の事については、追って連絡する。次の春の終わりごろにはさっきの場所に移動するから、その時は頼んだぞ」
『りょうかーい。任せてよね』
『あっしもちゃんと運営するからね!』
まあ、任せても大丈夫だろう。しかし、単純にサブオペレーターがついたのは大きいな。これは積極的にダンジョンコアを探していかないと。最終的なプランは、何処にでも簡単に移動が出来る様にする事だな。それが可能だという事は解ったばかりだからな。これは色々と革命が起きる気がする。特に物流面はもの凄い革命が起きるぞ。
まあ、それには30近くのダンジョンコアを探さないといけないんだけどな。色々と見えてきたものがある。それらを上手く活用できれば、素晴らしい未来になると思うんだが、そもそも魔物を受け入れて貰えるのかが問題だからな。流石に天下を獲るくらいの事をやらないと駄目かもしれないな。そんな事は出来ないから、この革命的な移動方法は使われないまま終わるんだろう。勿体ない。もの凄く便利なのに。単純にワープしているのと変わらないからな? ダンジョンポイントを稼げば稼ぐ程、貿易の常識がひっくり返るのに。便利だと思うんだが、使えないんだろうな。
まあ、そもそもダンジョンコアをそこまで見つけられるのかって問題もあるんだが。30個は欲しいだろう? その位の数があれば、もの凄い経済効果を生み出すと思うんだが……。特に生鮮食品関係はひっくり返る事になる。雪だって、南側では貴重な物資のはずなんだ。氷室に沢山置いておけば、夏でもひんやりとした空間が作れるんだぞ? 生ものなんかは特にだな。卵や乳製品の保存に適していると思われる。そんな超がつくほど便利なものを使わないなんて勿体なさすぎるんだよな。ダンジョンコアを集めて、貿易で勝負することも出来るんだ。次のダンジョンコアを探さないとな。色々と出来ることがあるぞ。