2つ目のダンジョンコア
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夏がやってきたという時にその知らせが入った。遂に見つかったそうだ。いつもの定期便に乗っていき、ニブルヘイムの背中に乗り、北の森を駆けていた。戦力はニブルヘイムが50体。これで制圧できると思うんだよな。それ以上の戦力が必要になるのであれば、何かを考えないといけない。
さて、入り口に到着した。距離としては3日間くらい走り抜けた位置にあった。限りなくトルクメニア山脈に近い位置で、しかも山脈がかなり低くなっている。ここまでくれば、山脈を迂回できるのではないかと思う。……魔物は定番の魔物しか出てこなかったんだけどな。北の森って所々に別れている場所があるのかとも思っていたんだけど、そうでもないみたいだ。新しい魔物も居るかもしれないと思っていたんだけど、残念だ。
さて、攻略をしようかという感じで、軽く1時間程度で走破した。そこそこに大きめのダンジョンだったが、そもそも単純な構造をしていたために、簡単に攻略出来てしまった。魔物も大した魔物が出てこなかったし、それなりの戦闘にもならなかったんだよ。
『これで終わりなんて嫌ー! 何でなのさ! どうしてなのさ!』
「まあこの程度の戦力であれば当然だな」
『は!? 人間なのにこっちの声が解るの!?』
「ああ、解るぞ。そういうギフトを貰っているからな」
『な、ならさ! 見逃してくれない? あっしに出来る事ならなんだってするからさ!』
「ん? 今何でもするって言ったか?」
『言った言った! なんだってするさ!』
「そうか。それならテイムされても文句はあるまい」
『え? ねえ? 何でそうなるのさ!? テイムって無理じゃないの?』
「いや、既にダンジョンコアは2体目だ。故にテイムできることは解っている」
『2体目!? ならあっしは必要ないじゃん! もう1体居るんだからあっしはいいじゃん!』
「いや、色々と実験をしてみないといけないことがあるからな。……最悪は自我も何も無くなるかもしれないが、このまま死ぬよりはマシだろう?」
『でも、でもさ! 生きていたいじゃん? あっしに選択肢があるのかは知らないけど』
「実験体として持ち帰られるのか、ここで死ぬかの2択だ。生きたいのであれば実験体としての生活を受け入れるしかないぞ?」
『……解った! 解ってた! 実験体でも良いから! 何とか生きていられるようにして!』
「善処しよう。では持っていくぞ」
2つ目のダンジョンコアを手に入れてメルカバの所まで持っていった。実験の鍵は揃った。どうなるのかは解らない。未知の事だからな。だが、仕様としてダンジョンコアがダンジョンコアを落とすこともあると思うのだ。それを想定していない訳がない。故に何かしらが起きるはず。何が起きるのかまでは知らないが。どう言った感じになるのかも解らない。
『ああ、遂に被害者が見つかってしまったんだね。僕にもどうにもできないからさ。なんとか生きる道があると良いんだけど……。まあ、選択肢としては2つの方法があるって事が解ったかな』
『同族じゃん! やっぱあっし要らないよね!?』
「いや、必要だぞ。どうなるのかは解らんが、メルカバ。2つの方法があるとはどういうことだ?」
『選択肢としては2つっぽいんだよね。1つはここでダンジョンコアを壊して吸収すること、もう1つはダンジョンコアを重ね合わせること。どっちが何なのかは解らないって感じだけど』
「ふむ。そうなると、重ね合わせた方が良さそうだな。壊して吸収するなら自我は無くなるだろうし、そもそも残機が増えるだけでメリットは特に無い気がする。重ね合わせる方が未知だと思われる。まあ、ともかくやってみるか」
捕まえてきたダンジョンコアをメルカバにくっ付けてみる。そうするとするっとダンジョンコアが飲み込まれていった。でも、大きさが変わった訳ではない。不思議だ。何が起きたんだろうか。
『へー。そうなるんだ。ダンジョンコアを吸収すると、うん。まあ見て貰った方が早いかな』
メルカバがそういうと、3回りくらい小さくなったダンジョンコアを召喚した。これが何の役割をするのかは解らないが、何かしら利便性があるんだろう。
『良かった! あっし消えなかった! 助かったんだ!』
「ん? さっきのダンジョンコアと同じじゃ無いか? 再度召喚できるようになったという事なのか?」
『うーん。なんて言えば良いんだろう。僕の意志であるのはそうなんだけど、それとはちょっと違うというか。元々のダンジョンコアのままの性格を呼び出すって言った方が良いのかな?』
『ちょ!? なにさこのダンジョン! めっちゃくちゃじゃん! 大きいなんてものじゃないし、複雑すぎんでしょ!』
『とまあ、意識は別。でも意志は統一みたいな? 僕が出来る事を決められるようになった感じかな。今の所は権限を全部外してあるけど』
「ふむ。……なんとなく解った。サブのオペレーターが増えたと思ったらいいのか。要するに、権限を与えておいて、その範囲内では好きに出来ると。そういう事なんだろう?」
『まあ、そういう感じかな。それと、入り口が2つ設置できるようになったね。入り口を置くためには領域が繋がっていないといけないんだけど、そっちのコアを置いたら、その場所と強制的に繋がるって言えば良いのかな? あ、間がダンジョンコアの領域で完全に区切られていたら駄目だと思うけど、そうじゃなかったら、本当に細長い領域で何処からか繋がると思うよ』
「……それは悪用、いや、有効活用できそうだな。今回の作戦を行うには丁度いい。まずはそれを試してみるか。メルカバ、何処までダンジョンの領域を広げているのかを教えてくれ」
『え? えっとね……』
メルカバとダンジョンの領域を共有した。……かなり広いな。これは既にゴールドレッド子爵家の領地は抑えていると言っても良い。つまりは、ゴールドレッド子爵家の領地の範囲ではダンジョンを何処にでも出せるという事になる。ここまで広げていたのか。……かなりのダンジョンポイントをつぎ込んだんだな。まあ、500階層もあったら、領域の方に割り振ってもおかしくは無いか。少々勿体ない使い方のようにも思うが、仕方が無いか。
「メルカバ、一度ダンジョン領域をリセットするぞ。ポイントは帰ってくるはずだ。それで魔物村だけを取り込んでくれ。それ以外のポイントは残しておいてくれないか?」
『良いけど、そんなにポイントを使うの? どれだけ遠くに行くつもりなのさ?』
「ニブルヘイムで10日くらいは走ると思う。その位の距離の場所でダンジョンコア……いいにくいな。こっちのダンジョンコアにも名前をつけるか。ガラリエだ。お前は今後ガラリエでいいだろう」
『まあ、良いけどさ。ねえ? 適当につけてない?』
『その辺は気にしたら駄目だよ。何をするにしても規格外の人間だから』
「まあ、名前があれば何でもいい。ガラリエを持ってちょっと行って来る。何処に繋がる様に設定出来たりはするのか?」
『繋がった時に再設定かな。まあ、その辺は確かめてみるから問題ないよ』
「そうか。それじゃあガラリエを借りていくぞ。大体15日前後で繋がるはずだ。それを許可してくれればいい。……一応だが、2度目の再設置は領域内なら好きな場所に繋げられるんだな?」
『それは出来ると思うよ。じゃあ、1回リセットだね。持ち出してくれる?』
「ああ、解った。内部には侵入者はいないな?」
『居ないよ。お願いね』
メルカバを持ってダンジョンを消す。そして、直ぐに再設置をしてもらった。これでダンジョンの領域はリセットされた筈だ。
『じゃあ、ガラリエをよろしくね』
「ああ、良い感じの所に設置してくるからな」
さあ、戦場の近くの森にでも設置するとしよう。そうすれば、高速展開が出来るようになる。思っていたのとは少しばかり仕様が違ったが、これでも解決出来るのであれば良しだ。寧ろ繋がった方がメリットが大きい。色々とやってやろうじゃないか。