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冬は書類仕事が大変

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 冬は本当に書類との戦いになる。町の機能は低下し、ただ生き残る事を重視する形になってしまう。皆でなんとか春を迎えることが出来る様に祈る時期でもあるのだ。まあ、平民は内職で忙しいのだろうが。魔物村も活発に動いているのであろうが。そんな事は俺達には関係ない。俺達はひたすらに書類との戦いを制していくのだ。


「この書類を纏めたのは誰だ? 各村の人口の推移と町人の増加人数についての資料だ」


「それについて纏めたのは僕になります。何か不備がありましたでしょうか?」


「いや、不備かどうかは解らない。だが、村の人口が増えているというのは本当か? いつもであれば、町に出てくるとは思うのだが、それが出てこないで村に住んでいることになっているのだが」


「本当ですよ。今までは食べるものが無かったので、どうしても町に出てこないといけない人が大勢いたんですが、今は食料に余裕があります。なので、冒険者になりに来たり、町人になりにくる人間が減っています。村で養えるようになったというのが大きいですね。それと、その資料にも書かせてもらいましたが、大開拓をした村では殆ど村人が出て来ていません。養える数もそうですが、畑が増えて労働力を欲したというのもあるんだろうと思います。これに関しては後数年間は様子を見てみないと結論が出ないと思います。また、町の人口につきましても、領都や他の町に出ていく人が急激に減ったために、少しずつですが増えています。その内人口が1万人を突破すると思われます。まあ、それでも数十年後にはなるとは思います。あ、魔物人については人口に数えておりません。そちらにつきましては、別の資料を見て貰えばなと思います。あくまでも人間に絞った推移ですので、今回はこういう結果に落ち着いたという事を解って貰えればと思います」


「なるほどな。……村人が殆ど出てこなくなったのか。これについては良い面もあり、悪い面もあるな。出来れば、採取の冒険者も増やしておきたかったんだがな。なんだかんだと冒険者ギルドの収入にはなっているし、必要だとは思うのだが」


「それについては問題は無いと思います。採取の冒険者の数も順調に増えているので。そもそもですが、村人が出てきた場合、殆どは採取の冒険者になりがちなんですよ。なので、そこそこ食えている採取の冒険者になるのは当然と言われれば当然なんですよね。勿論ですが、大開拓に募集されてそちらに向かう冒険者も居ますが、冬の間は採取になります。彼らに冬の時期は休むという習慣はありませんから。冬には冬の薬草が生えるので、それを採取しに行っています。それこそ収入源として美味しいので、冒険者ギルドも積極的に買っていますね。それと、冬装備が充実してきたこともあり、冒険者としての活動がしやすくなったという報告も上がってきています。マットゴートの冬装備が手に入りやすいことはこの町のメリットになり始めています。その内外部からの冒険者の流入が増えてくる事になると思いますので、冒険者の数も気にしなくても良いのかなとは思っています」


「なるほどな。冒険者の数は順調に増えているのか。だから冒険者ギルドも何も言って来ないんだな。特に魔物村に対しても何も言って来ないから、問題なく増やしては居るんだが……。冒険者ギルドと喧嘩をしても良い事はない。今まで通りの関係を維持する様にしよう。それと、こっちの税収の報告書の確認だが、各商会で大きなばらつきがある。それについての理由を知らないか?」


「それについて纏めたのは俺になります。税収のばらつきについては、レッタニンより聞いておりますが、各商会で専門的に扱うものを決めたらどうかという話になりまして。各商会がそれで同意をしたことによって多少の金額の誤差が生まれることになったのだと思われます。マットゴートの素材を扱うもの、その上位種の素材を扱うもの、ガムシロップを扱うものと担当を分けたようです。その方が効率的であり、色々な商会を頼ってくるだろうという予想の元に行われているようですね。まあ、村に行商に行くときには、全ての品物を揃えておかないといけないので、各商会から買うという形になるのですが、それについては仕方がないと仰っていました。後は食料品については、全ての商会が扱う事に決めており、各商会が個性を出しつつも共通のものを持っている必要があるんだと仰っていました。その辺についてはよく解りませんでしたが、商会についても色々とあるようです。また、自分が扱う事になった商品についても、研鑽をして商品価値を伸ばしていけば、最終的にはどの商品も同じくらいの利益が出ると思っているとレッタニンが言っておりました」


「ああ、専門分野を分けたのか。それならば納得だ。……まあ、やりたいことはなんとなくだが見えた。その様な思惑であるのであれば、そのままでやって貰え。その方がこちらとしても動きやすいからな。後はどの商会が何の商品を扱っているのかのリストを作っておいてくれ。今後はそれを見ながら色々と商品を注文することになるだろう」


 レッタニンめ、考えたな。専門的に扱う方が最終的には伸びるという判断は正しいと思われる。誰もが全ての商品を扱っていた場合、利益は皆平等にはなるだろうが、技術の向上は遅れる事になりかねない。特に皮製品なんかは専売した方が良いのは確かだ。それに、行商に来た商人たちに複数の商会を回らせる効果にも繋がる。これはあそこの商会にしかないという商品を作れば、その商会に行かなければならなくなる。そうなると、行商人が多くなるんだ。最終的にはマセルを訪れる商人の数が増える事になり、利益が流れ込んできやすくなる。まあ、どの商品を扱うのかによって、少しばかり差がつくだろうが、それは許容するしかないだろう。


 そうなってくると、こっちでも色々と動かなければならない。魔物村の数を増やしつつ、扱う魔物も増やしていかなければならなくなる。レッタニンがそうやってこちらを誘導してきているのだ。しかもその案には乗らないといけないという事になっているのだから質が悪い。しっかりと自分の利益は確保してあるのだろうが、こちらも良い様に使われているだけでは終われないな。しっかりとしていかなければ、商人の餌になりかねない事を平然とやってのけるのだからな。商人同士で結びつきが強くなったのは歓迎できることなので、これもまた歓迎しなければならないが、そうなってくると早めに次の魔物を用意しないといけないだろうな。まだ早いのかとも思っていたんだがな。


 とっととトルクメニア山脈に近い村を作らなければならなくなった。急いで魔物村を拡大していかないといけないだろう。どの道やらないといけないことなので、それについては問題ないんだがな。やらなければならないことが急ぎになっただけなんだ。それでもそこまで急ぐ必要はない。まだまだ時間的な余裕はあると思っている。まあ、再来年には届くが。流石に魔物村を100にすれば、トルクメニア山脈に届くと思われる。今は60の村だ。年間20ずつ増やしていけば達成可能な数字である。戦争が終わるころには問題なく達成できているだろう。戦争が遅れれば、それだけ早く達成できることになる。その辺は考えておかないといけないだろうな。問題があるとすれば、上位種程繁殖能力が低くなることなんだが、それは仕方がない事だと割り切るしかない。強い魔物は歓迎する。多少は時間がかかっても大丈夫だろう。

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