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どう考えても戦争を避けられる気がしない

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

「それはまた酷いことを。お金が必要だという他の町からお金を回収しようと言うのですか? 流石にそれはとは思いますよ? 幾らこちらの商人が引き抜かれようとしていたからと言って、今の向こうの状況を考えれば、流石に……」


「まあ、やり方が汚いというのは解らないでもない。だが、儲けられる時に儲けられるだけ儲けるのが良いんだろう? 今が稼ぎ時なんだ。ちょっと災害とバッティングしただけなんだよ。今のうちに俺達に都合の良い様に循環させておくべきだろう。相手が思っても居ないタイミングで仕掛けて何が悪い。不意を打たれる方が悪いんだ。防げたであろう災害を放置したのが間違いだ」


「いえ、まあ、それはそうだとは思いますが、後で取り立てが来ても知りませんよ? それと、魔物との交渉もしっかりとしておいて欲しいです。今のままでは完全に奴隷と同じですので。無報酬でこちらに物資だけを渡すというのは流石に魔物にも悪い気がします」


「だが、魔物に金貨を渡しても使わないだけで、どうせ税金になって入ってくるだけだ。魔物としては、強くなり、繁殖し、高みを目指すことが褒美になる。そもそもが魔物の素材は副産物でしかない。まあ、使い道が全くないとは言わんので、こっちに横流しをするだけしておいて、こちら側が何も渡さないってのはあれかもしれないが、別に魔物は不満とも思ってないぞ?」


 実際問題としてはそうなのだ。現状、完全に奴隷に見えるのだが、割と魔物村はあれで充実しているのだ。武器や防具も行き渡っているのが今の状況で、後は食べるものと自分を鍛える場所があれば文句は無いのだ。欲望は寝る食うヤるなので、それ以外は特に必要なかったりする。搾取しているようにも見えるんだが、あれはあれでいいと思うぞ? そもそも生活しているのが魔物としては珍しいんだ。魔物の住処は建物なんて無い事が多い。野ざらしで敵が来たら戦うって事をやっているのみである。それに、意外と冒険者ともちゃんと棲み分けが出来ているので問題ないんだよな。


 冒険者ギルドともちゃんと連絡を取りあっている。そもそも魔物討伐を主とした冒険者が居ないのもあるんだが、採取だけなら、魔物との遭遇なしに安全に行えるのだ。なので、この町の冒険者の数は徐々に増えていっている。一応、北の森以外は魔物が普通に居るので、討伐がしたい冒険者でも来てくれて構わないんだが、狩場としてはそこまで美味しくないんだ。狩場としては、トルクメニア山脈の方が美味しいからな。マットゴートが出てくる関係でな。どうしても防寒具の需要は高い。まあ、マットゴートの肉も食べられるからな。食料としても申し分ないのだ。流石に味はオークやホーンディアの方が美味しいが。しかし、フォレストウルフよりは美味しい。ゴブリン? 比較するだけ無駄だ。あれは魔物が食べるものだ。


 冒険者の負傷率が大幅に下がっているために、冒険者ギルドとしても収益は上がっている。薬草採取系がかなりの儲けになっているみたいだな。今の現状ではそうなるだろうとは思うが。食肉を確保しないといけない関係上、負傷率は上がる一方だ。下級ポーションの需要は当分高いままだろう。下手をすると、ずっと今の価格を維持する可能性もあるんだよな。薬師が下げられるのを嫌うだろう。値段は1度上げてしまうと、下げるのに苦労をするのだ。下級ポーションが飽和するか、討伐報酬が引き下げられるまではこのままの可能性が高い。


「一番怖いのは領主様が見に来られた時ですよ? 言い訳は考えておいてくださいね?」


「それに関しては心配していない。領主である父が出てくることはまず無い。今はどうやって頭を下げるのかを必死で考えているだろう。そもそも現状維持でも構わんと言ったのは父だ。発展させているのだから、文句を言われる筋合いはない。そもそも貴族として欠陥があるからこそ、地方の町を任されたんだ。まあ、選んだんだがな。ここなら好きに出来ると思ったからだが」


「私からは特には言う事はありません。とりあえずは領民の命を最優先にという考えは解らないでもないので。任されているのはマセルと村を6つだけですし」


「そういう事だな。他の町や村については、他の代官や兄たちが行っているのだ。こちらを責めるよりも、そちらを責めるべきだろう。こちらは上手くやっているのだ。褒められこそすれ、叱られることは特にはやっていない。誤魔化したのは食料の事だけだ。まあ、それに関しても近々戦争が起きるのであれば、危険域だと言う事も本当の事ではある。早ければ2年後だぞ? それまでにどれだけの兵糧を蓄えておけるのか……」


 戦争は避けられないと思っている。今回の件で特に危なくなっていると思う。今回の件とは、スノードラゴンに因る豪雪災害と、ガムシロップの作成販売についてだな。この2件でもかなりの怪しさになると思う。特に前者はなあ。兵糧が足りないって言っているようなものだからな。足りない分を何処かから補充をしなければならないんだが、最前線から持ってくる訳にもいかないだろう。となると、公爵家や伯爵家が支援をしてくれることになると思うのだが、そこも小競り合いがあるので余裕がある訳では無い。隣接していないだけで、侯爵家を支援しているはずだからな。


 時間はまだあるとは思いたいが、楽観視する訳にはいかない。本当なら今すぐにでも攻めてきたとしてもおかしくないと思っておいた方が良いんだ。来年が勝負の年になる。食べ物が無いという事を敵国に悟られない様にしなければならないのと、甘味が採取できるという事を隠し通さなければならない。難しい事ではある。噂を止めることは不可能に近いからな。商人がどうしても世間話で伝えてしまうし、そもそも買うもので当たりをつけられることもある。今の状況で、国外からも食べ物を買い漁っているとなると、普通は戦争の準備なのでは無いかと勘ぐられるからな。そして、攻め込むつもりがなくても攻められると。なので、国内だけで何とかして欲しいんだが、商人の移動を妨げることは不可能だからな。基本的に、外貨を獲得するのはこちらの利益なんだ。相手側から金を吸い取る事で軍備を遅らせることが出来る。なので、商人を通さないと言う事が出来ないんだ。そして、商人を通さなくしてしまうと、戦争の準備だと勘ぐられ、結局は戦争になると。どうあがいても戦争は避けられないんだ。


 魔物を強化できるだけしておかないといけないんだよ。逃げることは出来ない。領地がここにあるからな。俺だけで逃げることは可能だ。ダンジョンコアがあれば、死ぬまで生きる事は出来る。それが楽しいのかって言われたら、楽しくはないだろうな。暇との戦いになる。そんな生活がしたいか? 俺はしたくない。出来れば一生ここの代官として生きていきたいと思っている。まあ、何代目かには代官を降ろされるんだろうが、それまでは代官としてしっかりと仕事をしていればいいだろう。俺の代で降ろされることはまず無いだろうしな。そもそも、この子爵家自体が大きくもなんともないので、もうちょっと領土を拡大できればなとは思うが、飛び地を貰っても行く気はない。出来るのであれば、この北側を領地として認めて貰えればそれでいいんだがな。ただ、そうすると魔物村の件を話さなければならないので、非常に面倒な事になるんだが。普通に魔物を進化させているだけなのだが、人によってはスタンピードを人為的におこそうとしていると見られてもおかしくないからな。

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