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決戦、スノードラゴン

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

「!? 降ろせ! そして全軍突撃! 奮戦せよ! 魔法で落とせ落とせ!」


 怪獣大決戦が始まった。……どうあがいてもドラゴンなのに、3体も居るなんて聞いてないぞこの野郎。速攻でダンジョンを展開し、メルカバに言いつけてベルフェゴールを200体追加してもらった。空中戦で1体なら何とかなるとか思っていたけど、3体は無理だ。格上なんだから、1体ずつ出て来てくれ。こっちも空中で活動できる魔物を追加しないとやっていけない。何とか1体を引き剥がさないとこっちがどんどんと戦力を削られる。とりあえず1体ずつだ。何とか落とすことを考えて欲しい。


 そして、ケルベロスたちの本気の火炎放射。3つの頭からガンガンと空へと火柱が登っていく。魔法もあわさってかなりの弾幕の筈なんだけど、そもそも当たっているのに効いているのかどうかも解らない。くっそ、耐性が高すぎるだろ。当たっているのに、落ちてこないとかどうなっているんだよ。


「メルカバ! 追加でベルフェゴールを200、ケルベロスを300だ! どうにか地上に降ろさないと話にもならない。くっそ、3体同時なんて聞いてないぞ」


『そりゃあ誰も言わないだろうからね。それにしても、ドラゴンが3体とは豪華だね。勝てれば即戦力が3体も手に入るってなると、素晴らしい事だけど、勝てそう?』


「解らん。とにかく持久戦に持ち込むしかない。向こうの体力は無限じゃないはずだ。消耗を誘っていくしかない。消極的な策しか出てこないけど、もう勝てれば何でもいい。とにかく追加で魔物を出してくれ。多分だけど、出てきたら状況を理解すると思う。最悪は昨日倒したフロストジャイアントを使うぞ。打点が欲しい」


 何とかしなければならない。だけども、3体同時に相手なんて出来る戦力じゃない。そもそもドラゴンという格上の相手なんだ。こっちの戦力を考えてどうのこうのとは出来ない。出し惜しみなし、でも、密度的にはこれが限界というのを維持し続けなければならない。常にハイプレスをかけつつ、微々たる攻撃を当てていくしかないんだよ。


 空に上がるベルフェゴール、雪の上を移動するケルベロス。その弾幕で何とかダメージを与えているが、HPなんて見れないからな。どれだけ効いているのかも解らない。……自動回復なんてあったらもう笑えないので、HPが見えない方が幸せなのかもしれない。ただ、ダメージがあると信じて攻撃を繰り返すしかないんだ。


 空で戦うベルフェゴールたちにも魔法や火炎放射が当たるが、これはもう仕方がない。当たって死ぬ前に1撃を入れてくれればそれでいい。背中に乗るゴブリン系統やコボルト系統たちも頑張ってくれているんだけど、流石にドラゴン。こんな程度では勝たせてくれない。楽には勝たせてくれないみたいだ。予定と全然違うからな。もう既に予定が狂っている。戦闘と同時に予定が狂うなんてことがあって堪るかってんだ。


 空へと圧力をかけていく。けれどもドラゴンは落ちず。代わりにベルフェゴールたちが落ちてくる。それを回収するニブルヘイム達。そしてダンジョン内で止めを刺して、新しいベルフェゴールを追加する。多少の節約はするが、そもそも収支は大赤字なんだ。今この場に居る魔物からも回収できているが、それ以上にベルフェゴールの消費が半端じゃない。ベルフェゴールの背中には誰も乗せていない。乗せていたらその分が勿体ないので降ろしているからな。けど、押している筈なのに、全然効いているようには見えない。


「クソ、どうする? ここで撤退はあり得ない。だが、今の所は効果がある様にも見えない。手が何かないか。フロストジャイアントを追加しても何も状況は変わらないよな……」


『変わらないどころか、大きな置物が増えて遮蔽物に利用されるだけだよ。大人しく、さっき言ったように持久戦をするしかないんじゃないかな?』


「こういう時に主人公なら機転を効かせて、一発逆転の策とかを思い付くんだろうけど、くっそ。何も思い付かない」


『いや、物語とは違うんだからさ。仮にヒヒイロカネが無限にあったら、フロストジャイアントにデカい剣を持たせて振るだけでも圧になるんだろうけどさ。そもそもそんな剣も用意してないしね。鉄でもいいかもしれないけど、今度はそんな武器を今から用意するのって話にもなって来るでしょ? 出来ることは時間を使って疲れてくれることを願うだけじゃないのかな?』


「それが一番現実的な作戦なんだよな……。もうちょっと育成が追いついていれば、何かしらの進化で変わったのかもしれないけど、流石にドラゴン相手は荷が重すぎる。もっと終盤になってから出て来いよ。序盤も序盤でドラゴンなんて出してくるんじゃないっての」


『まあ、不運もあると思うけどさ。今は信じて待つしかないんじゃない? 魔物たちも頑張っているんだしさ』


「そう……だな。そうするしかないよな。ちょっと外の様子を見てくる」


 外は、激戦だった。本当になんでドラゴンなんて出てくるんだよ。空中戦をやるにしても、別の魔物を用意しないといけなかったんじゃないのかね? そもそも空中戦が出来る魔物が居るだけでも幸運だったって可能性はあるんだけどさ。それにしても降りてこない。ずっと空中に居るよな……。こう、巣にでも籠って居てくれたらまだ勝機はあったんだろうけど……。ん? 巣? 巣は近くにあるよな。流石にそんな都合よくいくか? もし卵があってそれを守っているのであれば、……現状を変える可能性があるのであれば、その手で行くしか無いか。自分に都合の良い様に解釈をし、自分の都合の良い様に予想し、自分の都合の良い様に仮定をする。こんなことがあっても良いのかと思うかもしれない。けど、現状を変えられるなら何とかしたい。故にその1手は……!


「ニブルヘイム! 巣を狙え! 卵があるかもしれない! これ以上ドラゴンを増やさせるな!」


 ドラゴンの巣に駆け込むニブルヘイム。そして、その前に1体のドラゴンが立ちはだかった。


「ご都合主義的展開ぃ! 感謝! 一斉攻撃ぃぃいいいい!!!」


「ギャァァァアアアアアアアア!!!!!」


 熱いと声が聞こえる! ダメージはある! こいつらの巣には卵がある。それを守るために立ちはだかった。……完全に悪役のムーブだけどな、勝てばよかろうなのだ。3体から1体と2体になった。この差は大きい。しかも1体は逃げずに巣の盾となっている。ここが勝負所だろう。が、2体が合流に舵を切った。こっちに来る!


「空から2体! 叩き落とせ! 地面に落とせ! 雪の中に落としてしまえ! 勝機は今だ! 首だ! 首を落としてくれ!」


 卵を守るために巣の前に立ちはだかるドラゴン。こっちは完全に卵泥棒だ。だが、それでも良い。勝てればいい。空という有利な場所を捨てる程に巣を守ることに注力している。勝つなら今だ。勝機は今だ。ここで賢狼人を300体とニブルヘイムを300体追加して決戦に挑む。ここで決めないと持久戦だ。ダンジョンポイントが尽きるのが先か、ドラゴンのスタミナが切れる方が先かの勝負になる。だから今できる最善の攻撃をするべきだ。行いとしては悪だけどな! 勝てば良かろうなのだ。


「いけ! 地上にいる間に決着を付けるぞ! 前だけ見て攻撃しろ!」


 地上での猛攻、決定力はそこまで無かったのかもしれない。数に任せた攻撃だったのかもしれない。けれども、3つの首が宙に舞った。何度も何度も切りつけた。何体も何体も跳ね飛ばされた。こちらの被害は甚大。けれども、最後は届いた。味方の屍を乗り越えて、首を掻き切るまでに至った。俺達の勝ちだ。

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