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雪中行軍、登れトルクメニア山脈

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

移動中は殆どの魔物と遭わなかった。まあ、雪の中に居るんだろうなって感じだろう。雪の上を移動しているのはフォレストウルフくらいだったからな。普通に蹴散らして進んできたんだけど。俺も橇からニブルヘイムの上に変更して移動している。軍団で動くと危険でしかない。完全にスタンピードだと思われるよなあ。仕方がないんだけどな。ここで決めないと平穏が来ないんだ。夏にも雪が無くならないとかになってくると、本格的に餓死が見えてくるんだよ。何とかして討伐しないといけない。


 もの凄く早い移動をしている中、どう考えてもおかしいだろうって景色を見ている。いや、5.0m以上も積もっているだろ? そうなると、殆ど木の幹の高さよりも高いんだよね。そうなると、どうなるのか。木の枝の中を通る羽目になる。3m近くある大型の魔物、ニブルヘイムが普通に枝を無視して折りながら進むのを乗って体感しているんだけど、こんなのって無いよねって言いたくもなる。


 言いたくもなるんだけど、それ以上の異常を発見した。木の上に何かいる。具体的には、木の高さを超えた何かが居る。15m級の何かがこちらに向かってきている。あれは、なんだ?


「メルカバ、15m級の魔物が出てきた。あれはなんだ?」


『なんだって言われても、僕はこの状態じゃあ殆ど何も見えないんだよね。でも、15m級なら、ジャイアントじゃない? ジャイアントはオークの派生だよ。だからこの森に居てもおかしくないと思うな。しかもこんな状態だから、進化した個体じゃないの? 詳しいことはダンジョンに取り込んでみないと解らないけどさ』


「雪を降らせている元凶の可能性はあるか?」


『うーん。無いんじゃないかな。天候を操るには相当な格が必要だし、やっぱりドラゴンが原因だと思うな。という事は、そのジャイアントは何かしらの異常に適応した進化なんだよ。こっちは順当に進化させているけどさ、偶に居るんだよ。段階を飛ばして進化するのが。突然変異とかって呼ばれる現象だよ。まあ、普通にやってたら見ないから知らないのも無理はないと思うけどね』


「無視するよりかは倒した方がいいか……。後ろからちょっかいを出されても困るしな。全員傾聴! 今からそこのデカブツを処理する! 奮戦せよ!」


 そういうなり思い思いにとびかかっていく。基本的には魔法を使って攻撃をしているんだけどな。火属性の魔法で統一させてきた。どう考えてもドラゴンの弱点は火属性だろうと思うんだよ。今の時期なんだから、氷属性なんだろうと思う。寒さには炎だ。火だ。当然だよな。冷気には熱気を当ててやれば良いんだよ。


「グォオオオオオオオ!!!」


 多分効いているはず。効果は抜群なのかは知らないが、とにかく効果があると信じて魔法を連打するしかない。そして、狙うのは首だ。首を狙うのはベルフェゴールの役目だ。遅いとは言っても相対的に遅いだけで、十分に速い。速度的には100km/hは出ていると思われる。それ以上に速い他の奴らがおかしいだけだ。しかもその背中にはセトが乗っている。今だ! いけ! 滅びのバーストストリーム! いや、完全に違うんだけど、ノリ的にはそんな感じだ。やれやれ!


 翻弄しつつ、攻撃を加えて10分ほどか。遂に巨人の首が飛んだ。……首が飛んだら流石に死んでるよな? まあ、大丈夫だろうとは思うけど。そんな訳で、ダンジョンに取り込んで確認。そして、移動をしながらリザルトを確認する。


『あー、やっぱり。ジャイアントだよ。しかも1つ上のフロストジャイアントだ。こんな短期間に出てくる魔物じゃないし、やっぱり突然変異だろうね。オーク系の中でも強い方だからさ。普通はこんな個体が居るはずないんだよね。で、雪を降らしているのはこいつじゃないかな。こいつは雪が大量に降ってきたから突然変異した被害者の方だよ。……まあ、美味しく頂いたけど。戦力としては申し分ないよねえ』


「だな。繁殖のためにもう何体か狩りたいが、突然変異がそうそう何度も起きるものなのか?」


『いや、この気候でしょ? 突然変異が起きやすくなっていても不思議じゃないよね。段々と雪も強くなってきたし、沢山居ても驚かないかな』


「……そうだな。ここの雪の量は8.0m付近まで上がってきている。木の枝の量も大分少なくなってきたからな。平坦な場所を移動しているのとそう変わらなくなってきた」


 そうなのだ。フロストジャイアントを倒した場所くらいから、既に雪が木の上方にまで積もっているのだ。移動は格段に楽になったけど、なんだか微妙な感じがする。異常な気象はこっちの方が酷いのか。ここら辺はもう既にゴールドレッド子爵領の所は確定で過ぎている。今の西の魔物村くらいが領土の境付近だからな。という事は、レダント男爵家の領地の北となる。こんなのが町を襲ってきたら、男爵家で守れるのか? 不安しかないが、俺がレダント男爵家を守る義理も無ければ、そもそもこの辺は領地でも何でもないんだ。だからと言って見過ごすのかって言われると、ちょっと辛い所がある。見つけたら狩るようにはするが、まあ、頑張ってくれとしか言いようがない。


 その後も4度フロストジャイアントを倒し、トルクメニア山脈にやってきた。……ここからは夜の行軍は危険だ。流石に地の利が向こう側にあるのに、夜に戦うのは得策ではない。そもそも足場が解らないんだから、こっちは昼にしか行動できないんだ。だからダンジョンで1泊明かすことになった。ゆっくりと寝て、体力と英気と魔力を回復させないといけないからな。……フロストジャイアント戦で魔力は大量に使ってしまっている。回復させないと不味い。強行軍で行く理由が無いのはそれも1つだ。無理は厳禁。倒せるようになってから倒さないといけない。無茶して負けてとなると、流石に痛い。4000体の魔物を失うのは流石に惜しい。しかもいい感じに進化をしてきている魔物たちである。ニブルヘイム、ベルフェゴール、ケルベルスはこれ以上にはならないみたいだけどな。


 翌朝、早朝だけど、早速登山だ。……雪しか見えないけど、ここから上りになっているんだから山脈の筈なんだよ。それを駆け上がっていく。……俺には解らないんだが、既にケルベロスが臭いを嗅ぎ分けている。ケルベロスを先導にして山を駆け上がる。雪でおおわれて居る分、足は取られるが、それでも何とか進みはする。岩肌も出ていないので、不意な地形でどうにかなる訳でもなく。ただひたすらに山脈を駆け上る。本当にこっちで良いのかという不安があるが、もうここまで来たら信じるしかない。突き進んで居ませんでしたって事にはならないで欲しいものなんだがなあ。


 どの位上ったのか解らないが、かなりの高さにまで来ているのが解る。白かった息が凍りはじめ、マットゴート製の冬装備一式でも冷えてきた。というか、山脈を超えるかの様な移動は普通に死ねる。誰だよ、こんな糞寒い時期に雪山に上るって言った奴は。俺だ。いや、山かどうかは解ってなかったんだから、仕方がないんだけどな? でもドラゴンっていうと、森の奥って言われるよりも、山の上だよねって話でさ。領民の危機なんだ。何とかしないといけない訳だろう? 何とかしないといけないとなった結果、山登りですよ。この真冬に。糞寒い時期に。ドラゴン退治なんてやらないといけないのは何でなんだろうか。戦力が足りているのかが解らない。それでも行くしかないんだ。やらなければやられる。こんなのは冬の間だけにしておいてもらわないと死んでしまう。何とかするために来たんだ。成果無しでは帰れない。そんな俺を嘲笑うかのように飛び立つ影。それが3つもあった。

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