初めてのテイム
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文官長に仕事を押し付けた俺がやることは、北の森の探索だった。本当はソロで良かったんだけど、エルナンデスとデーデルからソロの許可が降りなかった。兵士を最低でも5人は付けてくれと言われてしまった。25人しか居ない兵士の2割も使ってしまっていいのかとも思うんだが、致し方ない。忙しいとは思うが、俺の我が儘に付き合ってくれ。
「それでだ。魔物を探す。この辺りの主要な魔物の種類を教えてくれ」
「はっ! 主要な魔物は6種であります。スライム、ゴブリン、コボルト、フォレストウルフ、ホーンディア、オークとなります」
「なるほどな。食料に適した魔物はどの位居る?」
「食料となると、ホーンディアとオークになります。フォレストウルフも食べられない訳ではありませんが、先の2種と比べると、味が落ちます」
「ふむ……。強さ的にはどうなる?」
「単体で一番強いのはオークになりますが、群れを作るとなるとフォレストウルフが一番厄介かなと思います。フォレストウルフは連携をしっかりと取ってきますので」
「そうか。……ここからの話だ。俺は魔物をテイムしていこうと思っている。テイムするのはスライム、ゴブリン、コボルト、フォレストウルフだ。ホーンディアとオークは食料に回そう。魔物たちが協力すれば倒せなくはないと判断した。出来る限り魔物を探すぞ。冒険者と出くわす可能性はあるか?」
「……正直な話、無いと思います。その、冒険者の質はよろしくないので」
「解った。では魔物の集落を作っても問題無い訳だな?」
「……こちらを襲って来ないのであれば、問題無いかと思われます。ただ、冒険者ギルドへは届け出た方がいいでしょう」
「それは解っている。今日の成果次第では説明をしないといけないだろう。冒険者にも手出しは無用としておかなければならないだろうな」
魔物が村を作る。こんなことは常識では考えられないと思うかもしれないが、出来なくはないだろうと思う。魔物だって拠点を作るだろうし、群れを作るんだ。当然、その延長である村を作っても問題無いと思われる。……世界の敵認定されなければ良いんだけどな。まあ、何とかなるだろうと思う。多分だけどな。
森に入って暫く。スライムは何体もテイムした。今は集合場所というか、集落予定地の雪を食べて貰っている。スライムはそこまでの栄養は必要ないらしく、水さえあれば生きられるという素晴らしい生き物だった。しかも勝手に分裂して増えてくれるらしいので、掃除屋にはぴったりだと思う。寧ろ町や村でもテイムを推奨していこう。町の汚物問題がこれだけで一気に解決出来てしまう。まあ、まずは魔物村で実験をしてからになるだろうが。
「……フォレストウルフに捕捉されています。囲まれてますね。すみません。察知するのが遅れました」
「いや、別に構わない。囲んでくれるのであればラッキーだ。お前たちは死なない様に立ち回れ。俺の事は気にするな。戦えるだけの強さはあるつもりだ。それよりも、他の魔物は居ないのか?」
「居ないと思われます。フォレストウルフは殺さない方がいいでしょうか?」
「出来るだけで構わない。死んだら死んだで使い道はあるからな。おっと、それよりも姿が見えてきたな。向こうも仕掛けてくる気満々だな」
見れば15、6体のフォレストウルフに囲まれていた。いいねいいね。ここまで気付かせないハンターな気質も最高だ。これは話をしないといけないだろう。
「フォレストウルフよ! 話がしたい! こちらの話を聞いては貰えんだろうか?」
『力こそが全てだ。力を見せよ。話はそれからだ!』
「是非も無し。では、お前らを無力化させて見せよう。兵士諸君、来るぞ!」
フォレストウルフがとびかかってくる。噛みつこうとしているのであれば容易い。しかも空中に居るのであれば、更に簡単だ。下顎目掛けてアッパーをかます。そこに追撃の左フック。これで気絶をしてくれると有難いが、魔物がそんな軟な訳がない。すかさず頭にげん骨を叩きつけた。これで暫くは大人しくしてくれるだろう。雑にその辺に転がしておく。
「はっはー! 楽しいなあ! ええ? フォレストウルフさんよ!」
『グググ、何をしている! さっさとやれ!』
「見ているだけか? さあ、かかってこい!」
実際は10分も戦闘をしていなかったと思う。それで16体のフォレストウルフが無力化された。一部は気絶をしているが、群れのリーダー的存在は意識を残してある。手加減してもこの程度か。これでオークを狩れるって言うんだから、そこまでは強くないのだろう。まあ、高さが1mくらいもあるから、結構な大型の魔物って感じがするんだけどな。その程度の魔物であれば余裕である。拳真を舐めて貰っては困るのだよ。
「さて、力は示した。話を聞いてもらおう」
『クッ、何が目的だ?』
「軍門に下れ。テイムさせよ。命は助けたつもりだ。文句はあるまい?」
『……受け入れよう。お前は強さを示した。お前がリーダーだ』
「よろしい。では、テイム!」
フォレストウルフを16体。テイムすることに成功する。気絶している奴らもしっかりと叩き起こした。まあ、そこまで重症ではない。こちらも兵士諸君が少し怪我をした程度で済んでいる。……再訓練が必要かもしれないな。こんな魔物で苦戦をしていたら問題だろう。手加減してもなお余裕で居てくれないと困ると思うからな。
「さて、それでは話の続きだ。俺達の目的は、魔物で村を作る事だ。傘下にはスライム、ゴブリン、コボルト、フォレストウルフを考えている。ホーンディアとオークは食料になって貰う。拠点は今用意させている。そこでの集団生活になるが、大丈夫か?」
『ゴブリンとコボルト共は使い物になるのか?』
「解らん。だが、数が多いだろう? 数は力だ。特にゴブリンは繁殖力が高いと聞く。しっかりと育ててやれば戦力としても使えるだろう」
『ふん。なるほどな。では、我らの仕事は手下を探すことか?』
「理解が早くて助かる。そちらの方が鼻が利くだろう? 探して追い込んでくれ。後はこっちで対処をする。力を示すのであれば、先ほどと同様に戦えば良いだけだからな」
『解った。では行ってくる』
フォレストウルフたちが森の奥へと進んでいく。こっちの臭いも解っているだろうから、しっかりと追い込んでくれると思われる。その内にスライムをある程度テイムしたいな。拠点の作成に使いたいし。まだまだ雪が残っているからな。拠点もなるべく広く作りたいと思っているんだよ。
「しかし、いきなりの戦闘だったわけだが、負傷者が出るとはな。しっかりと傷薬を使っておけよ。使わないで放置するとなると、悪化して最悪死ぬぞ。その辺の事は解っているとは思うが、一応な」
「……すみません。不覚を取りました」
「気にするな。元々平民上がりだろう? 剣術やその他の戦い方も我流の所が大きいはずだ。皆の動きが統一されていなかったからな。暇を見て再訓練の準備も進める。まあ、それ程悪い事にはならないとは思うけどな」
「はっ! 承知いたしました」
『ウォオオオオオン(敵を発見した)』
さて、見つかったようだな。コボルトか? ゴブリンか? それともフォレストウルフか? ホーンディアとオークにはお肉になって貰う事になるんだけど、今はまだ良いんだよ。準備も何もしていないんだからな。まずは仲間集めだ。しっかりと群れを大きくしていかないといけない。今日中に100体くらいは捕まえてしまいたいと思っているんだけど、どうなるだろうな。結構時間には余裕があるとは思うんだけど、何処まで作れるかだな。