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秋になり、税の使い方を考える

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 秋になり、収穫が最盛期を迎えようとしている。春も夏も野菜が多く市場に溢れて来ていた。これは農村でアンデッドを使い始めた効果が出ていると思ってもいいんだよ。農家が野菜作りに本腰を入れられるようになったと言う事なんだからな。麦の管理はアンデッドに任せてしまえば良いんだよ。そうすると、日中の半分以上は空く事になる。麦の管理が一番面倒だからな。それらをやらなくても済むとなっては、非常に便利になったと思うぞ。死霊魔法持ちがちょっと大変になるだけなんだけど。


 それと、魔物村の方も順調である。既に40個の村が稼働している状態になっており、その内16の村でサトウカエデが取れることになる。この冬場は勝負だな。どれだけのメイプルシロップが取れるのかが色々と問題になってくると思うんだよ。本家も欲しいみたいなんだよな。貴重な甘味だから、解らないでもないんだけど。それにしたってもうちょっと言い方というものがあるだろうと思う。情報を教えろと言ってきたのは言うまでもない。税の一部をメイプルシロップで収めろと言ってきた時には流石に駄目だと言ってやったが。幾らなんでも甘味の価値を考えれば、税で取られる訳がない。それなりに高価な品物なのだから。価値判断が出来ていないのか? 本家の人間も欲が深すぎるぞ。


 そんな些細な事で、身内で仲間割れをしていたら、話にもならないんだよ。敵は南の国、アイスクローブ王国なんだから。それのための物資を集めるのであれば、税金で取っても仕方がないとは思うが、甘味が戦略物資になる訳もなく。その辺は断固拒否をさせて貰った。増税とか何を考えているんだって話だからな。まだまだその様な時ではない。もうちょっと考えて欲しい所だ。


 後は冬支度になる訳なんだが、今年は薪も豊富にあるため、冬を越せないという人は居ないはずだ。冒険者にしても、安全に稼げるようになっている筈なので、資金には余裕があるはず。冒険者の数はそこまで増えては居ないんだが、減っても居ない感じなのだ。今までは死んでしまう人も結構いたんだけど、それが無くなったおかげで、総数は増えている。流石に移動してしまう冒険者を止める方法は無いんだけどな。冒険者は移動を自由に出来るのだよ。


 願わくばこちらに採取の冒険者が増えて欲しいとは思うんだけどな。冒険者も人口として数えても良いのか問題があるが、普通は数えない。何時何処で何をするのも自由なのだ。冒険者は人口に数えないのが一般的だな。だが、冒険者が居なければ、成り立たない職業もあるんだ。そういう人たちの為にも、冒険者には是非とも居着いてもらいたいと思っている。安全に採取が出来るというのが売りなんだがな。冒険者ギルドもその方向で宣伝してくれている筈なんだけど。


 採取よりは戦闘の方が花形なので、そっちに人が流れていってしまうのは仕方がない事ではあるんだけども。死ぬ危険性が大きい場所の方が実入りが大きい。それを目指して冒険者になる人は少なくない。実家の家業を継げなかった人たちが、冒険者で一攫千金を狙うのは間違っているとは思わない。だが、安全に安定に生活が出来る冒険者も居ると言う事は知って欲しいものだ。


「マクシミル様、今年の税収の見込みです。アンデッド農法を採用した関係で、税収の大幅増が見込まれます。今年は1.5倍程度の麦が入ってくる見込みです」


「解った。結果がどうなったのかも記録はしっかりとしておいてくれ」


「解りました」


「さて、デーデル。今年は税収が大幅に余った。これは由々しき事態だ」


「そうですね。借金をするよりはマシですが、余るというのもよろしくありません。来年からは色んな業種に配る事も考えなければなりませんな。特に樵の負担が大きくなりました。薪の値段を上げても良いのかもしれません。民間には安く、我々には高く売って貰えるように交渉しましょう」


「そうだな。だが、それでも税収が余る。使ってやりたいが、畑の開墾以外に使い道があるのか? 正直な所、使う場所がないと思うのだが。道路整備は殆ど必要ないだろうし、外壁の工事も必要ない。そうなってくると、町の中の道路を整備した方が良いのかという事にもなってくるんだが、そもそもの話、そこまで荒れた道路は無いよな?」


「昔からその辺りには税金を使ってきましたからな。30年ほど前には終わっているかと。石畳にするのであれば、それなりの費用を使えますが、そもそも石材は領外からの輸入になりますし、石材で舗装してしまいますと、春先が問題になりますね。石の上に雪解け水がある事で、滑りやすくなります。そのデメリットがあるせいで、この辺一帯は土の道にしているくらいですから」


「そうだろうな。高い材料を使って、使いにくくしても意味がない。土の道で不自由が無いのだから、これまで通りでも問題ないだろう。そうなってくると、本格的に税金が余るのだが、どうしたら良いと思う?」


「1つは兵士を増やすという事がありますね。今は25人ですが、50人程度まで増やしても良いのではないかと思います。治安維持のためにも兵士は欲しいでしょう。この間も訓練で領都から剣士の先生を呼びましたが、今度は教えられた側が先生になり、剣術を教えていくことになります。冒険者として領民が出ていく事も防げますからな。兵士を増やすというのも有りかなとは思います」


「……なるほど。軍備の増強を図る訳だ。それはそれで有りだな。良しその案を採用しよう。雇用は次の春からでいいだろうが、募集は出しておかないといけないだろうな。冬の間に決めて貰えればいいか。書類の準備をしてくれ。兵士の募集を25人程度だ。募集者の数によって、多少の増減はあると考えてくれ」


「畏まりました」


「それでもお金は余るでしょうね。それをどうするのかですが、……正直な所、必要だと思えるものが少ないんですよね。辺境の町ゆえに、必要なものはその周辺から取れてしまうので」


「俺もこれ以上必要なものは思い付かない。来年はもっと余るぞ。魔物村からも産品を徴収しているからな。保管庫の増築もしたばかりだが、更に増築しておくべきか?」


「そうですね。必要そうであれば増築するべきでしょう。確か、去年の倍に魔物村を増やされたんでしたか? それならば、もう2つくらい保管庫を作っておくべきだと思われます。ミットレント商会が売るにしても限界がありますからな」


「そうだな。限界がある。それも解消するべきか。ミットレント商会に投資するのはどうだ? 人材もそうだが、一番は橇馬車だ。それが数台あると数倍ものものを運ぶことが出来る。今のうちに商会に大きくなってもらうべきでは無いか?」


「一商会に肩入れしすぎるのはどうかとは思いますが、町の外に行く商人がミットレント商会しか無いですしね。ただ、贔屓にならないためにも、他の商会にも投資をしましょう」


「そうだな。そうするか。デーデルは来年の税収の見込みと活用方法を考えてくれ。俺が後で見る」


「解りました」


 さて、これで冬の時期の仕事の整理が終わった。後はひたすらに書類仕事になる。こうなってくると本気で参ってくるからな。娯楽も欲しいが贅沢は言っていられない。娯楽にも金が必要になってくるからな。しかも、冒険者も少なく、町の規模も小さい俺の領地では必要になるのかどうかも解らない。もっと数万人の都市であれば考えるんだが、精々7000人の町だからな。もっと人口が増えてくれると助かるんだが、その為には産業が必要なんだよな。

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