ミットレント商会にダンジョンがバレる
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結局、例年通りの開墾を行う事になったのだが、農村でアンデッドを使って欲しいというお願いは通った。単純作業は任せられるという点が大きかったのと、魔物とは違うという事でちゃんと解って貰えた。最低1人は農村で死霊魔法の使い手を育てて欲しいと言ってあるので、大丈夫だろうとは思う。500人もいるんだ。しっかりと訓練すれば、1人くらいは覚えられると思う。
村の規模は約500人だ。それが6つ。町は大体7000人。全部で1万くらいになる。魔物村は20あり、大体村と同じく500くらいで収めている。増やすことは可能だが、村の規模を大きく超える事になる。それでいいのかという事にもなるんだ。
魔物の人口を増やしていくのはいいが、土地もそれなりに必要になってくる。現実的に考えて、500が妥当な所なのだ。それを40にまで増やすというんだから、まずまずの大きさになると思われる。横に伸ばすので、下手をすると男爵領の端に到達するのではないかと思う。問題になることはないはずだ。冒険者ギルドには既に通達してある。回避行動を取ってくれると信じている。まあ、バレたとしても何も問題は無いんだがな。精々本家から何かの探りが入る程度の事だ。探られても痛くもなんともない。俺は単純に魔物を従わせ、軍としての強化をしているのだ。それ以外に何もない。魔物を育てることが悪というのであれば、世のテイマー達は全て悪だという事になってしまう。そうではない以上、この件も放置するしかないと思うのだ。私がテイマーとして機能していれば良いだけだからな。
さて、残った税金で何をしようか。町を発展させるという事もありなんだが、何をしたら発展するのかが解らない。そもそも、領地を運営したことなんてないのだ。何が正解なのかが解らない。現状維持で良いのか、それとも何か大きな改革をした方が良いのか。大きなことをやるとしても、人口が追いつかなければ意味がない。人口は基本的に増加傾向にあるんだが、冒険者として出ていく領民が多いのだ。故に現状維持の人口しか居ない。仕事を与えてやれば良いだけなんだが、それにしても外から仕入れないといけないものが多すぎる。
「ミットレント商会の者がやってきましたが、予約を取り付けておりましたでしょうか?」
「ああ、俺が呼びつけていた。例のものが手に入ったらしい。受け取りに行く。応接間で待機させておいてくれ」
「解りました」
皮製品を作るのも、どうしても糸などが必要になってくる。それであれば、糸が作れるような魔物をダンジョンに取り込ませればいい。そう考えていたのだが、生息地が山脈だったのだ。しかも割と高級品という事で、入手にてこずっていたのだが、漸くと仕入れられたらしい。……前に糸だけで試したら駄目だったのだ。最低でも皮まで必要なのではないかとメルカバも言っていた。リザードマンの時も、鱗とその下に皮があったからな。小さいといっても、それで十分だった。ならば今回もその可能性がある。仕入れて貰えれば、布や糸も作れる。内職が捗るだろうとの予想だ。
「これはこれはご機嫌麗しゅうございます」
「世辞は良い。レッタニンよ、手に入ったのか?」
「ぐふふふふふ。少々値が張りましたが、今回は資金が潤沢でしたからな。これがマットゴートの絨毯でございます。税金でこれを買えるようになるとは、中々にやりますな」
「なるほど、1体丸々使っているのか。これは倒し方が気になるな。しかし、良く仕入れてくれた。勿論、これだけでは無いのであろうな?」
「勿論でございます。ぐふふふふ、準備はしておくものですな。ちゃんと2枚用意しておりますとも。その代わり、値段は高額になりましたがね。前払い金で全部支払いは終えておりますので大丈夫でございます。私も海千山千の商人になりましたので。ええ、ええ、この位は朝飯前ですとも。しかし、これからも扱えるんでしょう?」
「ん? どういうことだ?」
「とぼけなくとも問題ありませんな。ぐふふふふふ、……ダンジョンを手に入れたのでしょう?」
「……何処から情報が漏れた? 誰にも話していないはずだが?」
「でしたら、仕入れるものを私を通さずに行うべきでしたな。少量で構わないというのは、いささか疑問に思っておりました。その後、魔物村の話が出てきまして、もしかしたらと思っていたのです。ダンジョンコアが魔物であれば、ダンジョンそのものを手に入れることが出来るのだと。そして、冬の間に確信いたしました。ダンジョンでマットゴートを作り出すことが出来るのであれば、無限にマットゴートの素材を扱えます。それは町人の内職になり、私めの商品になる。高級品を扱わせて貰えるのであれば、私、何処までもやりましょう」
「……流石に露骨にやり過ぎたか。まあ、話が解る奴が居てくれるのは助かる。ああ、そうだとも。ダンジョンを手に入れた。それを使って資源を作り、製品を作り出し、お前に卸していたんだ。まあ、それ以外の産物もあるんだが、それだけの情報でよくもダンジョンコアを手に入れたと解ったな?」
「出てくる物が異常でしたからな。肉類が多かったのはまだ良かったとは思いますが、樽に使われている金属。それの出所が不明でした。その後にポーションなどが出てきて、非常に解らなくなりましたが、ダンジョンを手に入れたのだとすれば、全てに説明が付きますからな。ダンジョンは夢の宝箱。ありとあらゆる富を齎すもの。それを手に入れたのであれば、私、居てもたっても居られませんでした。つまりは、私どもの商会を通して売って貰えるのでしょう? 私の商会が大きく育たない訳がない。利益の半分以上はそちらに入るのでしょう。しかし、手数料だけでも無限大。ダンジョンがある限り、私の富は無限となります。違いますかな?」
「半分は当たっているな。だが、それでダンジョンを得たと推測できたことが凄まじいな。僅かな可能性で今の情報を掴みとったのだ。……今の利益だけを手にするだけで満足か?」
「いえいえ。こうなった場合、私のやることは1つでしょう。動物や魔物の素材を買い漁れば良いのでしょう? そうすれば、その魔物由来のものが扱えるようになるのでしょう。リザードマンもアントも、そしてマットゴートも。扱えるとなれば私の利益は天井知らず。ミットレント商会は更に大きな飛躍を遂げるでしょう」
「流石に解るか。そうだ。金になる魔物素材を持ってくれば、複製し、集めて見せよう。一応は無限ではあるが、時間はかかる。その点は留意してくれ。それと、流石に今度は露骨にやるのは止める。解らない様に偽装もしてくれ。ただ、魔物と言っても全部が全部取り扱える訳では無い事を覚えておいてくれ」
「ええ、ええ。勿論ですとも。では、早速準備をしなくては。まだまだ1町の商会。弱小に近い商会ですのでね。出来る限りの事はさせていただきますとも。それはもう、丁寧にやらせてもらいますよ?」
「ああ、それと、魔物素材以外にも金属を集めてくれ。金属は鉄、金、銀、銅、コルバイトを入手している。それ以上の金属も集められるか?」
「上位の金属となると、ダマスカス、ミスリル、アダマンタイト、オリハルコン、ヒヒイロカネと言われていますが、現実的にはミスリルまででしょうな。少量でも、原石でもと言われれば、何とかアダマンタイトまでは入手出来るかと思います。ですが、オリハルコン、ヒヒイロカネは現実的では無いでしょうな。国も少量持っているだけだと思われます」
「だろうな。合法的な手段で手に入れることを前提としてくれ」
流石に法を侵してまで入手してもな。お尋ね者になったら元も子もない。バレるとは思っていなかったからな。今度はバレない様にやろう。それにしても、ダンジョンコアを魔物だと思っている奴が居るとは思わなかった。失敗したが、味方に引き込んでおくしかないだろうな。