税金が余ることになりそうだ
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ミットレント商会から大量の税金が入ってきた。かなり儲けたようだな。大変喜ばしい事である。去年の5倍の金額が転がり込んできた。昨冬の成果である。一番の儲けは下級ポーションになる。これから追加の薬も送り出していくが、しっかりと儲けて欲しい。後は食料品やら薪やらが多い。まあ、値段はそれ程でもないんだけどさ。内職の成果も売り上げとして入っているが、例年の1.2倍程度だった。そんなものだろうな。食事関係が改善したからと言っても、内職の効率が劇的に上がるという訳でもないし。
そして、特出するべきはメイプルシロップである。下級ポーションは数が多いので、一番の売れ行きとなったが、単価だけで考えれば、メイプルシロップが一番高い。少量だから金額トップにはならなかったが、単価では抜群の高さである。それでも砂糖と比べると安い。砂糖は1袋で金貨数十枚という値段になる。数千万ルクリエとか尋常じゃない。そんな砂糖を買えるかっていうんだ。メイプルシロップは500mlくらい入っている壷で金貨2枚だ。砂糖の数百倍安い。それでも領都では売れるんだから凄いよな。まあ、王都に持っていったりはするんだろうけども。
だけど、金貨は大きい。今年はメイプルシロップを大量に残したので、来年以降が楽しみである。使いたいからな。自分たちで消費する分は残しておかないと。生産者の特権なんだから。来年からは魔物村の数も多くなるし、サトウカエデの群生地も更に発見しておいた。抜かりはない。しっかりと稼ぐことが出来るだろう。非常に楽しみである。
「さて、今年の主だった税金が入って来た訳だが、どう使う? 去年は例年通りで任せたが、今年は少しは話を聞いていこうと思う。どんなことに使うのだ?」
「まずは、各農村の開墾支援ですね。来年以降の麦の量にも関わってくるので、開墾をしてしまいたいと思っています。それには町の労働者を連れていきます。……人口が少ないので、そこまでの開墾は出来ません。出来ても2haくらい増やすのが関の山でしょう。森を減らして農地にするのはどうしても時間がかかります。なので、街道沿いを農地にしているんですが、そこだと往復の時間がかかり過ぎて、農作業に使える時間が減ります。何方にしてもあまりよろしくないので、今は森の開墾を行っている所です。ただ森の開墾も、やり過ぎると森が無くなる恐れがあるので、出来ることは限られると思います。流石に森が無くなることは無いとは思いますが、薪を大量に入手しないといけない関係上、森を少しでも減らすことはかなりナイーブな問題でして」
「なるほどな。確かに森がどの程度大きいのかが解っていないと、無くなるかもしれないという恐怖が襲って来るのか。地図を見た限りは1000haくらいは平気でありそうだがな」
「それ以上はありますね。そもそも大きさなんて適当な地図ですので。……軍事物資になるので、正確な地図は侯爵家以上の家しか持っていません。私たちは子爵家、それも代官のレベルなので、当然ながら正確な地図なんてものはありませんね」
「それもそうか。……樵はどのようにして薪を集めているんだ? 単純に切りやすい木から切っている訳ではあるまい?」
「当然ですが、木はある程度間隔を開けて伐採します。その後、抜根をして平らに戻す作業もやります。そうしなければ、次の木が生えてこないので」
「ん? 植林はしていないのか?」
「植林とは何ですか?」
「新しい木を植えることだ。木も種から育つ。その種を入手して2、3年育てる。そうすると小さな木が生えてくる。それを抜根した跡地に植えるんだ。そうすると、20年後には立派な木になる。そう言った事を何もしていないのかと聞いているんだ」
「……何もしていないですね。そもそも木が生えてくるかどうかは運に頼っているので」
「それは止めた方が良いな。植林は必須だ。樵に木の苗木を育てる様に言ってくれ。それを伐った場所に植えていく。そうすれば確実にそこに木が生えてくる。運任せでは駄目だ。確実に生えてくる状況を作らないといけない。運ばかりに頼ると、どうしても森が無くなってしまうという恐れがある。10本木を伐り倒せば、20本の苗木を植える。そうすることで、確実に森が無くならない。それは必須の事だ。各農村に徹底させてくれ」
「解りました。それは町でも同じことでしょうか?」
「同じだ。既に魔物村でも同じことをやらせている。魔物でも出来る事だ。人間が出来ない訳がない。徹底して植林をさせる様に。そうすれば、森が無くなるという恐怖からは逃れられるだろうからな。まあ、国土の半分以上が森のタイガランド王国で、森が無くなるという心配の方が無用なんだが」
植林は必須。開墾するのは当然だけど、植林もしっかりと行わないといけない。1本伐り倒したら2本植える。そうすることで、育たなかったときの事も考えるのだ。育つ確率は5割よりは高い。発芽率が低いだけで、低木から育てるのであれば、ある程度は育ってくれる。それを樵に教え込むのだ。樵とて、年中木を伐り倒している訳では無いからな。休みの日もある。そういう時に苗木の世話をしてくれればいい。水をやる程度の事で良いのだ。休みの日でも問題あるまい。
「それで? 他には何をする事になるんだ?」
「いつもなら、町のゴミ処理をするんですが、スライムが処理してくれていますからね。いつも投入していた税金が浮いた形になります。後は、古麦をお酒にするために処理をするんですが、そっちにもお金を回せそうですね。詳しい作り方は酒蔵しか解らないので、そっちはおまかせする予定です。無駄に関わっても良い事はありませんし」
「そうだな。任せる方がいいだろう。それと食糧庫を増築しようと思う。今後の事も考えればいい案だとは思うが、どうだ?」
「そうですね。年々増えていく一方でしょうから、増やしておいて損は無いでしょう。それも予算に盛り込んでおきます」
「頼む。それで? 後は何をするんだ?」
「例年では、魔物被害があるので、町の外壁の修理もしていたんですが、魔物被害がありませんでしたからね。修理の必要が無いので、メンテナンスだけになるかと思います。なので、ここでも予算が余ることになりますね」
「予算が潤沢にある訳では無いからな。余ることは良いんだが、他に使う事はあるのか?」
「いえ、8割方その位の仕事で税金が無くなるので、仕事としてはその程度ですね」
「開墾、ゴミの処理、酒造り、外壁の整備。この位しか仕事がないのか?」
「そうですね。それ以外の仕事が殆どありません。雪が無くなり次第、街路の整備をするくらいでしょうか? それも補修という事で、毎回ある訳ではありませんし」
「……思ったよりも少ないな。町の人の仕事はそれでちゃんとあるのか? 今年は仕事が減ることになるぞ?」
「そうですね。仕事が減ることになりますが、その分は薪を作ることに専念してもらうのと、それぞれの家の内職をしてもらう事になります。内職も馬鹿にならない収入でして。特に皮を使った製品が例年だと作られるのですが……。皮の入手経路が変わりましたからね。例年よりも稼げると思いますよ? 何せ、動物を狩る、魔物を狩るという事をしなくても良くなりますから。魔物村から素材も届いていますし、皮を鞣せば良いだけですから、例年よりはずっと楽に稼げるかと」
税金ってそんな事にしか使ってないのか? もっと別の事に使うと思っていたんだけど、そもそもそんなに税金が取れないのか。仕方がないが、産業もある事だし、何とかなるだろう。町の人の生活が一番心配なんだが、何とかなるのか?